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■発光色や光量、レンズ面積、取り付け位置などの基本的な仕様を規定
●2006年に法改正があり、製造年度によって基準が異なるので注意が必要
テールランプもヘッドライト同様、バイクの後ろ姿を特徴づける重要なパーツです。保安基準を満たした上で、LEDに交換したり、クリアランプやスモークフィルムを貼るなどのカスタム化が行われています。
テールランプのカスタム化に関わる基本的な保安基準について、解説していきます。
●テールランプに関する保安基準
代表的なのは、ランプの光色や明るさ(光量)やレンズ(照明部)の面積、取り付け位置などです。これらが、テールランプのカスタム化や交換の際に問題になります。
・テールランプの発光色や光量(明るさ)
灯火の色は赤色、夜間に後方300mの位置から点灯が確認できること、明るさは5W以上30W以下(2005年以前製造のバイクは、30W以下の制限なし)に規定されています。また、上下見通し範囲15°以上、左右見通し範囲80°以上です。光度は300cd(カンデラ)以下(2006年以前製造のバイクは規定なし)です。ブレーキランプと一体型の場合は、ブレーキランプが点灯した時はテールランプのみの光度の5倍以上必要です。
・テールランプのレンズ(照明部)面積
照明部とは、テールランプのレンズの面積を指しますが、ブレーキランプとテールランプが一体型のバイクが多いので、この場合はブレーキランプの保安基準も関わります。照明部の面積は15平方センチ以上(1996年1月以前製造のバイクは規定なし)、ブレーキランプ一体型の場合は20平方センチ以上です。
・取り付け位置
照明部の上縁が地上2.1m以下、下縁の高さは地上35cm以上、最外縁は車両の最外側から40cm以内、車両の中心に位置し対称であること
・その他
レンズの損傷や著しい汚損がないこと、点滅するランプでないこと
●LEDに交換しても車検に通るか
最近は、テールランプにもLEDを使うバイクが増えています。
LEDは、電気を流すと発光する半導体の発光ダイオードで、クルマでは軽でも使われるほど普及しています。ハロゲンより明るく、最大の特徴は15年という圧倒的な長寿命で消費電力が非常に少ないことです。一方、課題は価格が高いことです。
上記の保安基準を守って赤色LEDに交換すれば何の問題もありません。白色LEDで赤いレンズカバーを使うと減光するので注意が必要です。また一般的なLEDランプは、複数個のLED発光素子を組み合わせたマルチチップタイプなので、その中のひとつでも発光しなくなると球切れとみなされ、車検に通りません。
●その他のカスタム化
・クリアランプ
テールランプは赤色と規定されているので、透明なクリアテールランプはそのままでは車検に取りません。クリアテールランプを装着したい場合は、リフレクター(反射板)を付けることで車検に通る可能性がありますが、装着の前に確認が必要です。
クリアランプでも、赤い電球に換えて保安基準を満たせば問題ありません。ただし、テールランプとナンバー灯が一体となっている場合は、ナンバー灯の保安基準を満たさないことになるので注意が必要です。
・スモークテールランプ
スモークテールランプは、スモークフィルムを貼ってランプを暗く演出するものですが、保安基準を満たせば違法ではありません。ただし、実際には光量が落ちるので薄いスモークぐらいしか貼れません。
・ウィンカーと一体型のテールランプ
ウィンカーと一体型のテールランプを見かけることがありますが、多くは車検に通りません。これは、「リアのウィンカーは、発光面の中心が150mm以上離れること」というウィンカーの保安基準に適合できないからです。
テールランプは、後方車両に存在を視認してもらい安全を確保することが第一の目的、特に夜間や悪天候の時に気づきやすいように赤色となっています。一方で、ランプの光が他車の走行の妨げになってはいけません。そういった観点から、カスタマイズするときも保安基準が守れているかに留意しなければいけません。
(Mr.ソラン)