■スバルのグローバルモデルとしては初めての電気自動車は2022年登場
●フロントマスク以外、隠していない全身像も公開
トヨタとスバルが共同開発を進めている電気自動車SUVの名称が「SOLTERRA(ソルテラ)」になると発表されたのは2021年5月11日でした。
そのときに公開されたのはシルエットと車名エンブレムくらいでしたが、それから3ヵ月ほどが過ぎ、ソルテラの全身が確認できるものを含んだティザー画像が6点ほど公開されています。
第一印象で「スバルらしい」と感じた人は多いのではないでしょうか。とくにテールレンズの意匠は、レヴォーグなど最近のスバル車と共通性のあるテイストで仕上げられているように見えます。
電気自動車を特別なものとするのではなく、あくまでもラインナップのひとつという風に位置づけていると感じさせます。
ヘッドライトは4個のLED光源で構成されているもので、大きなコの字型をアレンジしたシグネチャーも確認できます。このシグネチャーはスバル伝統の水平対向エンジンを示すものという風に捉えがちですが、最近では航空産業にルーツを持つスバルの伝統を翼の表現で示すと説明されることもあるシグネチャーですから、電気自動車に採用されるのは自然な流れといえるのかもしれません。
また、細かいことをいえば、フロントバンパーには複数の超音波ソナーが備わっていることも確認できます。電気自動車にはテクノロジーショーケースとして、先進運転支援システムの進化も期待されますが、このセンサー配置からは、きめ細かなセンシングを行っていることが想像できるのです。
今回、初めてコクピットの画像も公開されています。
夜間のイメージ画像ということでディテールまでは確認できませんが、メーターがフル液晶を前提としていることはその形状からも容易に想像できます。また、当然のように大きなディスプレイがインパネ中央に置かれています。
レヴォーグなどでは縦長の配置となっている大型ディスプレイですが、ソルテラでは横長レイアウト。エアコンや音量調整のスイッチも確認できます。空調でいえば、シートヒーター・シートベンチレーションらしきスイッチのところに「AUTO」の表示があるのも気になるところといえそうです。
さらにディスプレイの下に目をやると、ダイヤル式シフトが置かれていることがわかります。電気自動車らしく、かなりユニークな操作系となっているようです。
注目は、フロントウィンドウの上部です。スバルといえばステレオカメラを使った「アイサイト」が先進運転支援の基本ですが、ソルテラのティザー画像を見る限りは、いつもの場所にステレオカメラは置かれていないようです。その一方で、おそらく単眼カメラが収まっているであろうカバーは確認できます。
冒頭でも記したようにソルテラはトヨタと共同開発している電気自動車です。今回は、トヨタがよく使っている単眼カメラ+ミリ波レーダー(もしくはレーザーレーダー)の組み合わせによるセンシングとしているのでしょうか。
ボディサイズについての情報は未公開となっていますが、ソルテラはCセグメントに属するというアナウンスは以前からあります。そうした前提で、フロントマスクを隠した全身像を眺めていると、全長のわりに全高が低い、クーペ的なフォルムになっていると感じます。
電気自動車で航続距離を稼ぐには、軽量とか空気抵抗の低減は大事な要素ですから、前面投影面積を減らすためにクーペルックとするのは必然ということでしょう。
また、フロントマスク以外は見せているということは、この部分はトヨタ版のSUV電気自動車と共通であり、フロントマスクで差別化するということを感じさせます。
はたして、ソルテラとその兄弟車であるトヨタ版の電気自動車は、どのような関係となり、またどんなスペックとなるのか。ますます、今後の情報公開が楽しになってきました。
(山本 晋也)