「ポニーテールはふり向かない」女優・伊藤かずえは新しい車にもふり向かない!30年乗り続けた日産シーマのお気に入りはあの小さなワイパー!!

■GT-Rと迷った末にシーマに決定

筆者のようなオジサンにとって、伊藤かずえさんといえば、80年代のTBSドラマ「ポニーテールはふり向かない」の主人公なんですが、ヤングの皆様におかれましては、3月17日、ツイッターで突如トレンド入りした「シーマに乗る女優さん」かもしれませんね。

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
ご自身の運転で伊藤かずえさんが登場。

そう、何を隠そう伊藤さんは、1990年に購入した日産シーマを30年乗り続けてこられたスゴイ人。去年の10月、そのことをブログにアップしたらSNSで話題となり、ついには日産自動車自身が「愛車をレストア(修復)させてください」と手を挙げるまでに。この「伊藤さんのシーマを日産がレストア!」というニュースがまたまた注目を集め、先のトレンド入りとなったわけです。

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
日産の松村眞衣子さんにシーマのキーを渡します。

4月26日、そのシーマがいよいよ日産自動車に入庫することとなり、神奈川県茅ケ崎市のオーテックジャパンで、鍵の受け渡しが行われました。ご自身の運転で現地にやってきた伊藤さんは、「寝付きのいい私が夕べは寝付けなかった」としばしの別れが寂しげな様子。「1週間に一度くらいは(レストアの様子を)見に来ます」と早くも「親バカ」ぶり(?)を発揮しています。

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
1988年に登場、一大ブームを巻き起こした日産シーマ。
伊藤かずえさんのシーマレストア開始
高速道路でこのリアのバッジを何度見せつけられたことか。

そんな伊藤さんの愛車ですが、FPY31型と呼ばれるパールホワイトの初代セドリック・シーマ。これまたオジサンにはいうまでもないのですが、1990年当時のこのクルマの人気はすさまじく、「シーマ現象」という流行語を生み出したほど。5ナンバーという縛りからなかなか自由になれなかった日本車の中で、「ボディサイズも排気量も完全3ナンバー」という思い切りのよさは、バブル景気の中大歓迎されたんですね。3リッターV6ツインカムターボによる255psという当時最強のパワーも、スポーツカーすら圧倒する豪快なものでした。

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
インテリアはブラウン内装に布シートの組み合わせ。

ちなみに伊藤さんは、シーマを手に入れるまでは日産ローレルに乗られていたとのこと。ローレルを手放す際に、なんとスカイラインGT-R(BNR32)!も候補になったらしいのですが、当時50代で免許を取られたお母さまから「マニュアル車は無理」と要望があり、シーマに決めたのだそうです。

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
オドメーターの数字は26万6500km!
伊藤かずえさんのシーマレストア開始
エアコンやオーディオ系の表示は日本語でした。

以来伊藤さんは、ロケ現場やスタジオにも必ずご自分でシーマを運転されて出かけてきました。京都の撮影所にも自走で出かけたそうですが、碁盤の目のような地理にも助けられて無事乗り切ったとか。なんせシーマの時代にはGPSナビがありませんでしたからね。娘さんが生まれた時もこのクルマでしたが、いまはその娘さんが免許を取ってシーマを運転されているのだとか。自分が生まれた時のクルマが身近にあってそれが運転できるなんて、素敵ですよね。

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
伊藤さん、しばらく寂しくなりますね。

手に入れて10年くらい経つと、会社(ホリプロ)に乗っていっても「乗り換えたら?」って言われることが増えたそうです。でも伊藤さんには「シーマ以上にほしいと思えるクルマがなかった」。そこで伊藤さんは、エンジンや足回りを新品に交換し、さらに20年、30年と同じ時間を過ごしてきたのです。

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
センターピラーがない点も後方視界がすっきりしていて気に入っているそうです。

 

「シーマで気に入っているところは?」との問いに、伊藤さんが答えたのがドアミラーワイパー。そうでしたそうでした! シーマの上級グレードは、ドアミラーにワイパーが付いていたんです。日本車のレアな装備を振り返ると必ず出てくるアイテムなのですが、ここに目を付けるとは伊藤さん、さすがです!

伊藤かずえさんのシーマレストア開始
ピカピカになった姿を楽しみに待ちましょう。
伊藤か伊藤かずえさんのシーマレストア開始ずえさんのシーマレストア決定
しばしの代役は日産キックスが務めます。

さて、シーマの今後ですが、まずはオーテックジャパンで車両を細部にわたって精査し、その状況に応じて日産グループ全体が対応を行うとのことです。伊藤さんは、エアサスペンションからの異音や塗装の経年劣化などが気になるとのことですが、もちろんこのあたりは完璧にリフレッシュされるでしょう。擦り切れそうな布張りのシートは日産から「革に換えますか?」と聞かれたそうですが、布のままがいいとのこと。加えて「メーターも戻さないで」と伝えたそうですが、確かにこれは大事ですよね。この日、オーテックジャパンでのオドメーターの距離は26万6500km。この数字の中には、30年の伊藤さんの思い出が詰まっているわけですから。

しばらくの間、愛車とは別居状態になる伊藤さん。その間の代役は日産キックスが務めるそうです。最新モデルはもちろん便利で快適でしょうが、伊藤さんにとってはやはり30年連れ添った相棒が一番のはず。その感激の再会の模様は、レストアが終わったときにぜひお伝えしたいと思います。

(文:角田伸幸/写真と動画:日産自動車)

【関連リンク】

・日産自動車-伊藤かずえさんのシーマ レストアの取り組み
https://www3.nissan.co.jp/first-contact-technology/restore-cima.html

この記事の著者

角田伸幸 近影

角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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