定番は? モテ色は? 事故に遭いやすいのは? 後悔しないクルマのボディカラーを選ぶポイント

■ボディカラーを選ぶ6つのポイント

クルマ購入する際に、悩むことのひとつがボディカラー。

特に、最近は白やシルバー、黒といった定番カラーはもちろん、赤や黄といったカラフルな色や、軽自動車に多いボディとルーフを塗り分けた2トーン仕様など、様々なボディカラーが設定されています。

選択肢が多いだけに、クルマを選ぶ際には買った後に後悔しない色はどれかなど、色々と考えてしまいがちですよね(それが楽しかったりするのですが)。ここではボディカラーの選び方には、一体どんなポイントがあるのかを検証してみました。

●定番はやはり白、灰、黒

業界団体の自動車検査登録情報協会がまとめた統計データ「乗用車の塗色別保有台数」によると、2020年3月末現在で、日本で多いボディカラーのランキングは以下の通りです(保有台数3928万0408台中の割合)。

1位 白(48.33%)
2位 灰(25.71%)
3位 黒(10.07%)
4位 青(6.62%)
5位 赤(3.52%)
6位 茶(1.33%)
7位 緑(2.52%)
8位 黄(0.86%)
9位 紫(0.76%)
10位 橙(0.28%)
11位 そのほか(0.01%)

ご覧の通り、白が約半数を占めて圧倒的に多く、次いで灰、黒といった定番カラーといわれる色がトップ3となっています。愛車の色は「目立ち過ぎるよりも、定番の色を選びたい」といった人は、白系のボディカラーを選べば間違いないということです。

後悔しないためのクルマのボディカラーを選ぶポイント
ミニバンなどの大衆車をはいじめ、多くのモデルに白は設定されている(写真はトヨタ・ノア)

ちなみに、この傾向は日本だけでなく、世界的に同じようです。

アメリカのペイントメーカーであるアクサルタという企業が発表した「2019年版自動車人気色調査報告書」によると、世界市場における人気ボディカラーのトップ3は、白(38%)、黒(19%)、灰(13%)。日本とは黒と灰の順位が違いますが、これら3色が人気であることは同じです。

しかも、白は2011年から9年連続でトップの座を維持しているそうですから、まさに世界のスタンダードカラーといってもいいでしょう。

さらに、これらトップ3に銀(10%)を加えた4カラーで、世界市場の80%を占めているといいます。

定番カラーは、「他人と同じ色は嫌だ」などといった理由で抵抗を持つ人もいます。ですが、こういったデータを見れば、逆に「世界的に人気の色」といったポジティブな見方に変わるかもしれませんね。

●汚れや傷が目立ちにくい色は?

定番カラーの中で、白や黒は汚れや傷が目立ちやすいという欠点があります。特に、白は泥や水垢などが目立ちやすく、黄ばんで見えることも。また、黒は細かい傷なども目立ちやすい傾向にあります(赤や黄などの明るい色も同様)。

一方、灰は中間色のため、あまりその辺りは気になりません。前述した日本の人気カラーランキングで2位に入っているのも、そういった汚れや傷を気にする日本人の特性が影響しているのでしょう。

後悔しないためのクルマのボディカラーを選ぶポイント
2020年11月に一部改良を受けたトヨタ・クラウンに追加されたグレー系の新色プレシャスメタル

ほかにも、茶系やパステル系のボディカラーなら、汚れや傷が比較的目立ちにくい傾向にあります。

ちなみに、汚れや傷とは関係ないですが、定番カラーのうち白は、膨張色のため車体が大きく見える傾向があります。
また、黒は熱を吸収しやすい色のため、白と比べて夏は車内の温度が高くなりやすいといえます。

●イメージに合った色で選ぶ

ボディカラーは、デザインと同様に、クルマのイメージに大きな影響を与えるファクターのひとつです。

後悔しないためのクルマのボディカラーを選ぶポイント
新型LSに採用されたグラファイト・ブラック・ガラスフレーク。レクサスのフラッグシップモデルらしい高級感溢れるカラーだ

たとえば、白なら清潔感、黒や灰なら高級感、青や緑ならクリーンなイメージ。赤は情熱的な感じだったり、黄はレーシーな雰囲気など。

また、軽自動車に多いパステル系は、女性のドライバーや同乗者にも受け入れやすい雰囲気を出しやすい色調です。

最近はダイハツのタフトに採用されているカーキ色(フォレストカーキメタリック)のように、アウトドアをイメージした色調を採用したクルマも増えています。

後悔しないためのクルマのボディカラーを選ぶポイント
アウトドア感が高いカーキ色(フォレストカーキメタリック)を配色したダイハツ・タフト

愛車には、どんな色が自分のイメージとマッチするのか、また家族などにも受け入れてもらいやすい色など、いろいろと考えてみるのも面白いですね。

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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