スズキの歩みとは?:織機メーカーから2輪&4輪のメーカーへ転身【バイク用語辞典:バイクメーカーの歴史編】

■パワフルな走行性能と個性的なスタイルが特徴

●低価格の原付や125ccクラス以下が主力だが、個性的な大型車も投入

スズキは、トヨタと同じように織機メーカーから自動車メーカーへ転身しましたが、トヨタと異なり2輪と4輪軽自動車事業に取り組みました。スズキのバイクは、軽自動車と同じようにパワフルで低価格が特徴です。

個性的なバイクを提供し続けるスズキの歩みについて、解説します。

●起源

スズキの起源は、トヨタ自動車と同じ織機メーカーです。

1952年発売のパワーフリー号
1952年発売のパワーフリー号
1953年発売のダイヤモンドフリー号
1953年発売のダイヤモンドフリー号

1909(明治42)年、鈴木道雄は22歳の若さで浜松市に「鈴木式織機製作所」を設立しました。順調に成長した鈴木式織機は、次の事業として将来有望な自動車事業への参入を決断。しかし、最初から4輪自動車の開発に取り組むのではなく、まずはエンジンを補助動力とするエンジン搭載自転車の開発からスタートしました。

1952(昭和27)年に発売したエンジン搭載自転車「パワーフリー号」、続くパワーアップした「ダイヤモンドフリー号」は大ヒット。この成功を受け、1954(昭和29)年には社名を「鈴木自動車」と改め、本格的な自動車事業への参入を決断しました。

●鈴木道雄の創業までの生い立ち

織機から自動車産業への道を切り開いた鈴木道雄の歩んだ道は、豊田佐吉とよく似ています。創業までの略歴は、次の通りです。

・1887(明治20)年、静岡県浜名郡芦川村で農家の次男として誕生

・1901(明治34)年、14歳で大工職人今村幸太郎に弟子入り

・1904(明治37)年、17歳のとき親方が織機製作に転業したため織機の技術を学ぶ

・1908(明治41)年、21歳のとき足踏織機の需要が高まったことに注目し自ら織機を製作

・1909(明治42)年、22歳で「鈴木式織機製作所」を設立

・1920(大正9)年、「鈴木式織機株式会社」と法人化して社長に就任

●スズキのバイク史概要

「パワーフリー号」、「ダイヤモンドフリー号」で成功した鈴木自動車は、戦後本格的な2輪車の開発に取り組みます。

・本格2輪車の開発
1955(昭和30)年に発売した「コレダ号」は、富士登山レースで優勝して技術力を証明し大ヒットしました。

・スーパーカブを追走するスクーターも開発
排気量50cc、最高出力4PSの2ストロークエンジンを搭載したスクーター「スズモペット」を開発、当時の最先端技術を採用して高い評価を得ました。

・世界最高峰のマン島TTレースへ参戦
参戦2年目の1962(S37)年、2ストローク単気筒エンジン搭載マシンで念願の初優勝、「2ストロークのスズキ」をアピールしました。

1971年発売のGT750
1971年発売のGT750

・量産バイク初の水冷エンジン
1971年に登場したスズキ初の大型バイク「GT750(ジーナナ)」は、量産初の2ストローク水冷エンジンを搭載、現在も根強いファンを持ちます。

1984年発売のGSX-R
1984年発売のGSX-R

・レーサーレプリカブーム
レーサー譲りのアルミフレームとフルカウルを採用した1983年発売「RG250」と1984年発売「GSX-R」は、レーサーレプリカブームを巻き起こしました。

1986年発売のGSX-R750
1986年発売のGSX-R750

・油冷エンジン
1985年には、冷却性の向上を狙ったスズキ独自の油冷エンジンを搭載した「GSX-R750」が発売、レースで大活躍しました。

・ロータリーバイク
唯一大量生産したロータリーエンジンの搭載バイクは「RE5」だけ、評判になりました。

1999年発売のGSX1300R(ハヤブサ)
1999年発売のGSX1300R(ハヤブサ)

・スーパースポーツを超える究極のバイク
「アルティメットスポーツ(究極のスポーツ)」と謳ったコンセプトで1999年に登場した「GSX1300R ハヤブサ」。空力に優れた車体に、175PSの並列4気筒エンジンを搭載、世界最速のバイクと称賛されました。


スズキは、原付バイクや125cc以下のラインナップが多いように思えますが、大型についてもスズキならではの先進的で個性的なバイクを提供しています。軽自動車同様、思い切って新しい技術を採用するスズキの社風がバイクにも反映されています。

Mr.ソラン