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■インターネットやカタログだけで購入する人も
新車の買い方といえば、今までは販売ディーラーに行って、気になるモデルを試乗をしたり、見積もりを取ったりして商談するイメージがあります。ところが最近は、インターネットで商談ができるサービスが出てくるなど、ディーラーに行かなくてもクルマを購入できる時代に変わってきています。
では実際、一般ユーザーはどのようにして新車を購入しているのでしょうか。定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、新車を買ったことのある全国の男女1039人を対象に、購入時に試乗したかどうかについてインターネット調査を実施。
その結果、多くの人がディーラーへ足を運ぶ中、カタログやインターネットだけを見て、試乗せずに購入している人も一定数いることが分かりました。
●ディーラーにクルマを見に行かない人もいる
今回の調査は、2021年5月12日〜6月9日の期間に、インターネットのアンケートによって行われました。
まず、「新車を買うときにディーラーにクルマを見に行きますか? 」という質問を実施。その結果、1021人から有効回答があり、「見に行く」と回答した方が93.7%と圧倒多数でしたが、「見に行かない」という人も少数派ながら6.3%いました。
次に、ディーラーへクルマを見に行かないと答えた人へその理由も質問。結果は、「カタログを見ればどんな車かわかるから」「インターネットで調べる」「欲しい車が事前に決まっていたから」など、「カタログ、ネットで見るから」という回答が半数近い49.9%で最多となっています。
また、最初の質問で、新車を買うときにディーラーにクルマを見に行くと答えた人に、試乗しているかどうかを聞いたところ、「試乗している」と回答した人が71%と多い中、「試乗していない」人も29%いました。
さらに、調査では、試乗していないと回答した人に、なぜディーラーに行っているのに試乗しないのかも質問しています。
結果は、「傷つけるのが嫌だから」が27.4%でトップ、次に「すでに購入を決めているから」「試乗で購入の判断をしないから」などといった「購入に影響がないから」という人が19%で2位という結果となりました。
●オンライン商談や通販も出てきた
調査を行ったナイルでは、これら結果に対し、以下のように述べています。
「今回の調査により、多くの方が車を買う際には実際に試乗してクルマを確かめている一方で、カタログやインターネット、SNSで手軽に情報収集ができることもあり、ディーラーに行かなかったり、行っても試乗せずにクルマを購入したりする方が一定数いることがわかりました」
確かに、最近では新型コロナ禍の影響もあり、各自動車メーカーは販売店での対面販売を基本としてきたクルマの販売方法を多様化してきています。
たとえば、アメリカEVメーカーのテスラは、以前からユーザーにオンラインで直接販売する方式を取っています。日本では、東京、大阪、神奈川、愛知にテスラストアと呼ばれるショップもありますが、たった4ヵ所だけでは日本全国を網羅できませんから、オンラインの販売が主力といえるでしょう。
これは、テスラの本拠があるアメリカでは、日本と比べてインターネットでクルマを購入する人も多く、日本でも同様のやり方を踏襲しているようです。
国産メーカーでも、最近は各社のホームページで、気になるクルマの見積もりが取れるオンライン見積もりを実施しています。
また、たとえば日産では、販売店でのクルマ購入の商談をする前に、オンライン上で見積りや試乗、購入プランなどの各種問い合わせに応対する「オンラインチャット」サービスを2020年6月から開始。
これは、インターネットのチャットを使って、担当者と直接クルマの購入に関する相談ができるというもの。販売店に行く前に気になることを聞けるため、実際に行った際のやり取りが効率的になるという効果が期待されています。
さらに、他メーカーでも、販売店に行かなくても商談ができるオンライン商談を導入する動きがあり、今後の動向が注目されています。
ちなみに、新車ではありませんが、トヨタでは中古車をオンラインで注文できる「トヨタ中古車オンラインストア」を2020年9月に開設しています。
こちらは、商談だけでなく、オンラインで実際に購入もできるいわゆる通販サイト。トヨタ販売店が扱うコンパクトカー、ミニバン、SUV、HVなど、幅広い車種の中古車を購入することができます。
このように、今後は新たなサービスの登場により、必ずしも販売店に行かなくてもクルマが買える時代になっていくのかもしれません。
個人的には、クルマは安い買い物ではないですし、乗り味を確かめるために試乗は絶対にやりたい派です。スイッチ類の使い勝手や、シートの硬さやホールド性なども知りたいですし。でも、あまりこだわらない人であれば、オンラインで購入なんていうのもありなんでしょうね。
(文:平塚 直樹 *写真はイメージです)