■リアルに再現されたイギリスの村をRCカーが走る
赤いトヨタMIRAIからRC(ラジオコントロール)カーが飛び出てきます。同じ色のMIRAIのRCカーです。そのRCカーが静かに走り始めたその場所は?
あれ? 倉庫? 塀? 橋?なんとRCカーのMIRAIと同じようなスケールの村ではありませんか。
これは、イギリスのボートン・オン・ザ・ウォーターという小さな町にある『モデルビレッジ』というミニチュアの村です。
実車のMIRAIが通る場所と同じようなミニチュアの店や橋の前を、RCカーのMIRAIも走り抜けます。ちょっと東武ワールドスクウェアのような感じですが、東武ワールドスクウェアは1/25スケール。こちらのMIRAIは1/10スケールだそうなので、モデルビレッジのほうが大きめですね。
これはTOYOTA UK、イギリスのトヨタの動画です。字幕をごらんになればわかりますが、このRCカーは、ただの電動RCカーではありません。実車のMIRAIと同様に燃料電池を搭載し、水素で動いているのです! イギリス初の燃料電池RCカーだそうです。
それでは、動画をどうぞ。
●RCカーはタミヤ製シャシー使用
メイキング動画も公開されています。RCカーは日本が誇るモデルカー&RCカーのメーカーであるタミヤのシャシーを使って作られています。メイキング動画内ではその中身も公開されています。
燃料電池ユニットって、こんなに小さくできるものなんですね。燃料電池化によって、このRCカーの航続距離は2倍になったそうです。それでは、そのメイキング動画もどうぞ。
一応、燃料電池車のメリットをおさらいしておきましょう。
燃料電池車であるMIRAIも電気自動車の一種です。電気を動力源としてモーターでタイヤを駆動します。ただ、蓄電池に電力を貯める通常の電気自動車と大きく違うところは、水素をエネルギー源として発電しているところです。
電気自動車は充電に何十分もかかったりしますが、水素ならガソリンや軽油と同様、数分でチャージできます。いっぽうで、ガソリン車やディーゼル車と違って、有害な物質を排出しません。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素さえも排出しないのです。出すのは水だけです。
自動車の側だけ見るとそういうメリットがあるわけですが、水素は今後、エネルギー貯蔵の面でも大きな役割を期待されている物質です。化石燃料から脱却し、自然エネルギーの活用を増やしていく方向に向かっている世界ですが、自然エネルギーによる発電は安定しないという問題を抱えています。
風がないときは風車では発電できない。雨の日や夜間は太陽光では発電できない。そこで、たくさん発電できる時間帯に余剰電力を貯めておいて、発電量が不足するときに補ってやる必要があります。
その余剰電力をエネルギーとして貯めておく手段として、水素も期待されています。
水を電気分解して水素を作れば、運搬性もよくて、保存もしやすいエネルギー源が確保できるからです。そういう面もあるので、燃料電池車は今後重要な存在になっていくかもしれませんね。
(まめ蔵)