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■2位はブラック、グリーンやブルーも注目
アメリカのペイントメーカーである「アクサルタ」では、世界中で人気のボディカラーに関する調査を毎年実施していますが、その最新版である第68回「2020年度版世界自動車人気色調査報告書」を1月14日に発表しました。
この発表によると、世界市場で購入された新車のボディカラーのうち、1位が10年連続でホワイト、以下、ブラック、グレー、シルバーの順に続く計4色が81%を占めることに。また、日本では人気が高いシルバーよりも、世界的にはグレーの方が人気が高いほか、グリーンやブルーがトレンドになっていることなどが分かりました。
●グレーは全世界で2ポイント上昇
発表された調査報告によると、世界で人気があるボディカラーのトップ10は以下の通りです。
1位 ホワイト(38%・内、ソリッドホワイト27%、パールホワイト11%)
2位 ブラック(19%・内、ソリッドブラック5%、そのほかのブラック系14%)
3位 グレー(15%)
4位 シルバー(9%)
5位 ブルー(7%)
6位 レッド(5%)
7位 ブラウン/ベージュ(3%)
8位 イエロー/ゴールド(2%)
9位 グリーン(1%)
10位 そのほか(1%)
調査したアクサルタによると、ホワイトは、過去3年間、世界市場全体で38%を維持しており、10年連続で最も購入頻度の高いクルマのボディカラーとなったといいます。また、前述の通りホワイト以外ではブラック、グレー、シルバーが多く、これら4色が世界の路上を走るクルマのうち81%を占める結果となりました。
中でもグレーは、世界全体で2ポイント上昇した一方、シルバーは、すべての地域で減少動向が続いており、人気は9%と1桁にとどまっています。
また、グレーが人気である理由を同社では、シルバーよりも「現代的で高級感のある色と受け止められている」と分析しています。
加えて、グレーに「微小フレークによる色彩効果や少量添加される多彩なフレーク」が施されたカラーがあることも、人気が集まっている理由のひとつだと指摘しています。
●日本と他の国を比べてみると?
今回の調査結果を国・エリア別に見ても、確かにグレーの人気が高いところが多いことが分かります。
たとえば、ヨーロッパの場合、トップ5では、なんとグレーとホワイトが各25%ずつで同率1位、3位ブラック(21%)、4位ブルー(10%)で、シルバーは5位(9%)となっています。
また、北米では、1位ホワイト(30%)、2位はブラックとグレーが同率(19%)、4位はシルバーとブルーが同率(10%)で並んでいます。
さらに、世界で最もクルマが売れる中国では、1位ホワイト(57%)と2位ブラック(22%)が全体の79%で圧倒的。以下、3位グレー(6%)、4位イエロー/ゴールド(5%)、5位シルバー(3%)となっています。
なお、ほかの国・エリアでも、グレーはロシアやアフリカともに16%を占め、韓国でも22%でいずれも2位となるなど、シルバーを凌ぐ人気を誇ります。
このように、世界の自動車主要国では、シルバーよりグレーのクルマの方が多いようです。ところが、我が日本のトップ5は、1位ホワイト(35%)、2位ブラック(19%)、3位シルバー(11%)、4位ブルー(10%)、5位レッド(7%)。世界的に人気が高いグレーは6位(5%)で、依然としてシルバーの方がグレーよりも高い人気を誇っています。
日本では、昔からホワイトやブラックと並んで人気が高いボディカラーがシルバーです。人気の秘密は、ホワイトやブラックと比べて、傷や汚れが目立ちにくいことがよく挙げられています。特に、洗車を頻繁に行い、ちょっとした傷でも気にする人が多いと言われる日本人には、シルバーはもはや定番カラーのひとつだといえるでしょう。
なお、アクサルタによれば、そのほかのカラーで注目なのがグリーンとブルー。近年、特にグリーンブルーやグリーンイエローといった色合は、世界的なクルマのトレンドとして注目が集まっているそうで、これは「住居、ファッション、製品の最新トレンドと同調している」ことが主な要因だと同社は分析しています。
日本でも、最近、SUVタイプの軽自動車ダイハツ・タフトのように、アウトドアのテイストを強調するモデルなどでグリーンのボディカラーを採用し、なかなか好評のようです。また、ブルーもエコでクリーンなイメージを強調するため、たとえば日産ノートやトヨタ・プリウスなどのハイブリッドカーに多く採用されています。
そう考えるとクルマのボディカラーは、そのクルマのキャラクターや性能などを表現する上でも、重要なファクターのひとつだといえますね。
(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)