落札価格は約6000万円! 映画・ワイルドスピードに出演したトヨタ「スープラ」が、 アメリカの世界最大級オークションで落札

■世界的に有名なカーアクション映画に登場する1台

クルマと映画が好きな多くの人が知っている、ハリウッドのカーアクションムービー「ワイルドスピード(原題Fast & Furious)」シリーズ。

その第1作目に登場したトヨタスープラ」は、スポーティかつ戦闘的なエアロや鮮やかなオレンジのボディカラー、斬新なグラフィックなどを施し、映画で大活躍! 当時、日本でも大きな話題となりました。

映画ワイルドスピードのトヨタ・スープラが約6000万円で落札
世界最大級の自動車オークションに出展されたムービーカーのトヨタ・スープラ(出展:Barrett-Jackson公式YouTubeチャンネル)

その本物のスープラ・ムービーカーが、アメリカ・ラスベガスで6月17日〜19日に開催された世界最大級の自動車オークション「バレット・ジャクソン(Barrett-Jackson)」に出展され、55万ドル(約6106万5950円)で落札! 全米で大きな話題となっています。

●4代目のA80型スープラがベース

今回、オークションで落札された1994年式スープラは、2001年に公開された第1作目に俳優の故ポール・ウォーカーさん(2013年に事故で他界)が演じる、主役のブライアン・オコナーが乗ったことで有名です。

映画ワイルドスピードのトヨタ・スープラが約6000万円で落札
ノーマルのトヨタ・スープラ(A80型)
映画ワイルドスピードのトヨタ・スープラが約6000万円で落札
映画公開当時、スポーティなフォルムが話題に(出展:Barrett-Jackson公式YouTubeチャンネル)

劇中のラストでは、ヴィン・ディーゼルさん演じるドミニク・トレットが駆るダッジ「チャージャー」と壮絶なストリートレースを展開し、まさに「第2の主役」ともいえるクルマです。

ベース車両は4代目のA80型で、映画のためにカルフォルニア州にある「シャークショップ(Shark Shop)」というビルダーがカスタムしたものです。オークションには、映画用に8台作られたうちの1台が出品されました。

エンジンには、最高出力280psもの大パワーを発揮する3.0L直列6気筒ターボの2JZ-GTE型を搭載。劇中では、ウォーカーさんがシフトチェンジする模様も出てきますが、実はミッションは4速ATなので、そのシーンだけ別のクルマで撮影したのかもしれません。

ボディカラーには、ランボルギーニ「ディアブロ」と同じ鮮やかなキャンディオレンジパールをカスタムペイント。ボディサイドには「ニュクリア・グラディエーター(Nuclear Gladiator、「核の剣闘士」といった意味)」と呼ばれるオリジナル・キャラクターも描かれています。

映画ワイルドスピードのトヨタ・スープラが約6000万円で落札
オリジナルのグラフィックを採用(出展:Barrett-Jackson公式YouTubeチャンネル)

なお、このグラフィックは、アメリカの有名デザイン会社「トロイリーデザインズ」が担当。専用カーフィルムにデザインを印刷し貼り付ける、現地でバイナルグラフィックス(日本ではラッピング)と呼ばれる手法が施されています。

●日本メーカーのパーツも装備

このクルマのスタイリッシュでシャープな外観を演出するエアロパーツには、日本メーカーの「ボメックス」が手掛けたフロントバンパーやサイドスカート、リヤアンダースポイラーを採用。ちなみに、このエアロは現在も販売されていて、20年続く同社のロングセラーとなっているそうです。

映画ワイルドスピードのトヨタ・スープラが約6000万円で落札
上からのフォルムも独特でカッコイイ(出展:Barrett-Jackson公式YouTubeチャンネル)

また、リヤフードに付いたアルミ製GTウイングはアメリカのメーカー「APR」製、スポーティな5本スポークのホイールは「レーシングハートM5」の19インチが装着されています。

余談ですが、このホイール、映画公開当時は日本の「タケチプロジェクト」というメーカーが扱い、北米にも輸出していました。ですが、今は会社が存在せず、アメリカでは「ダズモータースポーツ(Dazz Motorsport)」が販売しているようです。

映画ワイルドスピードのトヨタ・スープラが約6000万円で落札
ホイールはレーシングハートM5(出展:Barrett-Jackson公式YouTubeチャンネル)

実は、このクルマはシリーズ第2弾「ワイルドスピードX2」でも、ウォーカーさん扮するオコナーの愛車「スラップジャック・スープラ(Slap Jack’s Supra)」として登場します。2作目ではボディカラーをゴールドに変更していたのですが、その後、1作目の仕様に戻されたとのことです。

まさに、歴史に残る名車ともいうべき1台ですね。誰が落札したのかは明かされていませんが、ぜひ大切に残していってもらいたいものです。ちなみに、シリーズ9作目の最新作「ワイルドスピード/ジェットブレイク」が、日本で8月6日に公開される予定です。

(文:平塚直樹

【関連リンク】

「ワイルドスピード/ジェットブレイク」公式ホームページ
https://wildspeed-official.jp/

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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