大ブームの立役者もあえなく生産終了に! 令和になって「消えた名車」5選

●「クロカン」の代名詞だったパジェロ

令和時代に生産終了となった名車5選
三菱・パジェロ

1980年代~1990年代に、高いオフロード走行性能などで一世を風靡したクロスカントリーモデル、いわゆる「クロカン」。その代表的モデルのひとつ、三菱の「パジェロ」も2019年に国内販売向け仕様の生産が終了しました。

1982年に初代が登場したパジェロは、当時のRV(レクリエーショナル・ビークル)人気を背景に販売台数を大きく伸ばした本格的オフロード4WD車です。

1991年登場の2代目では、独自の4輪駆動システム「スーパーセレクト4WD」を採用。フルタイムとパートタイム両方式の長所をあわせ持つ世界初のシステムが大きな話題になりました。

1999年のモデルチェンジで登場した3代目では、車体を従来のラダーフレーム構造からビルトインフレーム構造のモノコックボディに変更。高剛性化と軽量化を両立。定評がある高次元のオフロード性能はもちろん、優れた操縦安定性や乗り心地の良さも実現したモデルでした。

2006年に発売された4代目が、国内販売向け仕様の最終モデルになります。高い実績を誇る4輪駆動システムのスーパーセレクト4WD-IIを採用したほか、新たにアクティブスタビリティ&トラクションコントロールなども装備。オフロード走行性能と乗用車並みの乗り心地といった、長年培った走りの良さにさらなる磨きをかけた仕様となっていました。

令和時代に生産終了となった名車5選
三菱・パジェロ Final Edition

三菱は、生産終了を発表した2019年4月に、パジェロの特別仕様車「FINAL EDITION」の発売も公表。人気オプションのルーフレールと電動ロングサンルーフを標準装備するなど、充実した装備を誇る仕様となっていました。

国内では、累計64万台以上(2019年3月時点)が販売されたパジェロ。まさに名車中の名車といえますが、やはり時代の流れには逆らえず、近年のSUV人気に押されるなどで販売が低迷。国内での37年もの長い歴史に幕を下ろしました。

ちなみに、パジェロ・ブランドには世界70カ国以上で販売している海外専用車種の本格オフロードSUV「パジェロスポーツ」もありますが、こちらも含め海外向けパジェロは、現在も多くの国々で販売されています。

●スバルの名エンジン搭載車も生産終了

令和時代に生産終了となった名車5選
スバルの名エンジン、EJ20型

スバル伝統の水平対向4気筒エンジン、ハイパワーと高回転まで一気に吹け上がる特性が魅力だった「EJ20型」エンジンが、やはり2019年に生産終了に。また、それに伴って、同エンジンを搭載した日本市場向け「WRX STI」も国内販売を終了しました。

令和時代に生産終了となった名車5選
EJ20をデビュー搭載した初代レガシィ(1989年)。写真は220psのRS。
そのRSに搭載された、当時のインタークーラー付ターボのEJ20G。

EJ20は、1989年に登場した初代レガシィをはじめ、幅広い車種に採用された排気量2.0L(1994cc)エンジンです。また、市販車だけでなく、世界ラリー選手権(WRC)やニュルブルクリンク24時間レースをはじめとするモータースポーツでも活躍。長年、スバルが誇る高性能エンジンの代名詞として多くの支持を受けてきました。

令和時代に生産終了となった名車5選
スバル・WRX STI EJ20 Final Edition(写真はプロトタイプ)

2019年10月、スバルはこの名エンジンの生産終了に合わせ、搭載するWRX STIに特別仕様車「EJ20 Final Edition」を設定し、限定555台で発売することを発表。同年開催の第46回東京モーターショーに車両出展され、多くのスバル・ファンなどから注目を集めました。

特別仕様車は、WRX STI タイプSをベースに、回転系パーツの重量公差・回転バランス公差を低減したバランスドエンジンを採用。

EJ20型エンジンの特長である高回転域まで吹け上がる気持ち良いエンジンフィーリングを、さらに磨き上げた仕様になっていました。

また、外装には世界ラリー選手権(WRC)で活躍したマシンを彷彿させるゴールド塗装のBBS製19インチ鍛造アルミホイールなどを装着。内装にはウルトラスエード巻きのステアリングなども採用。これらにより、EJ20型エンジン搭載車の最後を飾る、まさに集大成というべき特別な仕様となっていました。

(文:平塚直樹/写真:トヨタ自動車、三菱自動車、SUBARU)

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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