■価格は約20,000ユーロ(約260万8000円)
フォルクスワーゲンAGは、ドイツ・ミュンヘンで開催されている「IAA MOBILITY 2021」において、コンパクトEVの「ID.LIFE」を初公開しました。
ID.3、ID.4、ID.BUZZなどと同様に、EV用モジュラープラットフォームの「MEB」が使われています。ドイツなど欧州での価格は、約20,000ユーロ(約260万8000円)とアナウンスされています。
ボディサイズは全長4091×全幅1845×全高1599mmで、ホイールベースは2650mm。
「MEB」は、ニーズに合わせてホイールベースの変更が可能で、ID.LIFEは、都会の若者や若いファミリーをターゲットに据えたコンセプトモデル。
EVとしてはもちろん、リサイクル素材などの採用で、サステイナブルなモデルであるのはもちろん、車内はデジタル化されるのと同時に、リビングルームのような空間に仕立てられています。
フロントウインドウを34インチのビデオスクリーン化することで、ミニシアターやゲームセンターにもなり、単にオープンエアでくつろぐこともできるなど、多様な付き合い方ができるのも特徴。
エクステリアデザインは、シンプルかつ上質に仕上げられていて、加飾などを廃し、複雑な素材の組み合わせも排除されています。ボディ、ガラス面、ルーフを水平に分割することでスリークなたたずまいを醸し出しています。また、着脱可能なルーフを備え、高い開放感、オープンエアを満喫できるそう。を演出しています。電動パワートレーンが搭載され、モーターが前輪を駆動。
先述したように、モジュラープラットフォームは「MEB」の小型版がベースで、コンパクトカーセグメント向けに特別に開発されています。「MEB」をベースにしたモデルが前輪駆動になるのは今回が初めてです。172kW(234PS)のモーターが搭載され、0-100km/h加速は約6.9秒。57kWhの高圧バッテリーにより約400kmの航続距離(WLTP)に達するそう。
また、天然素材とリサイクル素材が活用されているのも特徴。ボディのクリアコートには、天然の着色剤としてウッドチップが使われていて、バイオベースの硬化剤も使用されています。
最新のデジタルデバイスも採用されています。ドアミラーとルームミラーの代わりに、カメラとディスプレイを採用。運転に必要な機能は、六角形のオープントップ型のステアリングホイール上のタッチパネルで操作し、スマホを車両の操作系に統合することも可能です。スマホやタブレットなどを使って、ナビゲーションシステムを操作することができます。デバイスに保存された音楽、映画、ゲームは、車内でシームレスに使用できます。
ID.LIFEの20,000ユーロからという戦略的な価格により、ID.ファミリーを小型車セグメントに拡大することは、同グループの完全電動化のロードマップで重要な一歩になるとしています。
フォルクスワーゲンは、2030年までに新車の販売台数に占める完全電化モデルの割合を、欧州では70%以上、北米と中国では50%以上にすることを目標として掲げています。
(塚田 勝弘)