トヨタ/ダイハツディーラーで入れる、クレジット一体型保険って何?【クルマとお金:金融知識編】

●保険もローンも一つにまとめてお得に使える、クレジット一体型保険の使い方

クルマにまつわるお金の悩みは多くあると思います。税金の支払いや、修理代、車検代、そして自動車保険とローンの支払いなどです。

今回は、自動車保険とローンをセットで申し込みできる、クレジット一体型保険について解説していきます。

・ローンも保険料も毎月定額、支払いも一緒で資金管理がしやすい

トヨタファイナンスと保険会社がタッグを組んで展開しているサービスが、クレジット一体型保険です。

車両購入時にトヨタファイナンスのクレジット契約(マイカーローン)を利用したユーザーだけが限定で利用できる、自動車保険とローンをまとめたサービスになります。

ディーラー営業マン
トヨタ・ダイハツディーラーで展開されるローン一体型保険、営業マンから一度は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

これは毎月のローン支払い額と自動車保険料が一定額になるというもので、支払いを計画的に行うことができるようになります。さらに万が一事故を起こしてしまっても、契約期間内は月々の保険料は変わりません。

また、クレジットの契約と自動車保険の契約が、まとめて一回で完了するので手続きが楽になり、1年ごとに行っていた自動車保険の契約更新手続きもないのが特徴です。

自動車保険の保険料は、毎年更新をする形の契約よりも若干安くなるケースが多く、家計にも優しいサービスとなっています。(自動車保険の契約内容によって差異はあります。)

・保険会社は選べて安心、充実のサポート体制

クレジット一体型保険は、トヨタファイナンス株式会社と、東京海上日動火災保険株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、損保ジャパン日本興亜損保株式会社が提携したサービスになっており、それぞれに「まとめてバリュープラン」(東京海上)、「コンビにプラン」(あいおいニッセイ同和)、「カップるプラン」(三井住友海上)、「クレぴたプラン」(損保ジャパン日本興亜)のペットネームがついています。

これらの4つのサービスを、トヨタ・ダイハツディーラーで選ぶことができます。

クレイチ
クレジット一体型保険を提供しているのは、現在4社の保険会社です。概要はかわりませんが、細かな補償内容や選択肢が若干ずつ異なります。複数社見積りをしてみて、最適なものを選びましょう。

保険期間は、購入したクルマのクレジット契約支払期間内かつ、2年~5年の整数年の最大設定可能年数となっており、希望によっては最大設定可能年数以内での契約も可能です。

たとえば、ローン契約を3年で契約した場合には、最長の保険契約は3年間で、最低2年間から契約できます。

ローンの相談も保険の相談も担当している自動車ディーラーで行うことができ、クルマの契約や点検整備と同じように、ディーラーでのワンストップサービスを受けることができます。

保険代理店も担当している自動車ディーラーとなり、土日祝日でもディーラーの営業日であれば、しっかりとサポートしてくれます。気心の知れた、ディーラーの担当者とのやり取りになるので、疑問点などを聞きやすい、気軽に相談しやすいというのもメリットの一つではないでしょうか。

テレマティクスサービス
クレジット一体型保険は、最近標準装着が進んでいるテレマティクスサービスと連携したサービスを受けられる場合もあります。より、身近に、便利に使える自動車保険になるのは、ユーザーにとっても嬉しい点です。

・保険の内容変更が少々手間に。初めに内容はきっちり精査する

手続きがクルマの契約とほぼ同時に完了し、保険料の安心の期間内は定額払いになるなど、メリットが多く見られるクレジット一体型保険ですが、気を付けなければならない点もあります。

クレジット一体型保険では一般的な自動車保険の契約と違い、保険契約者がトヨタファイナンス、被保険者がクルマのオーナーとなります。

一般的に、自動車保険の契約者にも被保険者にも個人名が入るので、クルマのオーナー=被保険者=保険契約者、もしくはクルマのオーナー=被保険者で保険契約者は被保険者の家族となるケースが多いです。

自動車保険の契約内容の見直し、さらに補償内容の変更などは、保険契約者の意思を確認して変更が行われます。つまり、クレジット一体型保険の補償内容を変更する際には、保険契約者であるトヨタファイナンスへ伺いを立てて、新しい保険金額での承認をもらう必要があります。

たとえば、クレジット契約期間中に子供もクルマを使うようになり、年齢条件や運転者条件を変更する際など、保険料に変動がある場合には、変更手続きにひと手間かかります。契約内容に変更が出る際には、早めにディーラーの担当者へ相談しましょう。

また、ローンを途中で繰り上げ返済し、完済してしまう際にも注意が必要です。クレジット契約が消滅するので、一体型保険の契約内容も見直しになります。

契約時の保険内容(補償内容や料金)を続けて使用したい際には、繰り上げ返済時から当初予定されていたクレジット契約期間までの残りの期間分の保険料を一括支払いすることで、保険期間は当初の契約通りとなりトータルで支払う保険料も変わりません。ただし、残期間の保険料を一括納付するので、一時的に経済的な負担が大きくなります。

クレジット一体型保険の契約は、契約の一定期間は大きな内容変更(繰り上げ返済やローン期間の短縮など)がないという前提で、自動車保険料を安く提供しているサービスです。変更が生じる際には、複雑な手続きあるかもしれないと考えておき、注意して利用しましょう。

・まとめ

トヨタ系ディーラー、ダイハツディーラーで入れる、クレジット一体型保険について解説してきました。

ワンストップで一定額というメリットをしっかりと生かしつつ、クルマにかかる手続きの簡素化と経済的なお得感を感じられるサービスです。トヨタ・ダイハツのクルマを使っている、または今後購入する予定がある方は、検討してみてはいかがでしょうか。

(文:佐々木 亘)

この記事の著者

佐々木亘 近影

佐々木亘

大学卒業後、銀行員になるも3年で退職し、大好きだった車の世界へ足を踏み入れました。自動車ディーラー営業マンへ転職し、レクサス・セールスコンサルタントとして自動車販売の現場に7年間従事します。
現在はフリーライターとして独立し、金融業と自動車ディーラーでの経験を活かして活動中です。車にまつわる金融・保険・法規などの、小難しいテーマを噛み砕き、わかりやすい情報へと変換して発信することを心がけています。常にエンドユーザーの目線に立った、役立つ情報を届けていきたいと思います。
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