目次
■月に1回以上クルマを運転する1000名に全国調査
あおり運転の対策として注目されているドライブレコーダー。
最近は、前後2カメラ式や360度記録式、駐車時も録音が可能な機種や、後方からクルマが接近すると警告音が鳴るものなど、さまざまなモデルが発売されています。また、価格帯も1万円以下のリーズナブルなものから、10万円を超えるハイエンドなものまで幅広い機種が販売されています。
では、実際にドライブレコーダーはどれくらいのユーザーが装着しているのでしょうか? また、どれくらいの値段のモデルを買う人が多いのでしょうか?
自動車保険を手掛けるソニー損害保険(ソニー損保)では、自家用車を所有し、月に1回以上クルマを運転する18歳〜59歳の男女に対し、「全国カーライフ実態調査」を実施。
1000名の有効回答を得た調査結果を発表しましたが、それらの中にはドライブレコーダーの搭載率や購入価格などもありましたので、ちょっと紹介してみましょう。
●あおり運転の対策に効果ありが73.9%
今回の調査は、2021年7月5日〜7月8日の期間、インターネットによって行われたものです(調査対象はネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする自家用車を所有し月に1回以上車を運転する18歳〜59歳の男女)。
それによると、まず「あおり運転の対策として効果があると思うもの」という質問に対して、「ドライブレコーダーを設置する」が圧倒多数という結果に。
トップ5は以下の通りです。
1位:「ドライブレコーダーを設置する」 73.9%
2位:「車間距離を広く取る」 53.7%
3位:「無理な割り込みをしない」 45.1%
4位:「余裕のある車線変更を行う」 39.7%
5位:「頻繁に追い越しをしない」 33.8%
このように、悪質・危険な運転行為の抑止にドライブレコーダーの設置が効果的だと考えているドライバーは多いようです。
また、「安全運転を支援する機能や装置を主に運転しているクルマに付けているか」についても質問。また、「付けていない場合は付けたいか」についても聞いています。
その結果、「すでに付いている」と回答した人の搭載率は以下のようになりました。
1位:「ドライブレコーダー」 43.0%
2位:「自動ブレーキ」 31.4%
3位:「車線逸脱防止支援システム」 32.1%
4位:「定速走行・車間距離制御装置/ACC」 22.1%、
5位:「死角検知機能」 16.8%
6位:「歩行者用エアバッグ」 9.0%
なお、ここでいう各名称の意味は以下の通りです。
「ドライブレコーダー」は車両の走行状態や事故状況を録画する装置。「自動ブレーキ」は衝突被害軽減ブレーキ。「車線逸脱防止支援システム」は車両のふらつきや車線からのはみだしをお知らせする機能。
「ACC」はアダプティブ・クルーズコントロール。「死角検知機能」は自車の斜め後方など、死角に車がいたらお知らせする機能。「歩行者用エアバッグ」は歩行者と衝突時に作動する歩行者用の衝撃緩和装置。
ちなみに、これら結果を昨年(2020年)行った同様の調査と比較すると、自動ブレーキの搭載率は5.3ポイントの上昇(2020年26.1%から2021年31.4%)だったのに対し、ドライブレコーダーの搭載率は11.1ポイントの大幅上昇(2020年31.9%から2021年43.0%)となったそうです。
●ドライブレコーダーを選ぶ際に重視した点は?
続いて、調査では自分が運転するクルマにドライブレコーダーを付けている人430名に、「ドライブレコーダーを選ぶ際に重視した点」も聞いています。結果は以下の通りです。
1位:「価格」 45.8%
2位:「画質が良い」 39.3%
3位:「前後の映像を記録できる」 30.2%
4位:「夜間でも映像を記録できる」 26.5%
5位:「全方位の映像を記録できる」 25.6%
6位:「信号の色がはっきりと記録できる」 21.9%
7位:「逆光時でも映像を記録できる」 17.9%
8位:「カメラの大きさ」 16.3%
8位:「駐車監視機能がある」 16.3%
10位:「見た目・デザイン」 14.4%
価格が最多だったということは、ドライブレコーダーを選ぶ際には、価格と性能のバランスを意識している人が多いようですね。
さらに、調査では、同じ430名に、「主に運転しているクルマに付いているドライブレコーダーの価格」も質問。
その結果、
「1万円〜2万円未満」 17.4%
「2万円〜3万円未満」 16.0%
に多くの回答が集まったそうです。
なお、平均価格(「覚えていない・わからない」と回答した人を除く)は2万3088円だったといいます。また、同じ質問について、ドライブレコーダーを選ぶ際に「価格を重視する」人197名の回答では、「1万円〜2万円未満」(21.8%)に回答が集中。平均価格は2万172円だったそうです。
●ドライブレコーダーが注目される理由
ちなみに、今回の調査では、「クルマ社会で過ごすなかで、最近恐怖を感じること(体験したことに限らず、ニュースなどで知ったことを含む)は何か」についても聞いています(複数回答可)。
主な結果は、以下の通りです。
1位:「飲酒運転による事故」 66.1%
2位:「あおり運転による事故」 62.4%
3位:「ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故」 58.2%
4位:「高齢者・高齢運転者との事故」 52.4%
5位:「逆走車との事故」 52.1%
6位:「居眠り運転による事故」 51.6%
7位:「スマホ・携帯電話のながら運転による事故」 44.2%
8位:「薬物(危険ドラッグなど)を服用した運転者による事故」 43.7%
10位:「スピード違反による事故」 32.6%
今回1位となった「飲酒運転による事故」は、2020年の調査では4位だったといいます。
これは、最近でも後を絶たない飲酒運転による死傷事故に関するニュースを見聞きしたことで、飲酒運転の危険性を再認識した人が増えたことがうかがえます。
また、「あおり運転による事故」は、昨年同調査の1位から2位に順位が下がっていますが、全体の割合で見ると、2020年56.0%から2021年62.4%と上昇。
これが、前述した、ドライブレコーダーがあおり運転対策として効果があると思う人の割合の高さ(73.9%)、搭載率(43.0%)などに現れているのでしょうね。
(文:平塚 直樹 *写真はイメージです)
【関連リンク】
「ソニー損保の自動車保険」公式ホームページ
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/