パイスラで大感激!新型レヴォーグはハンドリングマニアを唸らせること間違いなし【SUBARU LEVORG試乗】

■快適志向とスポーツ志向にキャラ変可能。レベチなプラットフォームが走りを支える

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11.6インチの大型インフォメーションディスプレイを採用したコクピット。ADAS機能も新世代に進化する

2019年の東京モーターショーにてフルモデルチェンジを発表したSUBARUのスポーツツアラー「レヴォーグ」。その発売を前にプロトタイプに試乗することができました。今回の、試乗ステージはクローズドな試験場に設定されたパイロンコース。レーンチェンジや定常円旋回、オフセットスラロームが用意されたコースを利用して、新型レヴォーグに採用される「ドライブモードセレクト」各モードの違いを味わうことが目的です。

これまでもスバル車にはSIドライブと呼ばれる、エンジンとトランスミッションの味つけを変えることのできる機能がついていましたが、新型レヴォーグのスポーティグレードであるSTI Sportの専用装備として用意される「ドライブモードセレクト」は、SIドライブに加えて、ステアリング、ダンパー、AWD、アイサイト、エアコンといった6項目について、それぞれ2~3種類の特性違いにセットすることで、その時々に合わせた好みの走りを選べるようになるというものです。

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スポーティグレードのSTI Sportには「ドライブモードセレクト」をスバル車として初採用。

具体的には、快適性重視のコンフォート・モードを選ぶと「SIドライブ:i」「ステアリング:コンフォート」「ダンパー:コンフォート」「AWD:ノーマル」「アイサイト:コンフォート」「エアコン:マイルド」という組み合わせになりますし、もっともスポーツ度の高いスポーツ+を選ぶと「SIドライブ:S#」「ステアリング:スポーツ」「ダンパー:スポーツ」「AWD:スポーツ」「アイサイト:ダイナミック」「エアコン:ノーマル」となります。

そのほか中間的なノーマルモードとスポーツモードがプリセットされているのに加え、完全に好みのセッティングができるインディビデュアルモード(最大5名分の登録が可能)も用意されるといった具合です。

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ドライブモードはコンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ+の4タイプを設定。エンジン、サスペンション、ステアリング、AWD制御などを個別にセットするモードも用意される。

今回のパイロンコースでは、高速道路でのレーンチェンジに近いシチュエーションや、つづら折りのワインディングのようなスラロームによって、特にダンパーとAWDのセッティング違いによる走りの変化を確認することができましたのでご報告します。

まず基本的な部分でいうと、新型レヴォーグのプラットフォームは、先代までとはまったく異なる、新世代のSGP(スバルグローバルプラットフォーム)になっています。しかも「インナーフレーム構造」を国内初採用。さらに、構造用接着剤の拡大や樹脂リンフォースの新採用することなどにより、インプレッサ系よりもボディ剛性をアップさせた土台を得ています。SGPの良さである四輪接地性の高さを、ボディがねじれるようなタイトコーナーでも存分に味わえるほどに進化しているのです。

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エンジンは完全新設計の水平対向4気筒ターボエンジン「CB18」型。総排気量は1795cc、最高出力130kW、最大トルク300Nm

さらにパワートレインも一新。エンジンはシリンダーピッチから異なる、完全新設計の「CB18」型水平対向4気筒ガソリン直噴ターボとなり、トランスミッションも新型リニアトロニック(CVT)となりました。AWD機構はACT-4と通称される伝統的なシステムですが、その制御をドライブモードセレクトにより切り替えられるというのは新チャレンジといえます。

というわけで、前置きが長くなりました。新型レヴォーグ(プロトタイプ)の初乗りは、コンフォートモードから始めます。

今回、試乗コースの都合によりタイヤスキール音をたてることはNGと指示があったので、様子を見ながら走ってみようというわけです。それはさておき、快適性に振ったというコンフォートモードの走りはいきなり好印象。たしかにロールは大きめに感じますが、その状態でもリアの後輪接地がしっかりと感じられるので安心感はあります。若干、リアの動きが遅れるような印象もありましたが、レーンチェンジで姿勢が乱れるという雰囲気はまったくありません。乗り心地重視ながら、ハンドリングをダルにしていません。つまり危険回避能力をスポイルせずに、快適なドライビングが楽しめるモードというわけです。

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新型レヴォーグ(プロトタイプ)のボディサイズは全長4755mm・全幅1795mm・全高1500mm。ホイールベースは2670mm

走り重視のセッティングといえる「スポーツ+」モードにすると、たしかに名に違わぬスポーティな走りに変身していることが確認できました。ステアリング操作に対するノーズの反応は鋭くなっていますし、ライン取りの自由度も増しています。また、ダンパーも単に減衰力をハードに切り替えているのではなく、状況に応じて減衰力をリアルタイムに調整しているよう。直進からのブレーキングではしっかりとノーズダイブして荷重移動を感じることができる一方、コーナリングでは外輪のロールを抑えているのを感じます。そのため「スポーツ+」を選んだからといって、低速域の乗り心地が硬くなっているような弊害もほとんど感じられません。

なにより大きなコーナーでアクセルを踏んでいったときに車体がインに切れ込んでいくような”駆動で曲がる”キャラクターになっているのは、いかにもスバルのAWDらしいと感じさせるところ。こうした挙動はAWDのモードをスポーツに切り替えている効果であることは間違いありません。

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パイロンの並べられた特設コースでスラロームを試す。「スポーツ+」モードのハンドリングはスポーツカーそのもの

その違いはどれほどあるのでしょうか。一例をあげると「スポーツ+」モードで走行直後に、コンフォートモードにして同じようなイメージでステアリング操作をして、パイロンスラロームを走るとラインを大きく外してしまうほどでした。それほどモード切り替えの効果は明らかで、異なるキャラクターのクルマに乗っているような気分になります。ドライブモードセレクトの開発コンセプトとして『高級車からスポーツカーまでの、複数のクルマ価値を、1台で併せ持つ』ことが目標だったといいますが、たしかに明確なキャラ変を体感することができました。

運転支援システムである「アイサイト」も進化する新型レヴォーグですが、やはりクルマというのは自分で操ってこそ楽しいというスバリストも多いことでしょう。シチュエーションや気分次第で愛車のキャラクターを変貌させることができる新型レヴォーグは、そうしたユーザーに新しいクルマの楽しみ方を提案してくれるニューモデルになるといえそうです。

(文:山本晋也/写真提供:SUBARU)

この記事の著者

山本晋也

山本晋也 近影
日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。