新型レヴォーグ最大の注目ドコロ・アイサイトXを清水和夫が試してみた「加減速も絶妙!」【SYE_X】

■高速道路限定、自動運転レベル2のハンズオフも可能!

●「まだ行っちゃダメ!」斜め後方車両をしっかり感知、電動パワステが車線変更させてくれない

アイサイトX
安全運転支援機能アイサイトがバージョンアップ、そのアイサイトXを体感してみましょう!

国際モータージャーナリスト・清水和夫さんは、20歳代にレオーネで参戦したラリー時代からスバルのスペシャリストだってことは皆さまご存じのとーり。長年のスバルとの付き合いの中、清水さんはスバル車の酸いも甘いもすべて知っているのです。

そんな清水さんから、スバルの新型レヴォーグ、その最大の注目ドコロである安全運転支援システム『アイサイトX』を実際に体感した際の動画が届きました。

「オレも後期高齢者…いつお世話になるか分からないしね」な~んて冗談半分で言っていますが、その凄さ、賢さを見てみましょう!

●悪天候でもしっかり見ている『アイサイトX』

アイサイトXと言えば今注目されている技術ですけど、今回かなり進化し、センサーの能力も上がったので、いろんな交通事故やリスクのユースケースに対応できるようになりました。

テスト日は雨
かえってテストには好都合?の雨です。ガスっていて白っぽいですが、カメラはしっかりと白線をキャッチしています。

基本はステレオカメラで前方を認識し、周りの状況判断をして加速したり減速したり、急ブレーキをかけたり、電動パワーステアリングで自動制御したり。もちろん、後方にも様々なセンサーを持っていますから、後ろから近づいてくるクルマを認識しますね。

今日は雨でガスっていて、人間が見た感じでは白線も薄くなっていますけど、カメラはしっかりレーンをトレースしていますね。

●高速道路限定のハンズオフOK! だけど要!前方監視

特にココはしっかり理解しておかないといけないのですが、アイサイトXは『高速道路限定』で、ドライバーの前方監視義務の中で手を離すハンズオフが可能です。

アイサイトXは高速道路専用の高精度な3Dマップを持っています。それがあることによって、高速道路のみで手を放して走ることが出来ます。また高速道路のみウインカーを出せば自動的に車線変更できる機能も備わっています。

こういった機能は、アイサイトXとなったことでシステムがバージョンアップし、新しい機能として追加されていますから、走れる地域は日本の高速道路、上り下り合わせて約6万kmほどの地図データを持っています。

●ETCでは自動的に20km/hまで減速

ETCゲート
ETCゲートでは20km/hまで自動で減速。

今はテストなので料金所をパイロンで設定し、ETCゲートに想定するデータを地図に入れています。一般の高速道路ですと、ETCゲートに来たら自動的に20km/hまで落としてくれます。

●高速道路での渋滞中のみハンズオフOK

ハンズオフ
高速道路限定でハンズオフが可能です。

インパネ内の路面がブルーになりました。これが「手を放していいよ!」という合図です。

でもドライバーは前方監視し安全運転義務があります。スマホなんか見ちゃ絶対にダメですよ! 定義で言うとまだレベル2の状態ですね。

●渋滞が徐々に解除、ここでハンズオン!

アイサイトXは、あくまでも『高速道路の渋滞』を想定してハンズオフ機能を実用化していますから、スピードが徐々に上がっていったときにはハンズオフ機能は解除されます。

ハンズオフ解除
前車が速度を上げ50km/hほどでハンズオフ機能は解除され、ステアリングを持つよう指示されます。

ACCでロックオンしている前のクルマが速度を上げると、コチラもつられてスピードが上がっていきます。でもまだハンズオフ。さて、50km/hを超えるとどーなるの?「ハンドルを操作してください!」とアラームが出ました。アラームが出たら両手でしっかりとハンドルを持ちましょう。

●車線変更もアイサイトXは見ています

自動車線変更
ウインカーを出して車線変更。が、後方にクルマをキャッチするとステアリングを操作しても自動で戻されます。

車線変更してみます。でも「右側にクルマが来ているから行っちゃだめよ!」とアラームが出ます。ステアリングを切ってみてもパワステで戻されます。

なるほど!

●減速テクニックが上手

ACC
ドライバーがブレーキを踏まなくても前車に合わせ減速、停止します。

ACC を80km/hに設定、前のクルマをロックオンしました。前のクルマがブレーキ! ボクはブレーキ踏んでいません、踏んでいません、踏んでませ~ん! はい、完全停止。

お、止まり方上手いね! スーッと止まりました。

●ドライバーの異常時には緊急停止

ドライバー緊急異常
気を失った、よそ見をしている…そんな場合は緊急自動停止します。

今、ハンズオフの状態です。この状態でドライバーがわき見運転していたり、なにか異常が起きて気を失っちゃったとしたら…! エマージェンシーの赤いランプが点き「ハンドル操作をしてください!」と出ました。クラクションを鳴らして緊急停止しましたね。

・・・・・・・・・

清水和夫さんのアイサイトX体験の後は、清水さんのSYE(スタート ユア エンジン)仲間であり、またVIDEO-OPTION CHANNEL(ビデオ オプション チャンネル)新車紹介担当でもある石井昌通さんによる新型レヴォーグの総括!へと続きます。

石井昌通さん
新型レヴォーグ総括は自動車ジャーナリスト・石井昌通さんです。

(試乗:清水 和夫・石井 昌通/動画:StartYourEnginesX)/アシスト:永光 やすの)

新型レヴォーグ諸元表
新型レヴォーグ諸元表

■SPECIFICATIONS
車名:スバル レヴォーグ GT/GT EX/GT-H/GT-H EX/STI Sport/STI Sport EX(EXグレード=アイサイトX/他グレード=アイサイト)
全長×全幅×全高mm:4755×1795×1500
ホイールベース mm:2670
トレッド F/R mm:1550/1545
車両重量 kg:1550 (GT/GT EX)/1570(GT-H/GT-H EX)/1580(STI Sport/STI Sport EX)
エンジン:CB18 水平対向4気筒 1.8L DOHC 16バルブ デュアルAVCS直噴ターボ”DIT”
排気量 cc:1795
最高出力kW(PS)/rpm:130(177)/5200~5600
最大トルクNm(kgf・m)/rpm:300(30.6)/1600~3600
トランスミッション:リニアトロニック(マニュアルモード付)
駆動方式:AWD(電子制御AWD)
サスペンション F/R:ストラット式独立懸架/ダブルウィッシュボーン式独立懸架
ブレーキ F/R共:ベンチレーテッドディスク(駐車ブレーキ:電気式)
タイヤサイズ F/R共:215/50R17 (GT/GT EX)/225/45R18(GT-H/GT-H EX/STI Sport/STI Sport EX)
車両本体価格(税込):-円(正式価格は未発表)

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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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