目次
■軽の派生モデルからコンパクトカーの主力モデルへと発展
軽自動車からミニバンまで、幅広い車種に採用されているスライドドア。低い床との相乗効果で誰でも乗り降りがしやすいだけでなく、開口部が広いことでチャイルドシートにお子さんを乗せやすいというメリットがあり、ファミリー向けのモデルに多く採用され人気となっています。
最近ではファミリーカーに限らず、ユーティリティの高さからスライドドアを採用する車種が拡大しています。ここではスライドドアを採用した5ナンバーサイズの取り回しの良いオススメの9車種を紹介します。
●トヨタ・ルーミー/ダイハツ・トール/スバル・ジャスティ
2016年11月に登場したトヨタルーミー/ダイハツトールは、ミニバンの魅力をコンパクトなボディに凝縮したプチバンとして登場しました。ダイハツが軽自動車で培った技術をコンパクトカーに応用し、広い室内空間を実現するとともに乗り降りしやすいワンタッチオープン機能付パワースライドドアを多くのグレードで採用しています。
ダイハツトールをトヨタにルーミーとしてOEM供給していますが、2020年間の新車販売台数では、ルーミーが第6位、トールが第34位です。搭載するエンジンは1L直列3気筒DOHCと1L直列3気筒DOHCターボの2種類。組み合わされるトランスミッションは全車CVTとなり、駆動方式はターボ車が2WD(FF)のみで、自然吸気車は2WD(FF)と4WDを設定しています。燃費性能はWLTCモードで16.8~18.4km/Lを実現しています。
ルーミーの車両価格は155万6500円~209万円となっています。またルーミー/トールに加えて、スバルではジャスティとしても販売されています。運転支援システムは、スマートアシストを装備し、一部グレードでは高速道路での追従走行が可能なアダプティブクルーズコントールを採用しています。
●スズキ・ソリオ/スズキ・ソリオ バンディッド/三菱デリカD:2
軽自動車で人気のスーパーハイトワゴン。これを5ナンバーの小型車に発展させたのがコンパクトハイトワゴンです。そのカテゴリーのパイオニア的存在がスズキソリオです。3代目となる現行型ソリオは2020年11月に登場しました。
標準車のソリオとスポーティな外観が特徴のソリオバンディッドの2タイプを用意。現行型ソリオはクルマの骨格から見直し、先代に比べて全長を延長したことで、荷室を拡大したのが特徴で、2020年の年間新車販売台数は第17位でした。搭載するパワーユニットは1.2L直列4気筒DOHCガソリンエンジンと1.2L直4ガソリンエンジンにISGと呼ばれるモーター機能付き発電機と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドの2種類です。
組み合わされるトランスミッションは全車CVTで、駆動方式は全グレードで2WD(FF)と4WDを選ぶことができます。燃費性能はWLTCモードで17.8~19.6km/Lを実現。ソリオ/ソリオバンディッド車両価格は158万1800円~214万8300円です。運転支援システムは、スズキセーフティサポートを装備し、一部のグレードには運転中に視線をずらすことなく情報を得られるカラーヘッドアップディスプレイを採用しています。また、室内の空気を循環させるスリムサーキュレーターを採用し、車内のどの席でも快適に過ごすことができます。ソリオは三菱にOEM供給され、デリカD:2として販売されています。
●トヨタ・シエンタ
トヨタのミニバンラインアップの中で最もコンパクトモデルがトヨタシエンタです。2015年6月に登場した現行モデルは、スニーカーをモチーフとした外観デザインを採用。デビュー以来安定した人気を誇っていて、2020年の年間新車販売台数でも第8位にランクインしています。
スマートキーを持っていれば、スイッチを押すだけで開閉できるパワースライドドアは開口幅665mm、高さ1145mmという広さに加えて、床面の高さは330mmと低く、さらに乗降用のアシストグリップを設置するなど、誰にでも乗り降りしやすくなっています。元々は3列シート仕様の6/7人乗りだけでしたが、2018年9月のマイナーチェンジの際にファンベースと呼ばれる2列シート5人乗りを追加。多彩なニーズに応えられるようにラインアップを拡充させています。
搭載されるパワーユニットは1.5L直列4気筒エンジンと1.5L直4エンジン+モーターを組み合わせたハイブリッド車の2種類。トランスミッションは全車CVTが組み合わされます。駆動方式はハイブリッド車が2WD(FF)のみ、ガソリン車はFFと4WDを用意しています。燃費性能はWLTCモードで14.0~22.8km/Lを実現しています。
運転支援システムのトヨタセーフティセンスを多くのグレードで標準装備したシエンタの車両本体価格は181万8500円~258万円です。
●ホンダ・フリード/ホンダ・フリード+(プラス)
ホンダのミニバンの中で最も小さいサイズがフリードです。そのフリードをベースに2列仕様として、広大で様々な工夫が施されたラゲージスペースを確保したのがフリード+で、現行モデルは2016年9月に登場しました。
フリード/フリード+は2019年10月にマイナーチェンジを行い、内外装の変更に加えて、運転支援システムのホンダセンシングが全車標準装備となりました。また、クロスターと呼ばれるクロスオーバー仕様もモデルも追加され、2020年の年間新車販売台数は第7位とライバルのシエンタを上回りました。車両本体価格はフリードが199万7600円~327万8000円。フリード+は218万2400円~304万400円です。
フリード/フリード+に搭載されているパワーユニットは1.5L直列4気筒ガソリンエンジンと1.5L直列4気筒エンジン+電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2種類。トランスミッションはガソリンエンジンがCVT、ハイブリッドは7速デュアルクラッチシステムが組み合わされます。駆動方式はBホンダセンシングを除いた全グレードで2WD(FF)と4WDを用意しています。燃費性能はWLTCモードで、15.6~20.8km/Lを実現しています。
レバーを軽く引いただけで開くパワースライドドアの開口幅は665mmを実現し、セカンドシートそしてサードシートへのアクセスがラクラク可能です。また、空気清浄機能のあるプラズマクラスター技術を搭載したオートエアコンを設定するなど、室内空間を快適に過ごせる工夫が特徴です。
(文:萩原文博/写真:三菱自動車、SUBARU、萩原文博)
【関連記事】
・新型トヨタ・アクアは激戦の国産コンパクトを制する高い総合力を持つ
https://clicccar.com/2021/10/06/1121981/
・2021年上半期の輸入SUVで最も売れているのは、コンパクトSUVのフォルクスワーゲンTクロス
https://clicccar.com/2021/10/08/1123020/
・「NISMO」モードを擁する新型ノート・オーラ・ニスモは、鋭い加減速を堪能できる大人のスポーツコンパクト!
https://clicccar.com/2021/08/17/1108776/