■トヨタとSUBARUが共同開発した「e-TNGA EV」専用プラットフォームを採用
2021年4月19日、トヨタ自動車は新型EVシリーズの「TOYOTA bZ(トヨタ ビーズィー)」を発表すると共に、上海モーターショーにおいて同シリーズ第1弾の「TOYOTA bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」のコンセプトカーを初公開しました。
100年に一度といわれる大変革期を迎えている自動車業界は、近年「CASE」というキーワードに加えて、「SDGs」の達成も不可欠という流れになっています。
トヨタも2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、CO2削減のため電動車のフルラインアップ化を推進し、2025年には70車種程度に増やすと表明しています。
電動車のフルラインアップ化の一環として、トヨタでは2025年までにEV15車種を導入する計画を推進中で、そのうち新シリーズ「TOYOTA bZ」は7モデルを導入する計画としています。日本では、超小型EVの「C+pod」を昨年12月に導入しています。
今回、披露された新EVシリーズ「TOYOTA bZ」は、中国、米国、欧州など、EVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域で、多くのユーザーを獲得するべく投入されるモデル。
「bZ」は「beyond Zero」の略で、単なるZero Emission(ゼロ・エミッション)を超えた価値を顧客に届ける、という想いが込められているそうです。
EV専用プラットフォームをベースに、より多くのユーザーが安心して選べるように、使用環境を考慮した航続距離、EVならではの開放的で自由度の高い室内空間と、斬新なエクステリアデザインを備えているのが特徴です。
一方の「TOYOTA bZ4X」は「TOYOTA bZ」シリーズ第1弾のEVであるのと同時に、SUBARUとの共同開発によるSUVタイプのEV。
トヨタ、SUBARUが共同開発した「e-TNGA EV」専用プラットフォームが採用されています。電動化を得意とするトヨタ、高いAWD技術を持つSUBARUという互いの強みを活かし、快適かつ楽しめる走りを実現するEVとして開発されています。
具体的には、EV専用プラットフォームによる、ショートオーバーハング・ロングホイールベース化により、特徴的なスタイリングと、Dセグメントセダン並みのキャビンが確保されているそうです。
また、操舵時に持ち変える必要がなく、広々としたスペースの演出にも寄与する異形ステアリングホイールと、意のままにスムーズな運転感覚をもたらすステアバイワイヤを採用。低いインパネやステアリングホイール上方に配置したメーターによる開放感や視認性の向上が図られ、安心、安全なドライビングが可能になるそう。
また、SUBARUと共同開発された新AWDシステムが搭載され、電動車ならではの素早いレスポンスを生かした安全で気持ちの良い走りと、高い走破性を実現するとしています。EVらしく回生エネルギーの活用はもちろん、停車中も賢く充電を行い、EVならではの環境性能をさらに上積みするソーラー充電システムを採用。冬場などでも不便を感じさせない航続距離を確保するそうです。
なお、「TOYOTA bZ4X」は、日本と中国での生産が予定されていて、2022年年央までにグローバルでの販売を開始する計画としています。
今回、披露された新EVシリーズ「TOYOTA bZ」は、先述のように中国、米国、欧州などに投入されるとあり、日本導入の有無などの詳細は明らかにされていません。
(塚田 勝弘)