ホイールの緩みに注意! 意外と知られていない 「増し締め」の重要性とは?

■ホイールの脱着後は「増し締め」が必要!

●スタッドレスへの交換やローテーション時に注意

スタッドレスタイヤへの交換作業や、5,000km毎のローテーションをタイヤショップなどにお願いした際に「増し締めを行いますので、またご来店下さい」と言われることがあります。

軽自動車のホイール増し締めにトルクレンチを使用した例

ホイール組付け後、「50~100km」程度走行すると締付けナット(ボルト)が規定トルク値に対して若干緩む場合があるためで、この作業を怠ると、緩みがさらに進行する可能性があります。

つまり、「増し締め」とは、走行後にホイールが規定トルクで締まっているかをチェックして補正するもので、規定トルク以上に締め上げるわけではありません。

もし「増し締め」をせず、締め付けが緩んだまま走行していると、高速走行時にホイールのブレやガタが発生したり、最悪の場合、ナットやハブボルトの破損に繋がります。

●トルクレンチを使えば自身で「増し締め」可能

ホイールの「増し締め」に便利なトルクレンチ

走行後に作業をお願いしたショップに再度出向いて「増し締め」してもらうのも手ですが、簡単な作業なので自身で実施することもできます。

その際、通販などで入手可能(4,000円前後)な“トルクレンチ”を使うのが早道です。

普通車(5つ穴)のホイール増し締め順序

駐車場など、安全な場所でギヤをPに入れエンジン停止後、全ナットの増し締めを行なっていきます。5穴仕様のホイールの場合は星型を描くように、4穴の場合は対角線に規定トルクで締めて行きます。

トルクレンチの目盛りを規定値(85Nm)にセット

車種ごとに規定トルク値は異なりますが、通常、乗用車のホイールナット(ボルト)の締め付けトルクは100Nm~120Nm(軽自動車80Nm~100Nm)となっています。正確には車両の取扱い説明書などで確認するのが良いでしょう。

トルクレンチの目盛りを規定値にセットした後、レンチ後端部にあるロックをかけ、「カチッ」と音がするまでレンチを右方向に回すだけで完了です。

注意点は以下の3つ。(トルクレンチは精密機器です)

・ホイールナット(ボルト)の緩め作業に使用しない
・「カチッ」と音がした後にさらにレンチを回さない
・使用後は初期設定値に戻して(緩めて)おく

目盛りの合せ方は付属の説明書に明記されており、最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば簡単です。

以上のように、タイヤローテーションなどの機会に合せてホイールの締め付けトルクチェックを行なうことで、安心・安全なドライブに心掛けたいものです。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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