ポールは驚きのあのマシン!雨に翻弄されながらも順位が目まぐるしく変わった第4戦もてぎの予選【SUPER GT 2020】

■雨のタイヤチョイスで勝敗を分けた予選Q1

2020 AUTOBACS SUPER GT第4戦『FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE』の公式予選が9月12日に栃木県のツインリンクもてぎで行われました。この第4戦もコロナ禍の影響で無観客での開催となります。

RUNUP RIVAUX GT-R
RUNUP RIVAUX GT-R

GT300クラスのQ1は、これまでのランキング順でA組とB組の15台ずつの2組に分けられ、それぞれ10分間のアタックとなります。路面がドライであったA組では雨が本格的に降りだす前にタイムを出しておきたいと考えているようで、開始早々から積極的にアタックを繰り返します。そんな中、31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが1分48秒203をマーク。そしてランキングトップの11号車 GAINER TANAX GT-Rがこの第4戦ですでにリミット最大の100kgというウェイトハンディを積みながらもそれを感じさせない走りで1分47秒671を記録してトップに!2番手にはチェッカーギリギリにタイムをだした65号車 LEON PYRAMID AMG、3番手に31号車と続きました。360号車 RUNUP RIVAUX GT-R5番手でQ2に進出。

シンティアム・アップル・ロータス
シンティアム・アップル・ロータス

B組は縁石などがはっきりと濡れて見える程度に雨量が増えるなかで始まります。ほとんどのマシンがワイパーを動かしている状況で、各チームともにA組同様早めにタイムを出してQ2進出を狙いたいところです。このような路面状況でスリック勢の一台である2号車 シンティアム・アップル・ロータスが130Rでスピンでコースオフ! グラベルにタイヤを取られてストップ。これで赤旗中断となり、走行再開からは8分間のアタックになってしまいます。この中断中に61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTなどレインタイヤに交換するチームも現れ、3~4周目には続々とタイムが更新されていきます。この状況で1分51秒740をマークしたのは9号車 PACIFIC NAC D’station Vantage GT3。しかしチェッカー間際に96号車 K-tunes RC F GT3が1分51秒011でトップへ浮上。さらに244号車 たかのこの湯 RC F GT3がタイムを急激に伸ばして2番手となり、結局9号車は3番手となりました。

■本降りの雨の中で激しいバトルのQ2

GT500クラスのQ1を経てスタートしたGT300クラスのQ2ではふたたび雨足が強くなっていきます。各車とも当然レインタイヤ。そして時間がたつにつれて雨量が増えていきそうな気配の中で早めにアタックを開始するチームが多く、4周目には各車が一気にタイムを縮めていきます。

HOPPY Porsche
HOPPY Porsche

しかしそれはアタック合戦の様相となっていき特にラスト2周は360号車 RUNUP RIVAUX GT-R、SUBARU BRZ R&D SPORT、25号車 HOPPY Porsche、31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの4台がコントロールラインを通過する度にトップが変わるという激しさ。

TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT
TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT

その中、最後に1分48秒546というタイムで RUNUP RIVAUX GT-Rがポールポジションを獲得。予選2位はHOPPY Porsche。3番手には31号車のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTとなります。ウェイトハンデの多いランキング上位勢は完全に沈んでしまう結果となりました。

RUNUP RIVAUX GT-R
RUNUP RIVAUX GT-R

RUNUP RIVAUX GT-RのQ2をドライブした青木孝行選手は2001年のGT300チャンピオンで2009年以来10度目のポールポジションとなります。

RUNUP RIVAUX GT-Rのドライバーと監督
RUNUP RIVAUX GT-Rのドライバーと監督

決勝レースも降水確率は低いものの雨予報となっているツインリンクもてぎ。天候に翻弄されるのか、それともランキング上位勢が再び浮上してくるのでしょうか。興味の尽きない決勝レースは9月13日の13時から63周で行われます。

(写真:高橋秀彰、吉見幸夫 文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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