こんな時どうすればいい? 高速道路で起きがちなミスとその対処方法

■一般道と違い、慣れていない分パニックも起こりやすい。高速道路でのトラブルは、焦らず冷静に対処しましょう。

日本各地に張り巡らされている高速道路は、クルマでの移動時にとても便利です。信号がなく、ストップ&ゴーが少ないため、長距離移動が楽に、時間を短縮して行うことができます。

高速道路入口
遠方への旅行などで利用する高速道路は、一般道とは異なるルールがあります。

ただし、普段使い慣れていない高速道路で、何かのトラブルに見舞われたときには、慣れない環境からパニックを起こしてしまい、普段では考えられない動きを取ってしまう可能性があるでしょう。

今回は、高速道路走行中に起こりそうなトラブルを考えながら、トラブルに対しての安全かつ最も効果的な対処法を紹介していきます。トラブルに遭った時に焦らないよう、頭の片隅に入れておきましょう。

●逆走、Uターンは絶対にダメ。高速道路は一般道と大きく違う

高速道路で逆走やUターンをして戻る行為は非常に危険です。テレビコマーシャルなどでも逆走を無くす啓蒙活動が行われていますが、実際に目的地を過ぎてしまったり、SA・PAの入口と出口を間違えて逆走が行われることはあるようです。

先日、Twitterに、このようなツイートがありました。

高速道路の走行車線を走っていたクルマが右へ大きく旋回してきて、後ろを走っていたクルマと衝突したというもです。前方を走っていたクルマは非常停止帯を利用して、高速道路上でUターンを試みたようです。このツイートは2,800以上のリツイートをされ、ニュースでも取り上げられました。

このように、高速道路では危険な運転行為が毎日のように発生しています。事故に直結する危険な運転は高速道路を走行中に生じた「ミス」から生まれ、ミスを取り返そうと焦るあまりに、冷静さを失って、危険な行為に至ってしまうのでしょう。

気を付けていてもミスは起こるものです。しかし対処方法がわかっていればパニックも最小限ですみます。

以降、高速道路で起きやすいミスと、その対処方法を紹介していきます。

●行き先を間違えた、目的の出口を通過してしまった場合

高速道路入口後の分岐や、JCTでの分岐を間違った、目的の出口で降りるのを忘れてしまった場合の対処法を紹介します。

まず、高速道路は一方通行です。行き先を間違った、降り口を通過してしまっても、転回(Uターン)や後退(逆走)はできません。

そのまま本線を走行し、次に出てくるインターチェンジで降りましょう。この時、インターチェンジ出口では、ETCを利用していても「一般レーン」を使用します。

ETCレーン
ETC利用時でも、困りごとがあれば、一般レーンで相談すると、解決することが多いです。

一般レーンにいる料金所スタッフに、降り口を誤ってしまった旨を伝えることで、目的のインターチェンジへ戻れるように案内してくれます。通行料金も過剰に取られるということはなく、流入インターチェンジから目的のインターチェンジまでの通行料金を、正しい降り口で支払うことになるでしょう。

間違えて高速道路に入ってしまった場合でも一般用の料金所入口に入り、通行券を受け取る機械のインターホンで、料金所スタッフに誤進入した旨を伝えましょう。スタッフの誘導で一般道に戻ることができます。

少しの距離だからと、高速道路での逆走は絶対に行わないでください。万が一ですが、自分が逆走していることに気が付いた(逆走してしまった)場合にはすぐにハザードランプを点灯し、安全な場所へ停車します。クルマの向きを正しい方向に変える必要はありません。クルマを停車させたら、自身はガードレールの外側など、安全な場所へ避難し、逆走した旨を110番で連絡します。近くに非常電話があれば、非常電話からの通報でも構いません。

●通行券を取り忘れた・紛失した場合

高速道路入口で通行券を取り忘れた場合には、降り口の料金所で取り忘れや紛失の旨を申し出ます。

規定としては、流入したICがわからない場合、最長の料金を支払うことになっていますが、実際に料金所で最大料金を請求されるケースは稀です。一般的には、高速道路に乗った時間とICを聞き取りされ、申告内容に問題がなければ、想定される入口ICから出口ICまでの料金を支払い通過できます。

また、IC近くのお店で飲食等をしたレシートなどがあれば、どこから乗ったかの証明になるので、料金所のスタッフに提出しましょう。

●ETCカードを挿入し忘れ、ゲートが開かなかった場合

ETCレーン2
レーン内にも書いてありますが、ETCレーンでは絶対にバックしてはいけません。

高速道路利用時のETC利用率は9割と非常に高くなっています。ETC利用時に最も多いトラブルはETCカードの挿入忘れです。

ETCカードを挿入し忘れると、ETCレーンの開閉バーはもちろん開きません。ETC車載機にトラブル等があり、通信障害があった場合にも開閉バーは閉まったままです。

まずはその場に停車し、慌てずに係員が対応してくれるのを待ちます。この際、後続車からの追突事故防止のために、ハザードランプを点灯して停車しましょう。絶対にクルマをバックさせてはいけません。ETCレーンにインターホンがあれば係員を呼びます。

その後は係員が開閉バーを開け、ETCレーンから脱出させてくれますので、レーンを通過後、安全な場所へクルマを止めて係員の指示に従います。

筆者は何度か、ETCカードの書き込みエラーで出口のETCレーンを通過できないことがありました。書き込みエラーが発生したときにはETC車載機からエラーメッセージが発せられます。ETCカードや車載器への異常を、高速道路入口を通過後に検知した場合には、降り口ではETCレーンを使用せず、一般レーンでETCカードを見せて係員に相談することをおすすめします。

高速道路には、一般道とは異なるルールや施設、利用方法などが多くあります。慣れていない状況では誰しもミスを起こすものです。ミスを起こしても慌てないことが一番大切になります。

走行速度が高く、ひとつ間違うと大事故につながるのが高速道路です。利用の際にはルールをしっかりと把握し、トラブルの対処も想定しておくといいでしょう。

(文・写真:佐々木 亘

この記事の著者

佐々木亘 近影

佐々木亘

大学卒業後、銀行員になるも3年で退職し、大好きだった車の世界へ足を踏み入れました。自動車ディーラー営業マンへ転職し、レクサス・セールスコンサルタントとして自動車販売の現場に7年間従事します。
現在はフリーライターとして独立し、金融業と自動車ディーラーでの経験を活かして活動中です。車にまつわる金融・保険・法規などの、小難しいテーマを噛み砕き、わかりやすい情報へと変換して発信することを心がけています。常にエンドユーザーの目線に立った、役立つ情報を届けていきたいと思います。
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