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■運転で得意な技能と苦手な技能をアンケート調査
クルマの運転では人によって得意な技能と苦手と思う技能は様々ですが、時間貸し駐車場「タイムズ」などを運営するパーク24の調査では、特に「駐車」に関して、得意と思う人と苦手と感じる人の数が、それぞれ最多となる結果が出ました。
また、自分の駐車テクニックが「上手い」と思う人と、「上手くない」と思う人では、駐車時に何を目印にするのかが違うことも分かりました。
「人のふり見て我がふり直せ」ではないですが、多くの人が自分の運転テクニックについてどう思っているのかや、実際にどうしているのかについてご紹介します。
●週に1回以上運転する人の約3割が上手いと認識
「運転テクニック」に関するアンケートと題した今回の調査。対象となったのは、パーク24が展開するドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員で、駐車場やカーシェア、レンタカー等のクルマに関わるサービスを利用した人5051人です。なお、調査は非公開のインターネットにより、2020年9月1日〜9月7日の期間に行われました。
それによると、まず「ご自身のクルマの運転は上手いと思いますか?」といった質問に対し、「上手い」(「とても上手いと思う」「まあ上手いと思う」)と思う人は27%で、16%が「上手ではない」(「あまり上手でない」「上手ではない」)と認識していることがわかりました。
また、クルマの運転頻度別に見ると、「週に1回以上」運転をしている人の約3割が自身の運転について「上手い」と回答。運転する機会が多い人ほど、自分の技能に自信がある傾向のようです。
アンケートでは、「得意・苦手な技能」についても質問しています。
結果は、得意な技能で最多は「駐車」の24%、次いで「車線変更」23%、「左折」21%となっています。一方で、苦手な技能は、「駐車」29%、「バック」26%、「合流」19%の順で多く、前述の通り、得意・苦手ともに「駐車」がトップとなっています。
●運転に自信がない人が最も苦手なことは?
調査では、さらに自身の運転を「上手い」と回答した人と、「上手ではない」と回答したそれぞれに、運転技能で得意なものと不得意なものも聞いています。
その結果、自身の運転を「上手い」と回答した人の得意な技能は、1位「駐車」50%、2位「車線変更」47%、3位「合流」39%に。また、苦手な技能は「ない」が半数以上を占めています。
一方、「上手ではない」と回答した人は、76%が得意な技能は「ない」と回答。また「左折」を除く全ての技能で「苦手」が「得意」を上回っており、苦手な技能は「駐車」が65%でダントツの1位に。2位は「バック」の49%、3位は「合流」の40%が続きます。
これら結果により、自分の運転を上手くないと思う人の多くが、後方を確認しながらの動きに対する苦手意識が高いことが伺えます。
●駐車が得意な人は何を目印にするのか?
さらにアンケートでは「駐車場でクルマをとめる際、目印にしているもの」についても質問しています。結果は1位が「駐車場の枠線」55%、2位「隣のクルマ」27%、3位「モニター映像」15%でした。
これを駐車が得意な人と苦手な人で比較すると、得意な人の59%は「駐車場の枠線」を目印にしており、苦手な人を10ポイント上回りました。一方で、苦手な人は「モニター映像」で確認をする人が22%で、得意な人より13ポイント高くなっています。
ちなみに、筆者の場合、そんなに運転が上手いとも思っていませんが、バックで駐車する時に目印にするのはやはり「駐車場の枠線」ですね。ドアミラーやバックミラー、駐車場の広さに余裕がある場合はドアを開くかウインドウを開けて、枠線を目印にしながら後方確認をしています。
もちろん、愛車にはバックモニターも付いていて、車体後方を映すナビのモニターには車多幅を示す枠線も出るため、それを見ながら駐車場の枠線と合わせることも可能です。ですが昔からのクセで、ついつい目視でやってしまいますね。
いずれにしろ、今回の調査では、自分の運転が「上手い」と思う人の約半数が得意と思う「駐車」が、運転が「上手くない」と思っている人にとって最も苦手な技能でもあるという、非常に興味深い結果が出ました。
もっとも、日本の場合は駐車場にバックで入れるのが基本ですが、アメリカのように前向き駐車が多い国ではまた結果も変わるでしょう(日本も郊外にあるコンビニの駐車場など、一部は前向き駐車ですが、まだまだ少数)。
また、最近のクルマには、バックする際に障害物があると警報が鳴ったり、自動でブレーキがかかるシステムを装備したモデルも増えています。中には、トヨタのヤリスに装備された「アドバンストパーク」のように、クルマがほとんど自動で駐車を行ってくれるシステムも増えて来ました。
こういった最新機能が普及してくれば、駐車に対し苦手意識を持つ人はもっと少なくなっていくかもしれませんね。
(文:平塚直樹 *写真は全てイメージです)