■EV、シリーズ&パラレルハイブリッドのいいとこどり!
2020年末のビッグマイナーチェンジによって登場した三菱エクリプスクロスPHEVは、EVとハイブリッドのいいとこどりをしたモデルです。
大きなバッテリーを備えることでモーターのみによる走行が可能。シチュエーションによってエンジンとタイヤが関連して駆動したり、モーターが手助けしたりします。
大容量バッテリーは走行中の充電のほか、外部からの充電可能。駆動用モーターをフロントとリアに2系統載んでいるのが、4駆の実力がある三菱ならではですね。
マイナーチェンジの概要を見ていきましょう。
まずフロントセクションが大きく変更されました。長さが35mm延びています。PHEVの冷却ユニットを収めることを前提に、バンパーが延びてるんです。さらに三菱車の顔「ダイナミックシールド」も大きく変化。上からポジション、ヘッドランプ、フォグランプが並ぶ精悍な顔つきになりました。
サイドに回ってみると、マッシブさがかっこいい。フェンダーアーチ部分に無塗装部分があることでワイルドさがアップしています! さらにドアサイドには鋭いエグリが。これがボディ後端までにかけて延びていてこれまたワイルド! フロントフェンダーには誇らしげなPHEVのプレートが付いてますよ。
リアも、PHEVユニットを格納するため、長さが105mm延長されました。その結果、ラゲッジルーム容量は340Lから359Lに、ガソリンモデルでは405Lへと大きく拡大しています。さらにバンパー延長によりボディ下面のディフューザー形状が強化され、空力効果がマシマシになっています。リアウィンドウが大きな1枚ものに変更されたことで、実用視界もアップしていますよ。
インテリアもマッシブで力強くなっています。シートはマンナンライフの蒟蒻畑ようなコシがあります。2種類の素材を使い分けていて見た目も豪華。調整は電動です。
インパネはアナログ2眼式で、中央にマルチインフォメーションディスプレイが備わり、さまざま表示変更が可能です。革巻きで握りやすいステアリングの裏にはパドルが。これ、ギアシフトではなく、回生の強さを6段階に調整するものなんです。
センターコンソール上のモニターサイズは8インチの大画面になりました。車両のエネルギーの流れがチェックできたり、電力消費や燃費も確認できます。
シフトレバー脇にはドライブモードの切り替えスイッチが。運転状況によって「ノーマル」「スノー」「グラベル」という切り替えができるのですが、PHEVモデルではさらに「ターマック」というモードが選択できます。
ボンネットを開けてみましょう。搭載されるガソリンエンジンは2.4リッターの直列4気筒128psで、これにフロント82ps、リア95psというモーターの力が加わります。強力! バッテリーは200V充電なら4.5時間でフル充電、急速充電なら25分で80%まで電力を貯めることができます。速い!
走り出してみましょう。うーんモーターだけで走り出すのでとても静か。通常はEVとして動き、充電容量が減ってくるとエンジンがかかって発電するシリーズハイブリッドになります。強めにアクセルを踏んだ時にもエンジンがかかり、電力を供給します。
いっぽう高速巡行などエンジンの効率がいいときは、エンジンとタイヤが関連する状態になるんですが、加速時はエンジンとモーターが協調制御され、パラレルハイブリッドのような状態。1台で3種類の走行モードをおいしくいただくことができる、実に欲張りな1台というわけです。
PHEVだけが魅力ではありません。このクルマには三菱が誇る4WDの電子制御技術がフル投入されています。S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)という機構を採用することで、「前後トルク配分」「後輪左右のトルク配分」「4輪のブレーキ制御」などを高度に関連させてコントロール。その結果、状況に応じて最適な駆動力、制動力を発揮できるというわけです。
PHEVモデルだけの「ターマック」モードを試してみましょう。後輪の駆動力を高めて、コーナーではリアから蹴り出してくれるような気持ちのいいコーナリングができます! パワーを供給するためエンジンがかかる頻度も高まって、面白い! このターマックモード、エクリプスクロスPHEVをランエボ化するモードといっても過言でもないかもしれません!
スタイリッシュな内外装と広い荷室空間、静かで速い実力も持ったうえに、ターマックモードにすればスポーツ走行も楽しめる。エクリプスクロスPHEVは、高性能全部載せの特盛車でした!
(撮影:ウナ丼/文:clicccar編集部)