トヨタ『C+walk T』、「駅から目的地まで」とか「観光地の短距離移動」として使ったら最高でしょう!

■トヨタの新世代モビリティ『C+walk T』は、シニアカーと同じ「歩行者扱い」にしたほうがいいと思う理由

●都市部のワスト1マイルを安全かつ環境にやさしく快適に!

トヨタが『C+walk T』と呼ばれる写真のような3輪の新世代モビリティを発表/発売した。価格は34万1000円とのこと。

C+walk T
C+walk T

どんな乗り物かと言えば、いわゆる「ラスト1マイル」を担当するというコンセプト。具体的に書くと、駅や公共の交通アクセスの場所から「歩くのは少し遠いですね」というロケーションにある自宅や目的地までの移動手段です。現在は自転車やタクシー、バスなどが使われている区間。この移動を快適にしましょうという狙いだ。

C+walk T
東京モーター2019では試乗もできたC+walk T

写真を見ただけで全て想像出来る通り立ち乗りの電動車となっており、最高速は6km/h。全幅450mmとのこと。このスペックからすれば基本的にシニアカーと同じく歩行者扱いになる。シニアカー、最高速が6km/hまでとなっており、車幅は700mm以下という条件(車幅あると人力車や馬車と同じ軽車両になってしまう)。しかしトヨタのリリースを見たら「2021年10月時点に於いて公道(歩道)の走行は出来ない」と書いてある。なぜか?

C+walk T
C+walk Tのメーター

このあたりの事情、明らかになっていない。トヨタも明確な理由を説明しておらず。その代わり「熟練者用の10km/h走行モードがある」。つまり10km/h出せるため歩行者扱いにならない、ということ。熟練者用モードを止めれば歩行者扱いになるのだけれど、あえて10km/h出せるようにして歩行者じゃ無くしたんだと思う。管轄当局との間で複雑な”大人の事情”があるのかも。10km/hモードを止めたら、基本的に歩行者と同じ扱いになる。

C+walk T
東京モーターショー2019でのC+walk T体験の様子

そうなったら超ステキな乗り物になるだろう。考えて頂きたい。高齢の方もシニアカーに乗るのは少しばかり抵抗ある。ヒザの調子が悪い92歳になる私の義父にシニアカーをすすめたけれど「そんなものは乗らない」。C+walk Tのようなモビリティなら抵抗ないと思う。そもそも高齢者だけでなく、私だって駅から家までの移動手段として使いたいくらいだ。広いショッピングモールや、動物館、テーマパークのような場所での移動手段としてピッタリ!

C+walk T
C+walk Tの最小回転半径は0.59。なかなかクイック

「歩行者と接触したら危ないでしょう」という意見も考慮しており、1万3200円追加すると自動減速システムを付けられる。走行中、障害物を検知すると自動で車速を2km/hまで落とす(急停止は搭乗者が落ちる危険性あるため減速だけ)。2km/hなら当たってもダメージ無いレベルだと思う。すでに普及しているシニアカーだって自動減速装置など付いていない。加えてC+walk Tにはハンドブレーキまで付いている。万全の安全装備です。

C+walk T
C+walk T
C+walk T
C+walk Tの操作部

満充電時の走行可能距離は14km。イメージとしちゃゴルフ1ラウンドで歩く距離。時間にすれば6km/hで走れば2時間少々。大雑把に言って2万歩分。ラスト1マイルのモビリティとして考えるのなら必要にして十分の性能だと思う。こういったモビリティが観光地や都市部の様々な場所で手軽にレンタル出来るようになれば、都市部のラスト1マイルを安全かつ環境にやさしく快適に移動出来るようになるだろう。普及を期待したい。

C+walk T
C+walk Tのスペック

著者国沢 光宏