控えめな見た目に反する超ハイパフォーマンス 【BMWアルピナB3リムジン試乗】

 ■パワフルで力強い走りと快適な乗り心地の両立

アルピナという名前を聞いたことがある人は多いことでしょう。そして、アルピナはBMWのチューニングカーだと思っている人も多いと思います。

しかし、それは違うのです。アルピナはBMWをベースとして完成車を製造している自動車メーカーで、ドイツ政府からも自動車製造業者として認められています。

アルピナB3フロントスタイル
若干のエアロパーツやロゴ、アクセントライン、ロゴなど程度しかベースのBMW3シリーズと変わらないスタイリング

今回試乗したモデルは、B3リムジンオールロードというモデルです。アルピナではセダンのことをオールロード、ワゴンのことをツーリングの名前で呼んでいます。搭載されるエンジンは462馬力/700Nmのスペックを誇る3リットル(2993cc)の直列6気筒です。

ベースとなっているBMWの3リットル直6が387馬力、500Nmで1リットルあたりの出力は100馬力を軽く超える129馬力ですが、B3は1リットルあたり154馬力にもなります。にも関わらず、見た目はじつに地味で特徴的なアクセントラインと、ホイールを除けばさほどBMW3シリーズと大きな違いは感じない控えめさです。

アルピナB3リヤスタイル
BMWのエンブレムはそのまま、ALPINAとB3のエンブレムが追加される
アルピナB3シャシーナンバー
BMWのシャシーナンバーを消して、アルピナのシャシーナンバーが新たに刻印されている

カタログデータによればゼロ発進加速で100km/h・3.8秒、最高速度は303km/hとなっています。どうでもいいことですが、スーパーカーブーム時代に世界最速と言われたフェラーリ365GT4BBのカタログ上最高速の302km/hを上まわる数値をセダンで公言しているのは、多感な少年時代をスーパーカーブームとともに過ごした筆者にとってはそれなりに衝撃的なのです。

アルピナB3エンジン
BITURBO(ビターボ)はツインターボの意味

4.4リットルの12気筒エンジンにキャブレターを組み合わせていた365GT4BBとは異なり、近代的なチューニングが施された3リットルツインターボは始動になんのテクニックも必要としません。スタートボタンを押せば、ただそれだけでエンジンは目を覚ましてくれます。

もちろん、ミッションもATでクラッチペダルを踏む必要もありません。

Dレンジを選んで走り出せば、近所のスーパーマーケットに買い物に行ったっておかしくない使いやすさを示します。しかし、高速道路にクルマを持ち込み、アクセルをグィっと踏み込むと世界は一変。力強い加速が始まり速度はグングンアップしていきます。ZFと共同開発した8速ATは、シームレスにそしてソリッド感あふれる変速をしていきます。

アルピナB3インパネ
アルピナステアリングなどを装備し、スポーティ感にあふれるインパネまわり
アルピナB3ホイール
19インチのホイール&タイヤ。このタイヤから、乗り心地のよさは想像できないほどいい

フロントに255/35ZR19、リヤも265/35ZR19という大径タイヤを履くアルピナB3ですが、その乗り味のよさは超一流です。

単純に速ければいい、コーナリングで求心Gが高ければいいというセッティングではないのです。確かにハンドリングは正確で、気持ちよく、必要とあればシャープで刺激的な乗り味を披露しますが、基本はゆったりと落ち着いているのです。

それはアルピナを求めるユーザーが、アウトバーンを快適にかつ高速に移動することを求めているからだといいます。せいぜい120km/hが最高速の日本では考えられないことですが、やり手のビジネスマンならアウトバーンを200km/hオーバーで走って移動。そしてミーティングは当たり前だといいます。

(文・写真:諸星 陽一)

アルピナB3フロントシート
タップリとしたサイドサポートを持つシート
アルピナB3トランク
トランクはBMW3シリーズと同じ。トランク側からリヤシートバックも倒せる
アルピナエンブレム
アルピナのエンブレムには、ウェーバーのツインチョークキャブとクランクシャフトがデザインされている
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