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■FR化に伴い、FC関連部品のレイアウトを大幅に見直し
トヨタ自動車が2020年12月9日に発表した2代目となるFCV「ミライ(MIRAI)」。
「SILENT DYNAMISM」をデザインコンセプトに、クーペを思わせる低く伸びやかなシルエットを特徴としています。
車高を下げ、全幅を広げたことにより、初代ミライと打って変わり、その外観は言われなければFCV(燃料電池車)と判別できない、スポーティ・セダン然としたスタイリングでまとめられています。
駆動方式がFFだった初代モデルに対し、新型では後輪駆動のFR仕様に変更されており、水素タンクをセンターフロアのトンネル内に1本、後席下とトランク下に各1本の計3本搭載。
加えてFR化に伴い、これまでガソリン車のエンジンルームに相当する位置に搭載されていた駆動用モーターを車両後部に移動させており、フロントシート下に設置されていたFCスタックをエンジンルームに設置することで、前後50:50の理想的な重量配分を実現しています。
新型ではボディサイズが全長4,975(+85)×全幅1,885(+70)×全高1,470mm(-65)、ホイールベース2,920mm(+140)と、初代モデル比でそれぞれ拡大していますが、逆に全高は前述のFCスタックなど関連部品のレイアウト変更により、大幅に低くなっており、これがスポーティなエクステリア実現に寄与しています。
●上級FRモデル用プラットフォームを採用、上質で余裕のある走り
新型では初代ミライのFF用「MC」プラットフォームに代わり、レクサスLSなど上級FRモデルに使用している「GA-L」プラットフォームを採用。同プラットフォームは新型ミライのFR化を考慮し、予めFC関連部品のレイアウト変更に備えられていたそうです。
FCシステムについても一新されており、FCスタックの出力アップ(155ps→174ps)や、発進から最高速度まで途切れなくパワーをもたらす高出力モーター(182ps/30.6kgm)の採用により、最高速度は175km/hに達する実力を持っています。
前後重量バランスの向上や低重心化により、コーナーリング時のハンドリング性能が大幅に向上しており、電動車ならではの静粛性やアクセルレスポンスの向上により、長距離走行でも快適なドライビングが楽しめると言います。
インテリアではインパネに12.3インチのタッチセンサー付きワイドディスプレイやデジタルルームミラーを装備しているほか、未来感覚を演出するギミックな機能「ASC(アクティブ・サウンド・コントロール)」がアクセル操作に連動して宇宙的な人工音を発するなど、静粛性の高さからくる眠気防止への配慮も盛り込まれています。また、ホイールベースの延長により、後席の足元空間にゆとりが出来ているのも美点。
●充填時間は僅か3分!水素搭載量アップで航続距離が30%増の850kmに!
FCVの燃料である水素は自然エネルギー系との相性が良く、走行時にCO2の代わりに水を排出するだけなのに加え、新型「ミライ」では発電のために吸い込んだ空気を特殊フィルターで空気中の汚染物質を除去し、より綺麗な空気を排出することが可能で、その状況は「エア ピュリフィケーション メーター」により視覚的に把握できます。
また、FCVは水素充填時間が非常に短く、EVの場合、急速充電でも1時間程度を要しますが、僅か3分で3本の車載水素タンクに5.6kgの水素を充填可能。新型では水素満タン時の航続距離が約850km(+200km)に拡大しており、ガソリン車顔負けの余裕の有るロングドライブを可能にしています。
●充実の安全装備に加え、外部給電機能を装備
先進安全機能も充実しており、最新版の「Toyota Safety Sense」を搭載。歩行者や自転車を検知するプリクラッシュセーフティ、車線維持を支援するレーントレーシングアシスト、全車速追従機能付レーダークルーズコントロール、パノラミックビューモニター付自動駐車支援システム「アドバンスト パーク」などを搭載しています。また、先進の安全機能に加えて、災害時に役立つ外部給電機能も装備。
●気になる車両価格は710万円から
初代ミライ(定員4名)はワングレード(741万円)でしたが、新型ミライ(定員5名)はベースグレードの「G」(710万円)と上級グレードの「Z」(790万円)の2系統が設定されており、それぞれにパッケージ仕様が用意されています。
【新型ミライ・バリエーション&価格】
G 710万円
G Aパッケージ 735万円
G エグゼクティブパッケージ 755万円
Z 790万円
Z エグゼクティブパッケージ 805万円
ベースとなる「G」グレードの場合、エコカー減税、環境性能割、グリーン化特例、CEV補助金などにより、約140万円が優遇され、実質570万円で購入可能。
トヨタのセダンの中でもトップクラスの上質さを兼ね備え、約1万台の販売に留まった初代と異なり、量販を目指して登場した第2世代「ミライ」の市場反響が注目されます。
■主要諸元
新型トヨタミライ G エグゼクティブパッケージ(2020年12月9日発表・発売)
★寸法・重量など
●全長×全幅×全高:4975×1885×1470mm ●ホイールベース:2920mm ●トレッド前/後:1610/1605mm ●最低地上高:155mm ●車両重量: 1940kg ●乗車定員:5名 ●最小回転半径:5.8m ●タイヤサイズ:235/55R19
★FCスタック
●型式:FCB130(固体高分子形) ●最高出力:174ps
★燃料タンク
●燃料種類:圧縮水素 ●貯蔵方式:高圧タンク(3本) ●タンク容量:141(前方64+中52+後方25)
★モーター
●型式:3KM(交流同期電動機) ●定格出力:48.0kW ●最高出力:182ps/6940rpm ●最大トルク:30.6kgm/0-3267rpm
★駆動用バッテリー
●種類:リチウムイオン電池 ●容量:4.0Ah
★足まわり
●サスペンション 前/後:マルチリンク式/マルチリンク式 ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク ●駆動方式:2WD(後2輪駆動)
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【関連リンク】
新型 トヨタ MIRAI
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