ブリヂストンのエンライトンとオロジックを組み合わせた「トランザ エコ」を、太陽光発電型EV・Lightyear One用に開発

■同サイズのタイヤよりも4本で約3.6kgの軽量化を実現

クルマの電動化が進む中、タイヤメーカーも次世代のエコタイヤを開発しています。

ブリヂストンは、環境性能と運動性能を両立するタイヤ技術「ENLITEN(エンライトン)」を開発。フォルクスワーゲンのEV「ID.3」、新型ゴルフ(ゴルフ8)、北米向けの日産ローグなどのOEタイヤに「エンライトン」の技術が採用されています。

Lightyear One
太陽光発電型EVの「Lightyear One」

そんな中、ブリヂストングループは、オランダLightyear社の太陽光発電型EVである「Lightyear One」向けに、「エンライトン」を搭載した特別仕様タイヤ「TURANZA ECO (トランザ エコ)」を開発したと発表しました。

「Lightyear One」を開発するLightyear社は、ブリヂストンがタイトルスポンサーを務める世界最高峰のソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge」のクルーザークラスを4連覇しているオランダ・アイントホーフェン工科大学のSolar Team Eindhoven出身のエンジニアが中心となり2016年に設立された企業です。

ブリヂストン トランザ エコ
最新タイヤ技術「エンライトン」を搭載した特別仕様タイヤの「TURANZA ECO (トランザ エコ)」

「エンライトン」は、タイヤの大幅な軽量化、転がり抵抗低減を可能にする次世代環境対応商品の独自技術で、EVの航続距離を延ばすだけでなく、バッテリー寿命の維持にも貢献します。

太陽光発電型EV「Lightyear One」は、車体上部の太陽光パネルで走行中にも充電することで725kmの航続距離を実現したEV。太陽光発電機能を備えた長距離走行可能なEVとして、2021年内に世界初の商業化を目指して開発が進められています。

EVというと航続距離の不安を抱くユーザーも少なくないはず。この「トランザ エコ」は、「Lightyear One」の航続距離の最大化に貢献するために、革新的なタイヤ技術「エンライトン」が搭載。開発はブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエーが担っています。

タイヤサイズは175/60R19で、装着されるEVの要求性能を満たすことを示す同グループ独自の「EV マーク」が刻印されます。

トランザ エコ
同グループ独自の「EV マーク」が刻印される

また「エンライトン」に狭幅、大径形状と高内圧使用が特徴の低燃費タイヤ技術「ologic(オロジック)」を組み合わせることで、さらなる転がり抵抗低減を実現。「オロジック」は、 BMW i3でもお馴染みの低燃費タイヤ技術です。

最新のタイヤ技術である「エンライトン」は、「サステナビリティビジネス構想」の実現へ向け、タイヤの大幅な軽量化と、転がり抵抗低減により省資源化や環境負荷低減に貢献するとともに、従来はトレードオフの関係にある運動性能やタイヤライフとの両立を可能にするとしています。

「トランザ エコ」では、同社の同サイズのタイヤと比べて4本(車1台あたり)で約3.6kgの軽量化を果たし、独自のタイヤ開発シミュレーション技術を用いて試作タイヤの本数および開発期間も削減されるそうです。

塚田勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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