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■レクサスから「銀影ラスター・ソニックイリジウム」とシルバーの新色が登場
●シルバーは無難な色ではなく積極的に選ぶ色へ
2020年11月5日と19日にそれぞれマイナーチェンジをしたレクサスISとLSには、新たなシルバー系のボディカラーが設定されています。
ボディカラーの中では「無難」と言われるシルバー系の塗色をレクサスは多彩に展開し、これまでにも様々なシルバーを作り上げてきました。最新の技術をふんだんに使い、新しい世代のシルバーを提供していくレクサス、そのシルバーへのこだわりを考えていきます。
●LSのオプション色「銀影ラスター」が話題だが、ISの標準色「ソニックイリジウム」もカッコいい。
2020年11月にレクサスのセダン2車種のマイナーチェンジが行われ、フラッグシップセダンのLSに設定された新色「銀影ラスター」が大きな話題となっています。
「銀影ラスター」は、レクサスが追い求める究極の金属質感のシルバーと位置づけ、1ミクロンという薄膜蒸着アルミによって、滑らかで強い金属反射を実現したシルバー塗色です。全車にメーカーオプションとして設定され、オプション金額は33万円(税込)です。
LSとほぼ同時期にマイナーチェンジを受けたISにも、新色のシルバーが設定されています。それが「ソニックイリジウム」です。
希少金属のイリジウムからインスピレーションを受けた高輝度のシルバーカラーとなっています。ハイライトとシェードのハイコントラストが特徴的で、新型ISのエッジの効いたボディラインの中に美しい陰影を作り出し、ボディのプレスライン一つ一つを一層際立たせています。
特に、新型ISのCピラーからラゲッジルームにおける絞り込んだ立体形状の「寄絞り工法」を、最も美しく見せる色の一つになっているのではないでしょうか。ソニックイリジウムは、これまでのシルバーではうまく表現できなかった光と影を強く印象付ける、新世代のシルバー色と言えるでしょう。
なお、ソニックイリジウムはLSにも標準色として設定されています。
●カタログ表紙のほとんどが、シルバーカラーのレクサスになる
1989年に北米でブランドが創設されたレクサスは、2005年には日本国内でもブランド展開を始めました。当初のレクサスは「ゴールド」を基調としたブランドロゴでしたが、2013年までにプラチナ調へカラーチェンジしています。
ほぼ時期を同じくして2012年に発表されたGSからスピンドルグリルが採用され、カタログデザインが順次刷新されました。ヘッドライトを中心にした構図から、車両に正対しスピンドルグリルを中心にして、ボディ正面から車体全体を映し出す構図へと変更されます。表紙に使用されるボディカラーは、ほとんどの車種がシルバー系になり、レクサス=プラチナ(シルバー系)のイメージをより一層強くしました。
レクサスは、現在でもシルバーカラーが大切に育てられている自動車ブランドの一つとなっています。
●レクサスのシルバーカラーの歴史
現在までのレクサスラインナップには、様々なシルバー色が用意されていました。
国内導入時から取り扱いのあるGSに設定されたのが「プレミアムシルバー(1F2)」です。その後、HSやRX、2代目ISなどの多くのレクサス車に設定されたシルバーが「プラチナムシルバーメタリック(1J4)」、同時期にメタリックよりも金属味を増したシルバー系塗色の「ソニックチタニウム(1J7)」がデビューします。このソニックチタニウムにも使用されているソニック技術が、現在もレクサスのホワイト、グレー、シルバー系の各塗色に使用される重要な技術です。
レクサス独自の塗装技術「ソニック技術」は、色を表現する塗装膜をデザインと機能の2層構造に分けるのが特徴です。デザイン層を乾燥させて体積収縮させることで、マイカ粒子の並びを整え、滑らかな質感と強い反射による陰影を実現しています。
現在ではプラチナムシルバーに変わって「ソニックシルバー(1J2)」を採用する車種が増えてきており、今回新色として登場した「ソニックイリジウム(1L2)」にもソニック技術が使われています。そして、LSに採用された新たなシルバーカラーの「銀影ラスター(1L3)」が登場しました。
塗装技術の進化により、陰影や反射感を表現するのが難しいとされていたシルバーカラーで、見事に陰影や金属感を表現するレクサスは、シルバーカラーの無難というイメージを大きく変えようとしています。
レクサスだからこその美しさを、より感じられるシルバーを積極的に選んでみてはいかがでしょうか。
(文・写真:佐々木 亘)