■VIPやビジネスエリートを癒やす22ウェイパワーシート
2020年11月にマイナーチェンジを受けたレクサスLSは、乗り心地や静粛性をより向上させています。同時に、新開発された低反発ウレタンパッドの採用により、振動吸収と柔らかな座り心地を実現させ、快適性を高めたのもトピックス。
短時間の試乗でマイナーチェンジ前と乗り比べたわけではありませんので、着座感の向上まではなかなか分かりませんでしたが、前席シートは座面、背もたれ共に大きく、郊外路でのコーナリング程度であれば当然ながら身体が左右に振られるようなシーンもありません。
また、22ウェイ調整式リヤパワーシートには、ペルビックサポート機能付電動ランバーサポート、電動オットマン(伸縮機構付/後左席)、プリセットポジション(後左席)を用意。
さらに、丸1日レクサス各モデルの試乗を癒やしてくれた温感リラクゼーション機能も用意されます。こちらは、シートの背もたれと座面内のエアブラダー (空気袋) を膨張させることにより、乗員の背中から大腿部までを押圧。これにより、心身のリフレッシュができます。また、ショルダー部の最上段と腰部の下から2段目の2カ所に、専用ヒーターが配置されていて、温める時間と冷ます時間を繰り返す温度管理によってをリラクゼーションを促す機能も用意されます。
さらに、全身 (リフレッシュ、ストレッチ、シンプル) と部位別 (上半身、下半身、肩、腰) の計7コースから好みのリラクゼーションを選択できます。
サルーンの室内高、前後席共にシートサイズが大きいこともあり、アルファード/ヴェルファイアの「エグゼクティブラウンジシート」ほどの広さは感じませんが、この22ウェイパワーシートは、エアブラダー (空気袋) の膨張と収縮により、ランバー(腰椎)の前後上下、バックペルビス (腰後部) 、ショルダーの調整を行うニューマチック (空気式) システムとモーターを併用。シート全体で細やかな調整が可能になっています。
シートの角度調整は、乗降性が高まる乗降モードから、仮眠できそうなくらいリクライニングまで可能です。さらに、助手席シートスライドにより最大約1020mmものフットスペースが確保できます。そのほか、インパネの操作性も向上しています。ステアリングホイールとセンターコンソールのスイッチ類が黒で統一されたことで、視認性が向上し、質感向上にも寄与。また、冬場に重宝するシートヒーターとステアリングヒーターの操作画面を表示させるスイッチをセンターコンソールが追加されて使い勝手が高まっています。
マルチメディアシステムが今回新たにタッチディスプレイになり、操作感を向上。スマホ連携も強化されていて、「SmartDeviceLink」「Apple CarPlay」や「Android Auto」に対応し、iPhoneやAndroidのスマホを12.3インチタッチワイドディスプレイに連携することで、画面操作や音声操作が可能になっています。
ほかにも、デジタルインナーミラーに高解像度でより大きな9.6インチディスプレイが用意され、後方の視認性が高まっています。
(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)