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■グリルやライト類を変えたカスタム車が濃厚
最近、巷のクルマ好きたちがよく話題にすることのひとつに、自動車保険「ソニー損保」のCMがあります。
俳優の役所広司さんや女優の内田有紀さんが登場し、クルマよりもクルマの保険が気になってしまう人を演じたいくつかのバージョンがありますが、それらに出てくるクルマたちが正体不明だからです。
「どこかで見たことあるけど、ちょっと違う」とか、「きっと、あのクルマだけど顔が違うなぁ〜」など、様々な論議を呼んでいます。
筆者はもちろん、クリッカー編集部もかなり気になっていて、編集長から直々に「あのクルマたちの正体を暴いてくれんね、予想でよかばい」(福岡出身のため博多弁)との指令を受けました。
そこで、早速検証してみたところ、ある仮定にたどり着きました。それは、登場するクルマはいずれも「カスタムされているのではないか?」ということです。
ここでは、その仮定に基づき、筆者が独断と偏見で予想したCMカーたちの素性について紹介します。
●ロードスターに違いない?
まずは、筆者が最も気になったクルマから。内田有紀さんが登場する「確かめる女性(ドライブレコーダー)」篇に出てくる赤いスポーツカーを検証します。
テニス帰りの内田さんを待ち受け、「送ろうか」と呼びかける男性のクルマなのですが、かなりカッコイイですね。じっとCMを見た結果、きっと、これはマツダの2シータースポーツ「ロードスター」ではなかろうかという結論に達しました。
後ろからのスタイルを見ると、「硬い」屋根が付いているので、恐らくリトラクタブルハードトップモデルの「ロードスターRF」のようです(スタンダードのロードスターはソフトトップですからね)。
ただし、ノーマルと比べると、明らかに違うのはヘッドライトの形状。シャープですが、よりパッチリとしたカタチになっています。
フロントフェイスでは、ほかにもフロントバンパーにあるマツダのエンブレムがありません。通常、エンブレムを外すとスムージングといって、穴をふさぐ板金加工を行いますが、ひょっとしたらバンパー自体が違うことも考えられます。
また、リヤまわりも、テールライトの形状が違い、トランクフードもデザインが異なるような気がします。
ともあれ、もしカスタムしているのであれば、ノーマルよりかなりスタイリッシュに変身していますね。
●先代ノートのフォルムにそっくり
次は、役所広司さんが登場する「確かめる整備士(提携修理工場)」篇に出てくるクルマです。
全体のフォルム、どう見てもコンパクトカーと確信できる車格、ドアのプレスラインやリヤまわりの形状などをじっくり観察したところ、どうもこのクルマは日産「ノート」の先代モデルではないかと思われます。
ただし、フロントまわりはノーマルと違いますね。独特なデザインのVモーショングリルからは、やはり日産エンブレムが取り外され、バンパーも変わっているような印象を受けます。
ひょっとすると、ヘッドライトの形状も違うかもしれません。もし、ベース車が先代ノートで合っているとすれば、よりインパクトが増した顔付きに変身していますね。
●グリルが変わったXV?
「確かめるガソリン屋さん(トリプル無制限)」篇で、ガソリンスタンドに停車中のクルマは、恐らくスバルのコンパクトSUV「XV」のようです。
ただし、こちらも顔がちょっと違います。
スバルのエンブレムがないのはほかと同様、グリルがノーマルの6角形から8角形の台形スタイルに変更されています。
また、XVのフェンダーには、SUVらしさを強調する樹脂製のモールがありますが、それもなく、ツルンとしています。なにか、さりげにカスタムされた車両といった印象がありますね。
●ヘッドライトやボンネットがまるでプリウス
最後は、やはり役所さんが登場する「確かめる警備員(現場かけつけ)」篇。
このクルマはトヨタの「プリウス」のように見受けられます。
CMでは、正面を向いた映像しかありませんが、ヘッドライトやボンネットの形状、前から見たときの全体的フォルムをつぶさに観察してみると、かなりプリウスっぽい印象があります。
トヨタのエンブレムがないのは同様で、ノーマルのバンパーはエンブレム上部が食い込むように凹みがありますが、ないのでバンパー自体を変えている可能性もあります。
どうも、このCMシリーズに出てくるクルマは、いずれも、メーカーのエンブレムを外すのが共通コンセプトのようですね。自動車メーカーのロゴが入ったエンブレムを見せると、そのメーカーのイメージが強くなるのを避けるためかもしれません。
ともあれ、筆者の検証はこんな感じです。皆さんはどう思いますか? 本当はどんなクルマなのかとか、もしカスタムしているのなら、どんなパーツが装着されたり加工が施されているかなどを想像するだけでも、けっこう楽しいですよ(自粛暇人だから)。
(文:平塚直樹)