1000馬力のGRヤリス!キャロッセ・クスコのドリフトとラリーマシンに注目!!【東京オートサロン2021】

■CUSCO GR SUPRA FORMURA D/CUSCO GR YARIS FORMURA D/CUSCO TOYOTA GR YARiS 【キャロッセ】

ラリー界の巨星「キャロッセ」が展開するブランドがクスコです。今回の東京オートサロン2021にはトヨタGRブランドベースの3車を出展しました。

まずはドリフト車2台を紹介しましょう。

CUSCO GR SUPRA FORMURA Dフロントスタイル
CUSCO GR SUPRA FORMURA Dのフロントスタイル
CUSCO GR SUPRA FORMURA D リヤスタイル
CUSCO GR SUPRA FORMURA Dのリヤスタイル

CUSCO GR SUPRA FORMURA Dは2020年のフォーミュラドリフトジャパンで草場祐介選手がドライブしたマシンです。

エンジンは2JZ-GTEでHKSの3.4リットルキットを組み込み、トラストT88-H38GK、DEATSCHWERKSの1200ccインジェクター、フジツボマフラーなどを組み合わせて1000馬力を発生します。

迫力のボディは橋本コーポレーションのPANDEMエアロキットが用いられています。ホイールはプロドライブのGC-012Lでフロントが19×10.5J-30mm、リヤが19×11.5J-25mm。タイヤはブリヂストン・ポテンザRE71RSで、フロントが255/35R19、リヤが285/35R19となります。

CUSCO GR SUPRA FORMURA Dエンジン
3.4リットルにスープアップされた2JZエンジンを搭載
CUSCO GR SUPRA FORMURA Dタイヤ
プロドライブホイールとポテンザの組み合わせを採用するCUSCO GR SUPRA FORMURA D
CUSCO GR SUPRA FORMURA D フロントサス
CUSCO GR SUPRA FORMURA Dのフロントサス。ロードモデルでは見られないストラットの配置


CUSCO GR YARIS FORMURA Dは水原亜利沙選手がドライブするマシンで、2020MSC Challenge Rd.5(日光サーキット)に参戦しています。

GRヤリスは横置きエンジンの4WDモデルですが、このマシンはCUSCO GR SUPRA FORMURA Dと同様の3.4リットル2JZ(もちろん1000馬力)を搭載、FR化しています。

CUSCO GR YARIS FORMURA D フロントスタイル
CUSCO GR YARIS FORMURA Dのフロントスタイル
CUSCO GR YARIS FORMURA Dリヤスタイル
CUSCO GR YARIS FORMURA Dのリヤスタイル

CUSCO GR YARIS FORMURA DはヤリスRZベースです。基本のパーツ構成はCUSCO GR SUPRA FORMURA Dと同様ですが、ホイールはエンケイのPF09でフロントが18×9.0J+30mm、リヤが18×9.5J+15mm。タイヤがダンロップ・ディレッツァとなりフロントが248/40R18、リヤが265/35R18となります。

ドリフトマシンに使われているパーツの多くは競技専用となりますが、こうした競技を通じてさまざまなパーツ開発を行うのがキャロッセの強み。

ドリフトマシンに欠かせないフロントのタイヤ切れ角を増す「ドリフトアングルキット(テンションロッド、ロアアーム、アップライト、タイロッド)」のS13、S14、S15用が近々発売予定とのこと。もちろんこれらは競技専用パーツです。

CUSCO GR YARIS FORMURA D フロントタイヤ
常識外の切れ角を持つドリフト車。S13〜S15までのドリフトアングルキットが開発注だ
CUSCO GR YARIS FORMURA Dエンジン
CUSCO GR SUPRA FORMURA Dと同じ1000馬力の2JZエンジンを搭載
CUSCO GR YARIS FORMURA Dラジエター
ラジエターは後方に移動。空気導入口はサイドになる。その理由はドリフト中は横からエアを入れたほうが効率がいいからだ


CUSCO TOYOTA GR YARiSはヤリスRZ用のパーツを装着したモデル。ラリーでの使用を前提に開発されたGRヤリスだけに、キャロッセとしてはもっとも得意とする分野のクルマということになります。こちらは公道での使用を前提に開発されたパーツを装着しています。

CUSCO TOYOTA GR YARiSフロントスタイル
CUSCO TOYOTA GR YARiSのフロントスタイル
CUSCO TOYOTA GR YARiSリヤスタイル
CUSCO TOYOTA GR YARiSのリヤスタイル

サスペンションキットはクスコストリートゼロAで、純正に比べてフロントの車高がマイナス30mm、リヤがマイナス25mmとなる設定。スプリングレートは前後ともに6kg/mmとなります。

スタビライザーはフロントがφ25、リヤがφ23で共に中実タイプ、レート比はフロントが135%、リヤが138%。ストラットバーは前後共にアルミのオーバルシャフトタイプが装着されます。

フロア面側に装着しボディの補強を行うパワーブレースは、フロントメンバー用(前後)、リヤエンド、シートレールプラスを装備します。現在装着されているサスペンションキットはキャンバー固定式のベーシックタイプですが、フロントピロアッパータイプ、前後ピロアッパータイプ、フロントキャンバー調整タイプなども次々に発売されていく予定となっています。

CUSCO TOYOTA GR YARiSけん引フック(前)
CUSCO TOYOTA GR YARiSのけん引フック(前)。リヤ用も同様のスタイルのものが用意される
CUSCO TOYOTA GR YARiSストラットバー
CUSCO TOYOTA GR YARiSストラットバー(前)
ウェルパインモータースポーツのリヤウイング
WRCに参戦モデルを彷彿とさせるウェルパインモータースポーツのリヤウイング

キャロッセ出展車イメージ
●キャロッセ/CUSCO GR SUPRA FORMURA D/CUSCO GR YARIS FORMURA D
ベース車両メーカー(トヨタGRスープラ/トヨタGRヤリスRZ)/装着パーツなど:2JZ-GTE(HKSキャパシティアップグレードキット、3.4リットルキット)換装、トラストT88-H38GK、DEATSCHWERKSの1200ccインジェクター、フジツボマフラー、SADEVシーケンシャル6速、SIKKYデフ、クスコLSD、クスコ・ショックアブソーバー、クスコ・スプリング、クスコ・アングルキット、ウインマックスブレーキ、プロドライブGC-012L(ホイール@スープラ)、ENKEI PF09(ホイール@ヤリス)、ブリヂストン・ポテンザRE71S(タイヤ@スープラ)、ダンロップ・ディレッツァZIII(タイヤ@ヤリス)

●キャロッセ/CUSCO TOYOTA GR YARiS
ベース車両メーカー(トヨタGRヤリスRZ)/装着パーツなど:クスコストリートゼロA(サスキット)、クスコスタビライザー(前後)、クスコストラットバー(前後)、クスコパワーブレース(フロントメンバー前後、リヤエンド、シートレールプラス)、ブリヂストン・ポテンザRE71RS(235/40R18)、エンケイレーシングGTC02(18×9.0J+42mm)、クスコスポーツアクセルペダル、クスコ可倒式けん引フック(前後)、ウェルパインモータースポーツ・リヤウイング

(文・写真:諸星 陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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