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■コロナ禍や半導体不足による生産遅れの影響を調査
2020年から2021年にかけて、各自動車メーカーから続々と新型車が発売されていて、中にはトヨタの「ヤリス」シリーズなど、大ヒットモデルも生まれています。
一方、昨今はコロナ禍による海外からの自動車部品の供給遅れや、半導体不足などにより、新車の納期が遅くなっているといわれます。
さらに、一部では、その影響で、買うクルマを新車から中古車に変えている人も増えているのでは?といった声も聞かれます。
では、実際、新車を買いたいユーザーは、こういった新車遅れに対し、どういった対応をしているのでしょうか?
定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、2021年1月以降に新車を欲しいと思った全国の男女657名を対象に、「欲しい新車が買えたかどうか」「買えていない場合は今後、どうするのか」などについて調査を実施。
その結果、70%以上が欲しい新車を買っていないことや、半数以上がいつかは欲しいクルマを買いたいと思っていることなどが判明。また、買えていない理由は、コロナ過や半導体不足が関係している人は少ないことも分かりました。
●買っていない人の半数以上が「お金がないから」
今回の調査は、2021年9月15日〜9月28日の期間、インターネットによるアンケート形式で行われました。まず、調査では「欲しい新車を買ったかどうか」を質問。その結果、
・「購入していない」 73.7%(484人)
・「購入した」 26.3%(173人)
と、買っていない人が圧倒的に多いことが分かりました。
次に、調査では、欲しい新車を購入していないと回答した484名に、欲しい新車を買えなかった理由は、「コロナや半導体不足が理由か」も質問し、472名からの有効回答を得ています。結果は、
・「いいえ」 89.0%(420人)
・「はい」 11.0%(52人)
となり、コロナや半導体不足が理由である人は、比較的少ないことも分かっています。
また、アンケートでは、「いいえ」と答えた人に、「どんな理由で欲しいクルマを買えないのか」も質問。その結果、半数以上の人が「お金がないから」を理由にしたといいます。
●新車から中古車に切り替えた人は?
調査では、欲しい新車を購入していないと回答した484名に、「新車を諦めて中古車を購入したかどうか」も質問。結果は以下の通りです。
・「購入してない」 93.2%(451人)
・「購入した」 6.8%(33人)
さらに、新車を諦めて中古車を買うなどもしていないと回答した451名に、「今後欲しいクルマをどうするか」についても聞いています。
1位:「いつか買う」 52.5%
2位:「検討する」 21.3%
3位:「諦める」 14.3%
4位:「リースなどで購入」 6.1%
5位:「今の車の状況次第」 4.1%
6位:「そのほか」 1.7%
結果は、以上のように、「いつか買う」が半数以上を占め、欲しいクルマを「諦める」人よりも多いことが分かります。
2位の「検討する」には、「免許を取得してから考える」「時期をみて購入する」などの意見もあったそうです。また、「諦める」の中には、「買わない」「目標を下げる」「当面は我慢する」などの回答も含まれているそうです。
ほかにも、5位の「今のクルマの状況次第」には、「今のクルマが壊れたら買う」「車検のタイミングで買う」などの意見があったといいます。6位の「そのほか」には、「駐車場の確保ができたら買う」「欲しいときではなく、本当に必要になったら買う」などの意見があったそうです。
●納車が遅くても買いたい人が多い
調査を行ったナイルでは、今回の結果に対し、以下のようにコメントしています。
「2021年1月以降、クルマを欲しいと思ったにもかかわらず欲しいクルマが買えていない理由は、コロナや半導体不足による新車の生産休止以外の理由が大半を占め、特に『お金がないから』が多いことがわかりました。
また、欲しいクルマを『いつか買いたい』と考えている人や引き続き検討している人も多いことがわかりました」
今話題となっている部品供給遅延や半導体不足による納車遅れは、たとえば2021年9月14日に発売されたトヨタのクロスオーバーSUV「カローラクロス」では、某販売店によると4〜6ヵ月待ち。特に、人気のハイブリッド車は納期が遅れがちだといいます。
また、ホンダが2021年4月に発売したコンパクトSUVの「ヴェゼル」でも、納期遅れが生じていて、ガソリン車で5ヵ月程度、ハイブリッドのe:HEV車は半年以上は待つ状況です。
ほかにも、特に人気モデルの中には、かなり新車の納期が遅い車種も多いようです。たとえば、スズキの軽SUV「ジムニー」は、発売から2年以上経っても人気が高く、納車は約1年待ちだそうです。
さらに、2021年8月に発売されたトヨタの新型「ランドクルーザー」に至っては、部品不足のほかに世界的な受注増も加わって、なんと「2年以上待つ」状況だといいます。
このように、各自動車メーカーの新車は、軒並み納車遅れになっていますが、今回の調査を見る限りでは、その影響を受けているユーザーは少ないようですね。欲しいクルマであれば、「納車が遅くなっても待ちたい」人が比較的多い傾向にあることが伺えます。
(文:平塚 直樹)