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■免許の更新時期が延長される場合がある
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、再び緊急事態宣言が1都3県に出されたほか、他のエリアでも同様の動きが出てきています(2021年1月12日現在)。
こんな事態ですから不要不急の外出を控えることは当然ですが、クルマ関係で気になることのひとつが「運転免許の更新」。仮に、新型コロナに感染したり感染の恐れがある時に、免許の更新時期が重なってしまったら、失効してしまうのでしょうか?
●更新期限の前に申請すれば3ヵ月間延長
警察庁では2020年12月7日に、新型コロナウイルスへの感染やその恐れを理由に運転免許証の通常の更新手続を受けることができない人や、更新期限が過ぎてしまった人に対する特例措置について、全国の公安委員会に通達を出しています。
まず、運転免許の更新時期が過ぎてしまいそうな人に対しての措置について。これは、2020年3月に出されたものから、対象者が拡大されたものです。
具体的には、免許証の更新期限が令和2年3月13日〜令和3年3月31日までの人が、新型コロナウイルスへの感染やその恐れがある場合、更新期限の前に運転免許センターや警察署などに申請することで、更新期限後3ヵ月間、運転および更新が可能になるというものです。
この特例措置の対象者は、2020年に更新期限をすでに延長した人であっても延長後の更新時期が上記期間内であれば、再度延長することが可能です。
ただし、延長後の更新期限までに、講習の受講や適正検査の受験など通常の更新手続きを行う必要があります。
●免許が失効しても再取得が可能な場合も
さらに、新型コロナの影響で、更新期限までに更新手続きを行えず、運転免許を失効させてしまった場合にも特例措置があります。
具体的には、運転免許の失効から3年以内、かつ新型コロナウイルス感染症の影響により手続を行うことが困難であると判断される状況が止んでから1ヵ月以内であれば、運転免許の再取得について学科試験・技能試験が免除されるというものです。
また、この場合、手続きの際に係員へその旨を伝えれば、通常の再取得に必要な手数料が減額されるといいます。
なお、運転免許の更新時期延長や再取得に関する手続きなどは、各都道府県で多少異なる場合もありますので、詳細は最寄りの公安員会にお尋ね下さい。
●うっかり失効は適用外になる
これら特例措置は、あくまで新型コロナウイルスに感染してしまった、感染の恐れがある場合の救済措置です。なので、最近多いといわれている「うっかり失効」は適用されませんのでご用心を。
特に元号が「令和」に変わってから、それ以前に発行されている免許証の場合は、有効期限が「平成35年」など平成のままの記載ですから、うっかり失効してしまう人が増えているといいます(令和になってからは、免許証の有効期限は西暦と元号の両方が記載されるようになりました)。
うっかり失効の場合は、そのまま運転してしまうと無免許運転と同じです。もし捕まると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い罰則が課せられます。
また、いわゆる赤切符が渡され、違反点数25点が加算されます。その場合、行政処分前歴がなく累積の違反点数が0点であっても、1発で欠格期間2年の免許取り消しとなってしまいます(前歴やすでに違反点数がある場合はさらに欠格期間が長くなります)。
ちなみに運転免許証の更新時期は、通常は自分の誕生日の前後1ヵ月間。うっかり失効なども含め、更新時期が過ぎてしまっても、6ヵ月以内に講習を受け適性検査に合格すれば、新しい運転免許証が交付されます。
また、有効期間が経過してから6ヵ月を経過し1年以内であれば、大型・中型・準中型・普通免許のいずれかを所持している時は、適性試験だけで仮免許証が交付されます。ただし、その後は自動車学校で仮免許コースを受講、または一発試験(運転免許試験場での直接試験)に合格しないと免許証は交付されません。
通常、運転免許の更新時期は、更新を知らせるハガキを自分の誕生日の40日前に公安員会が発送しますが、住所変更などを行っていない場合は届かないこともあります。
新型コロナへの感染予防は当然ですが、免許証の更新では、元号が変わったことなどによる、うっかり失効などにも十分注意しましょう。
(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)