■インテリアの見どころは、広くなった後席と共同開発のレカロシート
スバル新型WRXの米国仕様が、2021年9月10日にアメリカでワールドプレミアされました。WRXらしさを受け継いだという新型は、全長183.8×全幅71.9×全高57.8in(全長約4668×全幅約1826×全高約1468mm)、ホイールベースは105.2in(約2672mm)。
プラットフォームは、「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」化に加えて、新型のレヴォーグやレガシィ・アウトバックなどと同様に、フルインナーフレーム構造で高剛性化されたボディとシャシーが採用されています。
このボディ剛性の高さを活かし、路面からの入力に対する足まわりのしなやかな動きを実現するため、サスペンションジオメトリの最適化も盛り込まれています。先代と比べて実用ストロークが伸ばされ、接地性や安定感を向上したそうで、走りの良さと乗り心地の向上にも期待です。
さらに、モーターアシスト軸、ドライバーのステアリング操作軸を別軸にした2ピニオン方式の電動パワーステアリングの採用により、スムーズで応答遅れのないスポーティなステアリングフィールも得られるそう。動的質感の向上を図るべく、パワーユニットだけでなく、ステアリングやダンパー、エアコンまで多様なユニットの制御を細かく調整可能にする「ドライブモードセレクト」が一部グレードに用意されています。
このドライブモードは、ドライバーの好みやシーンに応じて、スイッチ操作でスポーティな走りから上質な乗り心地まで、クルマのキャラクターを大きく変えることができるそう。ドライブモードセレクト機能が付くグレードでは、スポーティさと上質さを両立する電子制御ダンパーが備わり、路面や走行状況に合わせてリアルタイムにダンパーの減衰力を可変制御。揺れの少ないフラットで快適な乗り味を乗員に提供するとしています。
また、写真からも分かるように、アグレッシブなエクステリアデザインも印象的です。顔つきは、スバルお馴染みのヘキサゴングリルを起点とした立体的で彫りの深い造形になっています。
さらに、ワイド&ローを強調するフロントバンパーのデザイン、力強く張り出したフェンダーなどが、従来型以上に躍動感を抱かせます。もちろん、空力面の配慮も隅々までされていて、前後フェンダーのスポーツサイドガーニッシュやサイドシルスポイラーなどに、空気の流れを整えるというヘキサゴンパターンの空力テクスチャーが配置されています。フロントフェンダーの後方、リヤバンパーの後部にエアアウトレットが設けられ、パフォーマンスカーらしいデザインとコーナリング時や高速走行時の操縦安定性の両立が図られています。
一方のインテリアは、黒を基調にレッドステッチが配されたスポーティかつ上質感のある仕立てになり、アグレッシブでスポーティなWRXらしいパフォーマンスが表現されています。
ほかのスバル最新モデルと同様に、インパネの中央に高精細の大型センターインフォメーションディスプレイが配置されています。さらに、一部グレードには新設計、新デザインになるRECAROシートが備わり、RECARO社との共同開発により、従来型よりもさらにフォールド性を高め、スポーツドライビング時の姿勢をしっかりと保持。
また、セダンとしての使い勝手の向上も図られています。前後席ともにショルダールームが広がり、従来型よりも拡大されたホイールベースの恩恵でリヤシートも大幅に広くなったそう。後席の座面長と足元スペースの拡大によりくつろげる空間になっています。また、トランクは、従来型と同様にベビーカーやゴルフバッグが入る容量を確保されるなど、4ドアセダンとして、日常の使い勝手にも十分に配慮されています。
(塚田 勝弘)