■日本でも扱いやすいサイズで、WLTPモードの航続距離は520km
急速に電動化を推進しているフォルクスワーゲン。そのEVである「ID.4(アイディ.4)」が「2021ワールドカーオブザイヤー」に選出されました。
「MEB(modular electric drive matrix)」と呼ばれるアーキテクチャを使い新設計された「ID.4」は、コンパクトSUV(EV)。
ボディサイズは、全長4584×全幅1852×全高1612mm(欧州仕様)で、「ID.3」よりもひと回り小さくなっています。フォルクスワーゲンの現行モデルでサイズ的に近いのは、全長4500×全幅1840-1860×全高1675mmのティグアン。ID.4のWLTPモードの航続距離は520kmとアナウンスされています。
「ワールドカーアワード」は国際的な自動車賞で、世界24ヵ国90人以上のモータージャーナリストによる投票により、世界で最も革新的なクルマが選出されています。
なお、「ワールドカーオブザイヤー」の対象となるモデルは、少なくとも年間1万台が生産され、少なくとも2つの大陸で販売されている必要があります。つまり、量産車であることが前提となります。
同賞の選考委員は、今回の選出について、ゼロエミッション走行による環境への配慮はもちろん、「ID.4」の革新的な機能を評価しています。
たとえば、オプション設定される革新的な拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイは、ナビの進行方向を示す矢印をはじめとする重要な情報をフロントウィンドウに投影する技術。これまで、メルセデス・ベンツEクラスやSクラスなどの高級車に採用されてきた装備です。
さらに、ID.4の拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイは、アダプティブクルーズコントロール(ACC)またはトラベルアシスト(オプション)が作動している場合、一定の速度を超えると、先行車を明るく強調表示し、必要な車間距離を維持するなどの機能も用意されています。
また、同EVは「OTA(over the air)」機能によって無線で定期的に更新され、新しい機能がインストールされる最新のコネクティビティに対応。同機能は、夏から提供される予定で、量販セグメントでOTA機能を提供する最初のメーカーになるそう。OTA機能により、車両が常に最新の状態に保たれる利点があります。
今回で17回目を迎える「ワールドカーオブザイヤー」での受賞により、「ID.4」はこうした賞や業界専門誌だけでなく、潜在ユーザーからも高い評価を得ているそう。2021年だけで世界中で約15万台の「ID.4」を販売する予定としています。
フォルクスワーゲンは、毎年少なくとも1車種の新型EVを市場導入する予定とアナウンスしています。なお、上記の内容は欧州仕様で、ID.4の日本導入の詳細などは明らかにされていません。
(塚田 勝弘)