■新ボディカラーの「銀影(ぎんえい)ラスター」とは?
レクサスはイヤーチェンジのように改良を積み重ねることで、各モデルの熟成を図る戦略を採っています。2020年冬に日本で発売される予定の新型レクサスLSの写真が公開されました。
新型LSのエクステリアの見どころは、まずはボディカラー。新しい塗装技術により、深い陰影とハイライトを達成したという新色の「銀影(ぎんえい)ラスター」が設定されています。
この「銀影(ぎんえい)ラスター」は、ハイライトの美しい輝きと奥行きを感じる深い陰影感を特徴とするシルバー。シルバーは色を質感として感じ取りやすいため、カラーデザインの本質を追求する同ブランドにとって重要な色域として、長年開発に力を注いできたボディカラーとしています。
この「銀影(ぎんえい)ラスター」は、レクサス最新のシルバーとして、光輝材(アルミフレーク)を含んだ塗料の体積を凝縮させる「ソニック工法」を応用。
アルミ蒸着を高密度で敷き詰める最新の塗装技術が採用され、鏡面のように粒子感をほとんど感じさせない滑らかな質感で、周囲の僅かな光も繊細にとらえ、時の移ろいや変化に呼応し、様々な表情を見せる特別なシルバーに仕上げられています。
そのほか、フロントバンパーコーナー部に縦基調のキャラクターラインが配され、スタンスの良さが表現されています。また、フロントバンパー下端のメッキモールがサイドまで回り込むデザインにすることで、伸びやかさを演出。
■スポーティグレードの“F SPORT”はワイドなスタンスを強調
ライトまわりでは、新デザインになる小型3眼ランプユニットが採用され、L字を際立たせたクリアランスランプの下に、先進のブレードスキャンAHSが装着されています。
同時に厚みのあるヘッドランプ形状とされ、サブラジエーターグリルをスクエア形状とし外側に配置することで、スタンスの良さを表現したそう。また、スピンドルグリルのメッシュカラーをダークメタリックに変更することで、よりフォーマルなシーンにも配慮した上品な雰囲気に変わっています。
一方のリヤまわりでは、リヤコンビネーションランプ内のメッキモールをピアノブラックに変更。さらに、厚みを感じさせるランプ形状になり、ヘッドランプとの調和と共に存在感がより強調されています。
また、スポーティグレードの“F SPORT”には、サブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることで、ワイドなスタンスが強調され、そのほかにも専用色のスピンドルグリル、20インチホイールなどのアイテムが用意されています。
一方のインテリアには、タッチディスプレイの採用による操作性向上に加えて、西陣織と箔など日本の伝統工芸とのコラボにより、細部に至るまでこだわり抜いてレクサスのフラッグシップモデルにふさわしい上質なキャビンに仕上げられているそう。
インテリアでは、ステアリングとセンターコンソールのスイッチ類が黒で統一され、視認性を向上させると共に、すっきりした印象に仕上げられています。
また、使用頻度の高いシートヒーター、ステアリングヒーターの操作画面を表示させるスイッチをセンターコンソールに追加することで、操作性の向上も図られています。
加えて、シート表皮の縫い位置がより深い位置に変更され、ウレタンパッドに低反発素材が新たに採用されています。これらにより、振動吸収と柔らかな座り心地が得られたそう。
また、SmartDeviceLink、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応し、iPhone、Androidスマートフォンを12.3インチタッチワイドディスプレイに連携することで、画面操作や音声操作が可能になるなど、やや課題に感じられた利便性も改善されているようです。
走りのさらなる熟成も図られています。
減衰力制御システムである「AVSソレノイド」が新規に開発され、減衰力が低減されると共に、ランフラットタイヤの縦バネ剛性(国内仕様は、2019年一部改良時に採用済み)とスタビライザーバーの剛性が最適化されています。また、エンジンマウント内のオリフィスを変更することで、減衰特性の変更が行われ、車内に伝わる振動を低減。
ハイブリッド仕様のLS500hでは、使用頻度の多い走行領域における加速時のバッテリーアシスト量を増加させることで、より余裕のある加速を実現。加えて、発進加速時のエンジン最高回転数を低下させ、静粛性の向上も図られています。
ガソリン車のLS500では、街中など使用頻度の多い走行領域でのエンジントルクの立ち上がりを向上させ、車両の加速レスポンスを向上。シフトスケジュールも見直され、各ギヤ段で加速できる領域を拡げることで加速時のシフトダウン頻度を低減したとしています。
ほかにも、ハイブリッド車、ガソリン車ともにANC(Active Noise Control)、ESE(Engine Sound Enhancemen)のチューニングが変更され、静粛性のさらなる向上が図られています。
(塚田勝弘)