■「Android Auto」にも対応し、実電費の航続距離も伸長
ドイツのポルシェAGは、ポルシェ初の量産型EVのタイカン、タイカンクロスツーリスモを一部改良しました。「ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)」と「Android Auto」との接続をはじめ、タイカン初となる「リモートパークアシスト」が採用されています。
「Android Auto」の対応により、Google AndroidのOSが搭載されたスマホもサポートされます。
新オプションの「リモートパークアシスト」は、車外からスマホを使って駐車の操作が可能な機能。同機能は、システムが自動的に駐車スペースを検知し、車両の超音波センサーとカメラを使って駐車スペースのサイズを測定。十分なスペースがあれば「Porsche Connect」アプリを使って駐車を開始し、クルマから降りることができます。スマホのアプリを押したままにすると、駐車をモニターすることもできます。
新しいモデルイヤーのタイカンは型式が変わるわけではないため、航続距離(WLTP)の数値は更新されませんが、最新バージョンの実際の航続距離は長くなるそう。実電費の増加を実現するため、技術的な進化が幅広く盛り込まれています。
「ノーマル」と「レンジ」モードでは、フロントモーターがほぼ完全に切り離され、「4WD」モードでは、部分負荷時には無通電状態に。さらに、コースティング時や停車時には、前後アクスルに駆動力は伝達されません。
この電気フリーホイール機能により、抵抗による損失を抑制。ただし、アクセルを踏み込んだり、ドライビングモードを変更したりすると、即座にモーターがオンになります。
また、オプションとして追加される予定の「ペイントトゥサンプル」と「ペイントトゥサンプルプラス」により、個性的なカラーを選択できるようになります。1990年代のクラシックな「ルビースター」や明るい「アシッドグリーン」などが選択できます。
これは、「ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャー」のパーソナリゼーション戦略の一環で、タイカンでは、17色の標準塗装色に加え、「ペイントトゥサンプル」と「ペイントトゥサンプルプラス」も選択できるようになります。さらに、「ムーンライトブルーメタリック」「アシッドグリーン」「ルビースター」「リビエラブルー」「ビオラメタリック」など、63色ものボディカラーが揃うことになります。
また、「ペイントトゥサンプルプラス」では、自由にカラーを選ぶことができます。
なお、ポルシェジャパンでは、日本国内のチャージングネットワークの構築を推進しています。国内でもっともパワフルな150kW (CHAdeMO規格)の最高出力を誇る「ポルシェターボチャージャージングステーション」は、タイカンを30分で80%(走行距離約300km分)まで充電することが可能です。
現在、ポルシェターボチャージャーが設置された同ステーションは、都市型充電インフラとして「LINKS UMEDA」「あべのハルカス」「ヒルトン名古屋」「ナゴヤセントラルガーデン」「虎ノ門ヒルズ」ですでに稼働していて、設置施設を順次拡大するそう。また、日本国内のポルシェセンターのうち27拠点でポルシェターボチャージングステーションと同規格のDCチャージャーも稼働していて、2023年末までにはすべてのポルシェセンターでの設置が完了する予定です。
ホテルや温泉施設、レストラン、ゴルフ場などのレジャー施設を中心に展開する普通充電器設置プログラム「ポルシェデスティネーションチャージングステーション」には、8kW出力充電器を設置。現在15ヵ所で稼働しています(いずれも2021年7月末時点)。
2022年モデルのタイカン、タイカンツーリスモの日本発売時期などの詳細は、現時点で明らかにされていません。
(塚田 勝弘)