GLBの良好な乗り心地は、ファミリー層からも支持を集めそう【新型メルセデス・ベンツGLA/GLB試乗】

■新型GLAとGLBのサイズの違いは?

メルセデス・ベンツGLB
新型メルセデス・ベンツGLBのエクステリア

3列シートSUVの新型メルセデス・ベンツGLBは、全長4650×全幅1845×全高1700mm、ホイールベースは2830mm。これは、新型GLAよりも235mm長く、全幅は10mmワイド、全高は80mm高く、ホイールベースは100mm長くなっています。

メルセデス・ベンツGLB
新型メルセデス・ベンツGLBのリヤビュー

両SUVともに「MFA2」と呼ぶモジュラープラットフォームを使って仕立てられていますが、GLBの方がより長く、全高も高いこともあり、GLCに近い車格感があります。

メルセデス・ベンツGLB
新型GLBのインパネ

メルセデス・ベンツのSUVで9モデル目となるGLBは、上記のようにややワイドであるのは間違いないものの、このサイズで3列シートSUVが手に入るとなると、興味を抱く人も多いはず。

なお、新型GLAは502万円の「GLA 200 d 4MATIC」の1グレード(2.0Lディーゼルのみ)。新型GLBには、2.0Lディーゼルを積む「GLB 200 d」なら512万円というグレードも用意されています。今回試乗したのは、2.0Lガソリンターボを積む696万円の「GLB 250 4MATIC Sports」です。

メルセデス・ベンツGLB
新型メルセデス・ベンツGLBのサードシート

3列シートSUVは一般的に、ミニバンのような低床設計、大開口部による高い乗降性を確保するのは難しく、GLBもその例に漏れません。身長171cmの筆者がサードシートに乗り降りするには、頭上にも足元にも注意を払い、大きく身体を屈める必要があります。身長171cmの私が3列目に収まると、頭上には手のひら1枚が残る程度。

足元は2列目のスライド位置によるものの、2列目の座面下に一応足が入りますので2列目を後ろに下げても、姿勢はある程度変えることができます。チャイルドシート、ジュニアシートが不要になった子どもや、小柄な方であれば、乗降性は別として「使えるシート」にはなっています。筆者にとっては、近所のファミレスに行く程度の非常用なら許容できる印象です。

また、3列シートSUVとはいえ、普段は3列目を格納して1列目と2列目に乗るという使い方が多いと思われるGLB。身長171cmの筆者が運転姿勢を決めた後ろの席には、2列目のスライドを最後端にすると、膝前にこぶしが縦に2つ半、頭上に手の平2枚ほどの余裕が残ります。

メルセデス・ベンツGLB
GLBのセカンドシート

2列目は1列目よりも高い位置に座る印象で、前方視界はまずまず。シートサイズは、座面の前後長がやや短めに感じられますが、背もたれの天地高は十分に確保されています。

GLBはガソリンエンジン車に乗ったので、パワーユニットの違いは別にしてもゆったりとした乗り味が印象的です。「GLAとGLBで乗り心地がいいのは?」と聞かれれば、1台ずつ試乗した限りでは後者になります。サイズ(主にホイールベース)の違いや、GLBの方が50kg重くなる重量の差などによるものでしょうか。

より軽快なフットワークが美点の新型GLA、多人数乗車とゆったりした乗り味を実現している新型GLB。そのキャラは明確に違いが表れていて、どちらにするか多少は迷う方もいるかもしれませんが、食い合う心配はなさそう。それよりもGLBとGLCを比べる方も多くなるような気がします。

(文/写真 塚田勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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