ターボ搭載で快感加速!  ホットな走りの最新コンパクト・ハッチバック・5選

■蘇るハイパワーなコンパクトハッチ

かつてターボエンジン搭載車は、ハイパワーなスポーツモデルの代名詞でした。なかでも、コンパクトカーのハッチバックモデルにターボを搭載したクルマは、ホンダのシティやダイハツのシャレード、日産のマーチなど、お手頃な価格と俊敏な走りなどで1980年代に大流行!

残念ながら、それらは排気ガス規制や需要の変化などにより、今では多くがラインアップから姿を消してしまいましたが、最近になって再びターボ搭載でスポーティな走りが楽しめるモデルが登場してきました。

今でこそ、軽自動車やミニバンなどにも搭載されているターボエンジン。でも、そういった大衆車とはひと味違う、ターボならではのハイパワーでスポーティな走りが持ち味の、コンパクトカーのハッチバック車を紹介しましょう。

●マツダ・MAZDA3 2.5ターボ

ホットな走りの最新コンパクト・ハッチバック
北米マツダが公開したMAZDA3 2.5ターボ

今年8月、北米マツダが2021年の発売を発表したのが、「MAZDA3」の2.5Lターボエンジン仕様です。

2019年のモデルチェンジで、アクセラから改名されたのがMAZDA3。ラインアップには、セダンとファストバック(5ドアハッチバック)があり、今回のターボ仕様はその両方に設定されます。

搭載されるエンジンは直列4気筒のターボで、すでに日本でも「MAZDA6」や「CX-5」「CX-8」に採用されています。スペックは、プレミアム(ハイオク)ガソリンで最高出力250ps/最大トルク434Nm、レギュラーガソリンでは最大出力227ps/最大トルク420Nmを発揮します。

また、全モデルにマツダ独自の4輪駆動システム「i-ACTIV AWD」を採用。このシステムは、ドライバーのステアリング操作に応じて後輪トルクをリニアに増加させることで、コーナー進入時のスムーズさを実現するもの。AWDならではの曲がりやすさと旋回安定性を両立するシステムです。

ホットな走りの最新コンパクト・ハッチバック
リヤスポイラーなどのエアロキットもオプション設定

エクステリアでは、ファストバックに2タイプのエアロキットがオプション設定されます。

まず、プレミアムプラスパッケージと呼ばれるオプションでは、フロントスポイラーやリヤスポイラーを用意。さらに、アップグレードキットでは、リヤディフューザーやサイドシルエクステンションも設定されており、これらはファストバックの全グレードに装着が可能です。

オプションにはBBS製18インチのグロスブラック鍛造ホイールもあり、足元の軽量化やスタイルアップも可能。これらにより、アグレッシブなMAZDA3のフォルムを、よりスポーティにすることができるのです。

価格は、北米でハッチバックが3万900ドル(約328万円)~3万3750ドル(約358万円)、セダンが2万9900ドル(約317万円)~3万2450ドル(約344万円)となっています。日本での発売についても、マツダが公式ホームページでMAZDA3 2.5ターボの特設サイトを設けていますから期待大!

前モデルのアクセラには、マツダスピードアクセラというスポーティグレードが設定されていただけに、MAZDA3のターボもかなりアクティブな走りが楽しめそうですね。

●トヨタ・GRヤリス

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トヨタ・GRヤリス
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リヤビューも戦闘的なGRヤリス

2020年2月のモデルチェンジで、トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」から車名を変更した「ヤリス」。その高性能モデルが「GRヤリス」です。

世界ラリー選手権(WRC)の参戦で培った技術やノウハウを結集したというこのモデル。ラインアップには、高出力モデルのRZと最上級グレードのRZ High performance、競技ベース用のRC、GRならではの走りが気軽に楽しめるRSを用意しています。

車体は、通常のヤリスが5ドアハッチなのに対し、GRヤリスではよりスポーティな3ドアハッチバックのボディを採用。専用のスポーツ4WDプラットフォームで高い剛性を確保しつつ、アルミ素材のエンジンフードやトランクリッド、ドアパネルなどに加え、CFRP(カーボン)素材のルーフパネルなどで軽量化も実現しています。

エンジンは、ノーマルのヤリスが1.0Lと1.5Lの3気筒なのに対し、GRヤリスでは新開発の1.6L・直列3気筒インタークーラーターボ(RSは1.5L・直列3気筒)を搭載します。最高出力は272ps・最大トルクは370Nm(RSは120sp/145Nm)を発揮。車両重量1250~1280kg(RSは1490kg)という軽い車体と相まって、鋭い加速などのハイパフォーマンスが期待できます。

また、RSを除く全グレードに、スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を採用し、走行状況に応じてノーマル/スポーツ/トラックといったモードが選択可能。専用のシートにステアリング、アルミ製ペダルなど、各部にスポーティなパーツを装備しているのも魅力です。

なお、2020年1月からWEBで予約を受け付けていた特別仕様車「ファーストエディション(「GR YARIS 1st Edition RZ」と「GR YARIS 1st Edition RZ “High performance”」)」はすでに予約受付が終了。正式ラインアップのRZとRZ High performance、RC、RSは9月に発売予定です。

●スズキ・スイフトスポーツ

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スズキ・スイフトスポーツ

スズキの3ドアハッチバック車がスイフトスポーツです。2003年に発売された初代から、高い走行性能とリーズナブルな価格が根強い人気を誇っているモデルです。

2017年に発売された現行の4代目では、それまでの5ナンバーサイズから3ナンバーサイズに車体を拡大(標準のスイフトは5ナンバーサイズ)。にもかかかわらず、軽量高剛性のプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用などで車両重量は970kgを実現。空力特性にも優れるスポーティなデザインと相まって、スポーティな走りが楽しめます。

ホットな走りの最新コンパクト・ハッチバック
1.4L・直列4気筒ターボエンジン

エンジンには1.4L・直列4気筒ターボを採用し、最高出力140ps、最大トルク230Nmものハイパワーを発揮します。しかも、燃料をシリンダー内に直接噴射する直噴システムを採用することで、WLTCモードの平均燃費で6速MT車が17.6km/L、6速AT車で16.6km/Lという優れた燃費性能も実現しています。

駆動方式は歴代モデル同様にFFのみ。価格は187万4400円からです。

●ルノー・メガーヌR.S. トロフィーR

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ルノー・メガーヌR.S. トロフィーR

輸入車には、ホットなコンパクトのハッチバック車が数多くありますが、中でも注目なのがルノーの「メガーヌR.S. トロフィーR」です。

このモデルは、2019年に世界一過酷なサーキットといわれるドイツのニュルブルクリンクで、7分40秒100という量産FF車最速タイムを記録(2019年4月現在)したモデルなのです。

ベースとなったのはメガーヌR.S. トロフィー。国内では2019年に発売されたこのモデルは、1.8Lの直列4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力300ps・最大トルク420Nmを発揮するスポーティな5ドアハッチバックです。トランスミッションには、6速AT仕様と6速MT仕様があります。

メガーヌR.S. トロフィーRでは、この優れたエンジン性能はそのままに、ルノーがF1を頂点とするモータースポーツで培ったノウハウや先進の技術を投入。サーキットのラップタイムを短縮することを目指し、徹底した軽量化とサスペンションを始めとするシャシー性能の向上、そして空力性能の大幅な向上を果たしたモデルです。

ホットな走りの最新コンパクト・ハッチバック
STANDARD VERSION – RED ALUMINIUM WHEEL RIMS AND BREMBO BRAKE

エクステリアでは、フロントバンパーボトムブレードやリヤディフューザーなどで空力特性を向上。エンジンフードのダクトにより、エンジンルーム内の効率的冷却も行うなど、レーシングマシンさながらの装備が施されています。

また、インテリアには、Sabelt製モノコックレーシングシートやトロフィーR専用アルカンタラステアリングなどを採用。運転席もレーシーな雰囲気が満点になっています。

なお、このモデルは、世界で500台のみ生産される限定モデルで、そのうち30台が軽量なカーボンホイールや、強力な制動力を持つカーボン・セラミックフロントブレーキディスクなどを装備した、エキスパートドライバー向けの「カーボン・セラミックパック」。

ただし、国内でカーボン・セラミックパック(価格949万円)は限定4台がすでに申込受付を終了。標準仕様も限定47台(価格689万円)で、ルノー・ジャポンの公式ホームページで申込を受け付けています。

●アバルト・595/595C エッセエッセ

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アバルト・595 エッセエッセ

アバルトは、1940年代にモータースポーツの世界で一世を風靡したカール・アバルトが設立した、サソリのエンブレムで有名なイタリアの自動車ブランド。現在はFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)グループに属しています。

主にフィアット車をチューニングしたスポーツカーを数多く輩出しているアバルトですが、その中で「595」は、フィアット「500」をベースにしたモデルです。全長3660mm×全幅1625mm×全高1505mmというコンパクトなボディを持ち、親しみやすい500のスタイルに比べ、アグレッシブな前後バンパーなどでスポーティな雰囲気を出しています。

その595には、チューニングの度合いによっていくつかのバリエーションがあり、その最高峰仕様が最高出力180psの1.4L・直4ターボエンジンを搭載した595コンペティツィオーネ。ここで紹介する「595/595C エッセエッセ」は、それをベースにさらなるチューンを施した限定モデルです。

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コンバーチブルモデルの595C エッセエッセ

エッセエッセ(esseesse)は、1963年に登場した595シリーズの原型「フィアット・アバルト595」に、さらなるチューンを施した「フィアット・アバルト595 SS」を由来とするモデル。車名の「esseesse(エッセエッセ)」は、「SS」をイタリア語読みしたもので、その名が示す通り、往年の「595 SS」同様、スポーツ性を高める排気系チューンやボディサイドのストライプを始めとする数々の専用アイテムが施されています。

マフラーには、ベース車に標準装備されるタイプとはひと味違う排気音を奏でるアクラポビッチ社製エキゾーストシステムを装備。ボディカラーには、かつての「595 SS」を彷彿とさせるGrigio Campovolo(グレー)を採用したほか、ホワイト仕上げの17インチアルミホイールやサイドストライプが現代的でレーシーなテイストも演出しています。

また、限定車には、3ドアハッチバック(595エッセエッセ)に加え、通常のベース車に設定がないカブリオレ(595C エッセエッセ)も用意。トランスミッションもATモード付き5速シーケンシャルトランスミッション(MTA)と5速マニュアルトランスミッション(MT)の2種類があり、好みの組み合わせが可能となっています。

価格は595エッセエッセが403万円(MT・110台限定)/420万円(MTA・60台限定)、595Cエッセエッセは426万円(MT・90台限定)/443万円(MTA・45台限定)です。

(文:平塚直樹/写真:トヨタ自動車、マツダ、スズキ、ルノー・ジャポン、FCAジャパン)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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