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■様々な家電もOKの最新システムをチェック
最近のキャンピングカーは、エアコンや冷蔵庫、電子レンジやテレビなど、家電製品が充実したモデルも多くなってきました。
ですが、ちょっと心配なのがキャンプ場など出先の夜。キャンピングカーもクルマですから、バッテリーへの充電はエンジンが動いていないとできませんが、駐車中は基本的にエンジン停止がマナー。そのため、キャンピングカーには通常のバッテリーに加えて、電気製品などを使用するためのサブバッテリーが装備されていますが、それでも夜に大きな電力を使うエアコンなどの家電を使うと、バッテリーの電気が保つのか気になります。
そこで、最近では、ソーラパネルによる太陽光発電や、独自の給電システムなどを採用することで、エンジンを停止している夜間でも、安心して家電製品が使えるモデルも増えて来ました。ここでは、そんな家電対応ともいえるキャンピングカーを、東京キャンピングカーショー2020(9月19日〜9月21日・幕張メッセ)でチェックしてみました。
●独自のリチュウムイオンバッテリー採用
ケイワークスが製作するトヨタ・ハイエースがベースの「オーロラ エクスクルーシブ」には、ソーラーパネルとサブバッテリーにリチウムイオンタイプを組み合わせた独自のシステムを採用しています。
オーロラ エクスクルーシブは、屋根がせり上がることで居住・就寝スペースが広がるポップアップルーフを採用することで、乗車定員5名に対し、就寝定員3名を実現した高級モデルです。
注目は、リチウムイオンバッテリーを搭載する独自の「メビウスシステム」を採用していること。このシステムに270Wのソーラーパネルを組み合わせることで、エアコンをはじめ、多くの電気製品がエンジンを動かさなくても使えます。
たとえば、100AHバッテリー1個の場合で(1500W正弦波インバーター使用)、6畳用の家庭用エアコンが約3.5時間、電子レンジが約2時間、ポータブル冷蔵庫(18Lクラス)が約20時間など。オーロラ エクスクルーシブでは、3個の100AHサブバッテリーを搭載しているので、エアコンが約10.5時間も使えるのです。
リチウムイオンは、通常の鉛バッテリーと比べて、急速充電が可能なため充電時間が短いのが特徴。昼間のドライブと太陽光パネルにより、十分な充電量が可能です。また、重量が約1/2と軽く、充電サイクルも約4倍のため寿命が長いのも魅力です。ちなみに、このシステムはオーロラ エクスクルーシブに標準装備されています。
●大容量ソーラーパネル搭載の高級モデル
RVビッグフットが製作する「ACSエテルノノオクタービアM」には、160Wのソーラーパネル4枚を使い、合計640Wもの大容量のソーラーパネルを搭載した独自のシステムを採用しています。
マイクロバスの日野・リエッセⅡをベースにした、バスコンバージョンと呼ばれるタイプがこのモデル。常設のベッドルームやレザー製ソファを使った快適なダイネット、キッチンやクローゼットなど、豪華な装備が魅力の高級キャンピングカーです。
これに、大容量発電が可能なソーラーパネルをルーフ部に搭載することで、電子レンジや大型の冷蔵庫、テレビや音響システムなどを採用。消費電力が大きい家庭用エアコンも備えるなどで、快適な旅が楽しめる仕様になっています。
しかも、このソーラーパネルはオプションではなく標準装備。その分、展示車両の仕様で1395万2320円(税抜)とかなりいいお値段。これだけゴージャスなら当然ですけどね。
●軽自動車でもエアコンが使えるワケは?
車体が小さな軽キャンパーでは、搭載バッテリーも小型になるため、エアコンなど消費電力が大きい家電はなかなか使いづらいといえます。ところが、オートワンが製作する「給電くんPOPUPルーフ」には、はやりソーラパネルの搭載などでエアコンが標準装備されている上、オプションで電子レンジなども搭載が可能なのです。
スズキのエブリイをベースに、前述したケイワークスのキャンピングカーと同様、屋根がせり上がるポップアップルーフ仕様にしたこのモデル。屋根上に広いスペースが確保できることで、乗車定員4名全員が就寝できます。
ソーラーパネルはポップアップルーフ部に薄型の容量40Wタイプを搭載。55Aのサブバッテリーを採用し、電気を制御する大容量のインバーターなども装備することで、小型のエアコンが使える充電システムを採用しています。
軽キャンパーまでエアコンが使えるとは、なんて素敵な時代でしょうね。快適な旅を楽しむ装備が、今後もさらに進歩していくことに期待したいものです。
(文/写真:平塚直樹)