ワークマンの冬用ライディングパンツは、まだ不満も多いが確実に進化していた!【自腹レポート】

■4900円という驚異の安さ!

ワークマンは近年、バイク用のウェアもラインアップしています。

ワークマン冬用ライディングパンツ01
ワークマン冬用ライディングパンツ01

ボクは、昨シーズン、冬にバイクに乗る時用に、ワークマンの『透湿防水防寒DENIMYストレッチパンツ』というアイテムを買いました。4500円と、冬用ライディングパンツとしてはケタ外れの安さで、バイクに乗ることを考慮して、さまざまな工夫が盛り込まれていた意欲的なライディングパンツではありました。

ただ、まったく試作をしなかったんじゃないかと思うほど、様々な部分の作りや寸法がトンチンカンでした。とにかく安くて、十分な防寒性能は持っているので、ボクは許せたんですが、それはそれは出来の悪いパンツで、改善すべき点がいっぱい挙げられるアイテムでした。

そしてこの2021シーズン、ワークマンから新作が登場しました。『イージス360°リフレクト透湿防水防寒 STRETCH STRONG パンツ』というアイテムです。

気になりました。4900円。前年度モデルより400円高くなってはいますが、依然として格安です。

そして、何より、ワークマンに期待したのです。「あれほど意欲的だったんだから、問題点を改善してきているんじゃないか!?」。そして、今年も買ってみました。結論からいえば、まだまだ不満点は多いのですが、確実に進化していました。以下で詳しく紹介します。

●メタボ専用サイズ?

この『イージス360°リフレクト透湿防水防寒 STRETCH STRONG パンツ』で、前年度モデル同様に不満だったのが、まずサイズ感です。

購入したサイズは『M』。ウエストは72〜80cmという設定なのですが、『M』にしてはずいぶんダブダブに感じるのです。ボクは169cm、63kgで、たしかに成人男性の平均と比べるとたぶんウエストは細い。じゃあ『S』を選べばどうかというと、ウエストのだぶつきはマシになりますが、こんどは裾の長さがぜんぜん足りないのです。

というか『M』サイズですら、冬用ライディングパンツとしてはやや短めです。これは大いに不満。裾から冷気が入ってくる恐れがあるからです。日本人の平均身長を考えると、『M』サイズの股下はあと6cmくらい長くてもいいのではないでしょうか?

ウエストがダブダブというところとも関連するのですが、前ポケットも不満です。ポケットは、左のふともも外側にフタつきのものがひとつ。あとは通常のジーンズのようなフタなしのポケットが骨盤の前側左右についています。

ワークマン冬用ライディングパンツ07
このように、前ポケットは浮いてしまいます。特にライディング中にモノが落ちないか心配です

ところが、ウエストを絞って履いている関係もあるのですが、このフタなしのポケットがだいぶガバガバなのです。家の鍵などを入れておくと、落ちるんじゃないかと心配になります。ここは、前でも後ろでもいいので、チャックかフタのついたポケットがもう1、2箇所欲しかったです(昨年モデルにはありました)。

●プロテクターがフィットするようになった

いっぽう、大きく改善したのが、ニーパッド用ポケットです。前年モデルはニーパッド付きを謳っていましたが、これがまたペラッペラの薄い四角いクッション材みたいなものが入っているだけでした。それは市販のプロテクターに交換してしまえばいいのでまだ許せるとしても、ニーパッド用ポケットの位置が最悪でした。

本来、ニーパッドは膝からスネの上部あたりをカバーするべきですが、どう調整してもずり上がってしまって、膝の上側くらいしかカバーできないという作りで、いくつものレビューで酷評されていました。

ところが、この2021年モデルでは、ニーパッドは付属しなくなったものの、ニーパッド用ポケットの位置が改善され、ちゃんと膝の前側がカバーできるようになったのです。これは満足できます。

また、先ほどのウエストの問題と関係するのですが、2021年モデルではウエストのアジャスターが装備されて、おもに腰のサイド部分を絞ってウエストを調整できるようになりました。前年モデルだとベルトを締めてウエストを調整するしかなく、特にウエストのお腹側で生地が余りがちになり、それによってマジックテープの“社会の窓”が半開きになってしまって非常に恥ずかしい思いをすることが多かったのですが、それがなくなりました。

裾に関しても、前年モデルはチャックを閉めるか開くかという二択でしかフィット感を選べませんでした。しかし、2021年モデルはマジックテープで裾の広がりを調整できるようになったので、好みや体型に合わせて無段階のフィット感が得られるようになったのです。そのせいか、股下寸法は変わっていないようなのですが、前年モデルよりは裾がブーツの上までずり上がりにくくなったような気がします。

というわけで、前年モデルを持っているにもかかわらずわざわざ購入してみたワークマンの冬用ライディングパンツの2021年モデル『イージス360°リフレクト透湿防水防寒 STRETCH STRONG パンツ』ですが、劇的に改善した部分(プロテクターポケットの位置)と、大いに不満が残る部分(股下の長さ)が混在する出来でした。

納得できるひとは買ってもいいと思いますが、誰にでもおススメできるアイテムではありません。

ボクは使います。このパンツなら、深夜・早朝と高速道路を除けば、真冬でもバイクに乗れると思います(下にタイツは履くと思うけど)。4900円でこの暖かさが得られるなら許せるかな、と思っています。

来年モデルではぜひ、ウエストと股下の寸法、ポケットの作りを見直してほしいですね。そしたらまた買います!

まめ蔵

【関連記事】

  • トーヨータイヤの最新SUV/CCV専用スタッドレス「オブザーブGSi-6」は、スノーもドライもウェットも、冬のさまざまな路面で高性能だった【TOYO TIRES OBSERVE GSi-6】
    https://clicccar.com/2021/10/07/1100219/

この記事の著者

まめ蔵 近影

まめ蔵

東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦、バイク。
好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。
続きを見る
閉じる