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■今さら聞けない自転車の安全な通行方法
コロナ禍などにより、通勤や通学はもちろん、日常の移動手段として自転車を使っている人が増えています。
電車やバスといった公共交通機関と比べ「密」を避けられますし、気軽に目的地へ行けることや、運動にもなって健康的なことなどが人気の理由です。
ところが、最近、自転車で走る時のマナーやルールを守らない人もよく見かけます。逆走したり、歩道をかなりのスピードで走っている人などは、自動車や歩行者などと一緒に通行する公道では、かなり危険です。
また、このごろは、よく道路の左端に自転車のマークや、白または青の矢印などを見かけますが、最近自転車に乗り始めたり、久々に乗る人にとっては「これはどういった意味?」と首をかしげている人もいるのではないでしょうか?
そこで、ここでは、そういったマークや矢印の意味をはじめ、自転車の正しく安全な通行方法について、実際に街を走りながら、ご紹介していきます。
●自転車はクルマの仲間
今回は、26型のスポーティな電動アシスト自転車、ヤマハ「PAS Brace(パス ブレイス)」に乗って、自転車の基本ルールやマナーを紹介します。
2021年4月に発売されたパス ブレイスは、「日常で使いやすいスポーティコミューター」をコンセプトとして開発、片道10km前後の通勤などでの快適性が魅力のモデルです。
特に、パワフルなアシスト力を発揮する「強モード」、バッテリー消費量を抑える「オートエコモードプラス」に加え、新搭載された「スマートパワーモード」は秀逸。
走行中の人の動き(自転車のペダルを漕ぐ力やペダルを回す速さ)や路面の状況から、最適なアシストパワーを自動で制御してくれる機能です。アシストパワーを急な坂道などではアップさせ、逆に下り坂ではセーブするなど、自動で切り替えてくれるため、細かいモード切替が不要でとっても楽でした。
さて、本題に入りましょう。まず、そもそも自転車は、道路のどこを走るべきでしょうか? 答えは車道と歩道の区別があるところでは、車道を走ることがルールとなっています。
これは、自転車は道路交通法上で軽車両、つまり「クルマ(自動車)の仲間」と位置付けられているためで、基本的には車道の左端を走行しなければなりません。
また、クルマと同じですから、基本は左側通行です。前述のように、たまに逆走している人を見かけますが、右側通行は交差点などでクルマと出会い頭の事故に合う危険性がありますので、特に厳禁です。
それでは、実際にパス ブレイスで道路を走ってみましょう。
まずは直進です。車道の左端をクルマと同じ進行方向で走ります。前述の通り、最近は道路の左端に自転車のマークや矢印をよく見かけますが、これらは「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」と呼ばれるものです。
自転車が安全に通行するための場所や進行すべき方向を明示したもので、白い自転車マークと矢印が入ったものが自転車ナビマーク、交差点に入れられた青い矢印が自転車ナビラインです。
こういったマークやラインが入っている場所では、基本的にそれらに沿って走行しましょう。ただし、これらは、法令の定めのない表示ですから、必ず守らないと違反になるわけではありません。
安全に道路を走行するためのガイドライン的な意味合いですね。実際の通行に関しては、法定または道路標識などの交通規制に従うことになります。
ちなみに、こういったマークと違い、青いラインに白地で「自転車専用」と書かれている場所もあります。これは、「自転車専用通行帯」と呼ばれるものです。これは法規で定められた通行帯ですので、自転車は必ずそこを走行しなければなりません。
なお、道路に路側帯がある場合は、路側帯は歩行者が通行しますから、自転車は入らず、車道側を走りましょう。そういった道路でも、自転車ナビマークは車道側に入っていますから、それに沿って走ればOKです。
また、もし自転車ナビマークがない道路でも、基本は路側帯は走行しないことがルールになっています。
●信号で止まり、交差点は2段階右折
前方の交差点で、車両用の信号機が赤になりました。この場合は、自転車もクルマの仲間ですから、停止線の位置で停車します。
信号が青になったら再スタートですが、交差点に前述した青い矢印、自転車ナビラインがある所では、それに沿って走行します。
直進はもちろん、左折の場合も青い矢印に沿って走りましょう。また、右折の場合は、クルマのように、道路の中央に寄って曲がるのではなく、道路の左側に沿って徐行する、いわゆる「2段階右折」が基本です。
これも、自転車ナビラインが交差点を囲むように印(しる)されていれば、それに沿って走ります。まず、青いラインに沿って反対車線の端まで直進し停車。右折したい方向のラインに合わせて自転車の向きを変えると、前方の車両用信号機は赤のはずですから停車して待ちます。
そして、信号機が青に変わったら、再び青いラインに沿って直進すれば右折完了です。
なお、交差点では、たまに、車両用の信号機が青になっても、歩行者用の信号はしばらく赤のままという時差式表示の場所があります。これは、まず車両を先に通した後、歩行者を安全に渡らせるためですが、よく歩行者用信号機が赤だからと、車両用信号機が青でも進まない自転車をみかけます。
自転車は、車両ですから、あくまで車両用の信号機に従い、青になったら安全を確認しながら、すみやかに通行しましょう。
また、信号機がない交差点などで、「一時停止」の標識がある場合は、自転車も停止線で止まる必要があります。しっかりと停まり、左右の安全を確認してから進みましょう。
このように、自転車は基本的に道路の車道を走るのが基本です。ほかにも、飲酒運転や2人乗り、車道を2台以上並んで併走すること、ながらスマホなどは禁止されていますし、とっても危険です。
また、夜間はライトを点灯することや、児童・幼児の保護責任者は、児童・幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるようにしましょう。
自転車は、気軽な移動手段ですが、交通社会の一員として、ルールやマナーを守って安全に走ることが大切です。ぜひ、通勤や通学、休日のサイクリングなどで走る際の参考にして下さい。
(文:平塚 直樹/写真:clicccar編集部)