SPOONのサンダーヒル25時間耐久レース参戦用新型N-ONEと記念碑的NSX【東京オートサロン2021】

■SPOON N-ONE/SPOON NSX【SPOON(スプーン)】

ホンダ車のチューニングで知られるスプーンは、世界最長のサンダーヒル25時間耐久レースへの出場を前提にしたN-ONEと、かつてさまざまなレースで活躍したNSXを出展しました。

スプーンN-ONEフロントスタイル
スプーンN-ONEのフロントスタイル
スプーンN-ONEリヤスタイル
スプーンN-ONEのリヤスタイル

N-ONEは納車されたばかりのクルマを使ってさまざまな開発を行っているとのこと。

もっとも注目なのは、リヤがドラムブレーキのN-ONEをディスク化しているところ。こう書くと簡単ですが、N-ONEは電動パーキングブレーキを使っているモデルなので、単純にリヤディスクブレーキを装着すればいいというものではないとのこと。使われたパーツの詳細はまだ秘密ですが、ホンダ車の電動パーキングブレーキ付きのものを改造して装着しているようです。

スプーンN-ONEマフラー
オリジナルマフラーはサイド出し
スプーンN-ONEリヤブレーキ
リヤブレーキはディスクに変更されている

インテリアではバケットシートを新作しています。従来のバケットシートと同様のクッション幅を採用しているものの、肩まわりがそのままでは軽自動車に装着できないとのことで、肩まわりをナロー化する設計が行われています。

足まわりにはもちろんリジカラをインストール。ボディ関連ではグリルまわりを変更し、冷却効率を向上しています。

今後の予定としてはエンジン関係で、CPU、タービン、エアクリー、マフラーなどのパーツ開発中とのことです。サンダーヒル25時間耐久レースには660ccのままでトータルチューニングを行い、参戦をするとのことです。

スプーンN-ONEグリルまわり
グリルまわりはおなじみの手法で冷却性能を向上
スプーンN-ONEシート
バケットシートは軽自動車への装着も可能なようにショルダー幅を縮小

一方、NSXはスプーンが各種のレースで使用していたNSXのレーシングカーです。

この個体は実際に参戦していたモデルではなく、参戦中にTカー(スペアカー)として製作されたもの。レース参戦車は2018年の東京オートサロン期間中に開催されたBHオークションで1780万円で落札されています。N仕様のレーシングカーなので、ほぼノーマル。当時は3.5リットルエンジンを搭載していましたが、現状はノーマルの3.2リットルに戻されています。

スプーンNSXフロントスタイル

スプーンNSXリヤスタイル
スプーンNSXのリヤスタイル
スプーンNSXエンジン
エンジンは3.2リットルを搭載。キャッチタンクなどは付くが基本はノーマル
スプーンNSXマカオ
2009年のマカオグランプリ「マカオロードスポーツチャレンジ」に出場したスプーンのNSX

●株式会社スプーン/SPOON N-ONE/ベース車両メーカー(ホンダN-ONE)/装着パーツなど:レース用マフラー、スプーンプロトクラッチ&デフ、スプーンカーボンバケットシート、スプーンステアリング、SPOON FULL SPEC DAMPER KIT(プロト)、SPOON FULL MONOCOQUE CALIPER SET 4POT+REAR DISK BREAK KIT、ポテンザSW010ホイール(15×5J、+45mm)、ポテンザRE71RS(165/55R15)

●株式会社スプーン/SPOON NSX-R GT/ベース車両メーカー(ホンダNSX)装着パーツなど:エアロパーツ:NSX-R GT Front/RearBumper、ホイール:SPOON SW388(フロント:17× 8.5J+55mm、リヤ;17×9.5J+60mm)、タイヤ:POTENZA RE71RS(フロント:215/40R17、リヤ:255/40R17)

(文・諸星 陽一/写真・金子 信敏、土屋 勇人、諸星 陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる