■おしゃれで可愛いジャパニーズ・イタリアン! ホンダ ジョルノ・デラックス
「ボン・ジョルノ(Buon Giorno)!」は、イタリアの町のあちこちでふだんからよく耳にする挨拶の言葉。もともとは「いい日ですね!」といった意味でしょうか。
イタリア語で「一日」「昼間」などを意味する「ジョルノ」という車名、おしゃれなイタリアン・スクーターのムードをまとった、この可愛いバイクにぴったりだと思いませんか?
現在、ジョルノには標準タイプのほかに、くまモンバージョンやジョルノ・スペシャル(期間限定モデルで受注期間は終了しています)、そして今回試乗したジョルノ・デラックスが用意されています。
ジョルノ・デラックスの特徴は、こだわりのボディカラー。オフホワイトのインナーカラーが生み出す軽やかさにくわえ、ボディサイドのストライプがラウンドシェイプにきりっとスパイスをきかせてくれています。
ジョルノの歴史は長く、初登場は1992年に遡ります。空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載したメットインタイプのスクーターとして華々しくデビューし、一躍街の人気者になりました。
戦後まもなく、商用車・実用車として日本モーターサイクル史に現れたスクーターでしたが、1976年にホンダが発売した50ccソフトバイクのロードパルが、通称「ラッタッタ」として人気を博したのを皮切りに、手軽な街の移動手段として日本中に普及しはじめました。
さらに1980年にホンダがスクータータイプのタクトを発売すると、またたく間に原付スクーターの大ブームが巻き起こります。初代ジョルノもこのムーブメントの中で、おしゃれで豪華なスクーターとして大歓迎されたのです。
ところが、2007年から始まった排ガス規制の強化が、排気量が小さくパワーにゆとりのない50ccスクーターを少しずつ苦しめはじめます。
ジョルノも2011年からはエンジンを4ストロークに変更。その後も綿密なアップデートを重ねながら現在まで生産され続けています。かつて簡単便利なバイクとして人々に受け入れられた原付スクーターは、今では高度な技術が生み出す環境性能の結晶ともいえるマシンとなっているのです。
初登場から30年近くが経ち中身はすっかり様変わりしたジョルノですが、くるんと丸くカバーされたボディの可愛らしさの魅力には、なんの変わりもありません。取材中に出会った方々、とくに女性からは、学生さんから年配の女性まで年齢を問わず「わあ可愛い!」「乗りたい!」「若いとき乗っていたのを思い出す」「どこか行きたくなる!」などとたくさんの熱いラブコールを集めていました。
ジョルノ・デラックスを前にして、わくわくと胸を躍らせている彼女たちの顔は、すっかり夢見るライダーの顔になっていました。原付免許や普通自動車免許があれば乗れるジョルノ・デラックスは、高性能な大排気量スーパースポーツにもけっして劣らない、特別な魅力をもつバイクなのかもしれませんね。
【ホンダ ジョルノ・デラックス 主要諸元】
全長×全幅×全高:1650mm×670mm×1035mm
シート高:720mm
エンジン種類:水冷4ストロークOHC単気筒
総排気量:49cc
最高出力/最大トルク:4.5ps/0.42kgm
燃料タンク容量:4.5L
タイヤ(前・後):80/100-10 46J
メーカー希望小売価格:20万3500円(税込)
(文:村上菜つみ 写真:高橋克也)
【関連リンク】
ジョルノ・デラックス Official Site
https://www.honda.co.jp/GIORNO/
村上菜つみさんがホンダ・ジョルノ・デラックスで出かけたツーリング記事は、月刊誌「モトチャンプ」2020年11月号(10月6日発売)に掲載されています。