ハイブリッド、ガソリンエンジンの走りの違いは? それぞれの魅力を探る【新型ハリアー公道試乗】

■新型ハリアーらしさで選ぶならハイブリッド、軽快なガソリンエンジンも魅力的

2.5Lハイブリッド、2.0Lガソリンを設定する新型トヨタ・ハリアー。

静粛性の高さや中低速域を中心に、必要十分以上といえる動力性能を味わえるハイブリッドは、最新の高級SUVらしいテイストにあふれています。FFもリヤモーターを追加するE-Fourも同じ印象。

トヨタ ハリアー
写真はハイブリッド「G」のFFモデル

「G」グレードの場合、ハイブリッドのFFとE-Fourには、車両重量で70kgの差があり、重くなる後者の方が重厚感ある乗り味になっています。

それでも、発進時や試乗した際の雨天時のような滑りやすい路面で、後ろから少し押してくるような40kW(54PS)/121Nmのリヤモーターによる加速により、発進時のスムーズさ、パーシャル域からの伸びにもまったく不満はなく、重量増のハンデはほとんど感じさせません。

トヨタ ハリアー
ハイブリッド「G」のE-four(4WD)の走り

なお、ハイブリッドのフロントモーターは88kW(120PS)/202Nm。2.5Lエンジンは131kW(178PS)/221Nmというアウトプット。ハイブリッド車のシステム最高出力はFFが160kW(218PS)、E-Fourが163kW(222PS)となっています。

■数値以上に力強く感じられる2.0Lガソリンエンジンモデル

一方の2.0Lガソリンエンジン車は「G」グレードでの比較で80kg軽いため、走り出しから中高速域の加速感、コーナーなどでのフットワークなど、ハイブリッドよりもかなり軽快な仕上がりになっています。

静かで高級なテイストが美点の新型ハリアーですから、そのキャラを濃厚に漂わせるハイブリッドが魅力的なのは間違いありません。

トヨタ ハリアー
2.0Lガソリンエンジン「G」FF仕様の走り

一方で、アイドリングストップ時をのぞき、エンジンが絶えず作動している2.0Lガソリンでも車内は十分に静か。126kW(171PS)/207Nmというスペック以上に加速フィールは心地よく、活発に感じられるガソリンエンジンの走りにも惹かれました。

トヨタ ハリアー
新型ハリアーの2.0L「M20A-FKS」ダイナミックフォースエンジン

バッテリー状態やアクセルの踏み方などによるものの、60km前後くらいまでならEV走行(モーター駆動)が維持されるハイブリッドは、街中での静粛性が一段と高くなっています。

ハイブリッドはドライブモードセレクトで、EVモードを用意するのはもちろん、ECO、NORMAL、SPORTを設定。SPORTにすると、ステアリングの手応えが増し、アクセルレスポンスも鋭くなり、文字どおりスポーティな走りを披露してくれます。

トヨタ ハリアー
ハイブリッド「G」FFの走り

ガソリンエンジン車も十分に静かではあるものの、高級感のある走りで選ぶならハイブリッド。軽快なフットワークと活発なエンジン、そしてイニシャルコスト面で有利なガソリンエンジン車も新型ハリアーの良さは十分に享受できますから、予算、好みに応じて選択しても後悔はしないはずです。

乗り心地は重くなるハイブリッドの方がいい意味での重厚感があり、軽やかさではガソリンエンジン車の方が一段と色濃く感じられます。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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