リースやレンタカーの実情。所有とレンタルどっちがいいのか?【クルマとお金:金融知識編】

●クルマを買うというスタイルがかわるのか、必要な時にだけクルマを使用するというカタチ

最近ではクルマを所有したときの保管場所や維持費などの問題が少なくなるため、必要に応じてクルマを借りる、新しいクルマの使い方が増えてきています。

所有、リース、シェアリングにはそれぞれの魅力があり、クルマの使い方に合わせたものを選択することが大切です。今回は、各サービスのメリットや、ライフスタイル別、最適なクルマの使用方法を紹介していきます。

・拡大を続ける、カーシェアリングやカーリース。何が魅力なのか?

クルマを利用する方法は多岐にわたり、クルマを購入して所有する以外に、気軽に利用できるカーシェアリングやカーリースを選択する人が増えています。

購入時に必要な高額な購入資金、ローンを組む際の頭金やボーナス払いなど、まとまった費用を用意することなく、月々決まった支払いだけでクルマに乗ることができるという経済面での効率の良さが人気の理由の一つです。

カーシェアリングやレンタカーは、基本料金に車検費用・税金・自賠責保険・任意保険などの、クルマを所有する際にかかる諸費用かかることが少なく、メンテナンスから管理までを提供している会社が一括して行っているため、ユーザーは安心してクルマを使用できます。

特に最近話題のカーシェアリングを利用する際は、会員登録を行うことで、携帯やパソコンから予約することができ、24時間好きな時に短時間でも利用が可能であることが、人気の理由になっています。

クルマのメンテナンス
リース費用の中には、整備費やメンテナンス代などを含んだ、メンテナンスリースがあり、突発的な出費が発生しにくく、クルマのことはリース会社に任せられるのがメリットです。

月々定額制でクルマを利用することができるカーリースは、車両本体価格・新車登録手数料・税金・自賠責保険料が月額料金に含まれており、メンテナンスプランを利用することで、車検費用・消耗品交換・ロードサービス費用も定額にできます。

また無料で車検費用・消耗品の交換を行い、割引価格でリース車両へ給油できるサービスを提供している会社もあります。契約期間は一般的に3年から9年程度の年単位となり、契約期間が長いほどリース料金は、低くなるように設定されていることが多いです。

カーシェアリング
都市部を中心に増えているのがカーシェアリングのサービスです。同じクルマを気軽に使える点は、女性からの支持も高いサービスになっています。

・クルマを持つ?それとも借りる?得する分岐点はどこにある?

移動手段として便利なクルマ、所有するか使いたい時だけ借りるかは、自身のライフスタイルから判断することになります。月々の走行距離によって適切なサービスの選び方が変わってくるからです。

毎日クルマを使用するものの、その多くが自宅から近隣のスーパーまでの短い距離で、たまに遠方へ外出しするという使い方をし、月々の走行距離が1,000〜1,500キロ以内で、同じクルマを長い期間乗りたいと考えている方はカーリースが向いています。クルマが変わることで使いにくさを感じるという方も、カーリースを利用するほうが安心できます。

仕事の通勤や普段の移動は公共交通機関を利用し、月に数回友人と遊びに行く時や、実家に帰省する時にクルマを使いたい方は、レンタカー利用が適切です。月々の走行距離は1000キロ以下です。また月に15回程度で、15分〜30分と短い時間で利用したい場合は、カーシェアリングのほうが費用を抑えることができるでしょう。

子供の送迎や仕事の通勤で毎日クルマを使い、休日は家族で買い物や旅行に行くことが多く月平均の走行距離が2000キロ前後と使用頻度が高い方は、リースやカーシェアリングよりも、クルマを購入し所有するほうが良いでしょう。

お得に利用するには条件があり、使用頻度を明確にすることで、クルマと上手に付き合うことができます。

・リースやカーシェアではできないこと。クルマを買う意味はどこにある?

クルマに対する価値観や考え方は人それぞれ違います。クルマへの興味、関心がなく「単なる移動手段の一つ」で、普段は公共交通機関を利用し必要な時だけクルマを借りればいいと考えている方もいます。

しかし一方では、クルマには移動手段だけではない魅力があると感じている方もいます。運転することに楽しみがあり、ドライブに行くことでストレスを発散し、自分好みのスタイルにクルマをカスタムすることで、クルマに対しての価値を高く持っている人も多くいるはずです。

リースやカーシェアのクルマは所有物ではないため、原則としてカスタムすることはできません。契約時にメーカーやディーラーで、オプションとして販売している純正のエアロパーツやアルミホイールは取り付けることができますが、純正部品を使ったチューニングで満足できないからと、さらに自分流の自由なチューニングを行うことは、返却が前提となるクルマではできないと思ってください。

カスタムカー
クルマを購入し、所有すると、自由にカスタマイズすることができます。単なる移動手段ではなく、趣味の一つとしてクルマを考えた場合には、リースやシェアリングではなく、購入一択となりますね。

ある男性が、結婚し家族が増え、軽自動車では狭く不便なことが多かったため、クルマを変える決心をしたのですが、ミニバンへと買い換えるか、リースにするかで悩んでいました。

リースは月々定額料金で利用できるなど経済的なメリットがたくさんあったのですが、クルマをカスタムしたい、距離数を気にせずに友人や家族とドライブを楽しみたいという思いが先行し、リースではなく購入することに決めました。

最終的には、クルマを購入することで自分好みにチューニングすることができ、クルマが家族で楽しくすごせる空間の一つになり満足していました。

クルマの購入は、リースやカーシェアのように制限がないため気を使わず自由なカーライフを送ることができることが魅力の一つでしょう。

・まとめ

クルマを購入するかリースやカーシェアを利用するか、それぞれにメリットは、たくさんあります。まずはクルマの使用頻度を把握し、使用用途を明らかにすることで、自身の生活にあった使い方を選択することができるでしょう。

(文:佐々木 亘)

この記事の著者

佐々木亘 近影

佐々木亘

大学卒業後、銀行員になるも3年で退職し、大好きだった車の世界へ足を踏み入れました。自動車ディーラー営業マンへ転職し、レクサス・セールスコンサルタントとして自動車販売の現場に7年間従事します。
現在はフリーライターとして独立し、金融業と自動車ディーラーでの経験を活かして活動中です。車にまつわる金融・保険・法規などの、小難しいテーマを噛み砕き、わかりやすい情報へと変換して発信することを心がけています。常にエンドユーザーの目線に立った、役立つ情報を届けていきたいと思います。
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