クルマの中は特に注意、車内で熱中症になる原因とその対策

●エアコンがあり、体感的には涼しい車内も、熱中症のリスクは多く潜んでいる。

年々、夏の暑さは厳しくなり、外に出るのが嫌になるほど暑い日が続いていきます。真夏に駐車してあるクルマの中は、驚くほど高温になり非常に危険なことは知られた事実ですが、実はエアコンの効いた車内でも大きな熱中症のリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。

今回は、これからの時期に注意したい、クルマでの熱中症について考えていきます。

炎天下クルマの温度計
日向に置かれたクルマは、至る所に熱を蓄えます。気温30度でも、クルマの気温計はさらに高い温度を示していることが多いです。

・炎天下の中、駐車されたクルマの中の温度はどのくらいか

真夏に駐車してあるクルマに乗り込もうとすると、ドアを開けた瞬間に、充満した熱気で驚くことがあります。

炎天下にクルマを駐車すると、エンジンを止めてから30分後には車内温度は40度を超え、最高温度は60度以上まで上がることもあります。暑さ対策として、フロントガラスに日差しを遮るサンシェードを取りつけ、窓を3㎝程度開けていたとしても、車内温度は50度に達することもあるのです。

車内温度
外気温30度で、日光の当たる場所に、クルマを30分駐車したあとの車内の温度です。あっという間に50度になっています。

車内の温度が高くなることで、シートベルトの金具などで、ヤケドを負うことも考えられ、ガスライターやスプレー缶などを車内に置いていれば爆発し火災の危険性もあります。真夏の車内は短時間で急激に温度が上がるため注意が必要です。

・効果的なエアコンの使い方と、車内温度を下げる方法

高温の車内に乗り込み、暑さを我慢して運転するのは非常に危険です。運転への集中力が削がれる以外にも、熱中症などのリスクを背負うことになり、事故の増加にもつながってきます。

少しでも車内温度を下げてから出発するようにしましょう。

まず車内の熱気を外に出すため、4枚のドアがあるクルマでは運転席と対角の位置にある助手席側後部の窓を全開にあけ、運転席のドアを10回ほど開け閉めしましょう。

空気循環リアウィンドウ
熱気を効率よく外に出すために、開け閉めするドアと対角線の窓を全開にします。

この時、助手席後部ドアの窓以外は閉めておきます。ドアの開け閉めにより、空気の流入が起こり、対角線上に開けた窓から熱気が逃げていきます。隣のクルマとのスペースを十分に確保できる場合は、ドアを大きく開けたほうが効率よく換気することができるでしょう。

空気循環運転席
フロントドアを、大きな団扇で扇ぐように、ゆっくりと開閉します。
空気循環後車内
10回程度、ドアを開け閉めするだけで、車内の温度は50度からこれだけ下がります。初めの熱気を逃がすには、効果の高い方法です。

次にエアコンの温度を最低、風量を最大にして、外気循環モードにしてから走り出し、外気温よりも低くなったところで、内気循環モードに切り替え、車内が十分に冷えるのを待ちます。高温の車内をエアコンだけで冷やすのは非効率的です。

快適な温度になるまで時間がかかってしまうため、積極的に換気を行い、外気温よりも車内温度が高い状態では、窓を開けて走行するのも、効率的に車内を冷やす方法の一つです。車内の空気を換気し温度を下げてから、エアコンを作動させることで、エアコンの作動効率も高まります。

・エアコンをつけても車内が涼しくならないのはなぜ

走行中にエアコンの温度調整を最低にし、吹き出し口からは冷風が出ていても、なかなか車内の温度が下がらないことがあります。

直射日光をあびたダッシュボード、ステアリングやシートが多くの熱を蓄積しているため、車内にどんどんと熱を放出し、熱伝導効果で車内の空気を暖めてしまいます。

特にレザーシートはファブリックシートと比べ熱を溜め込む量が多く、車内の温度が下がりにくい他にも、直接シートに触れている人の体も温めてしまうため、エアコンをつけている状態で車内温度が下がっていても、熱中症のリスクが高まります。

シートやステアリングに触れている部分は、ストーブに当たっているのと同じような状態になるためです。このように熱伝導効果で車内の温度は下がりにくくなり、エアコンによる涼しさを感じられないというケースが、夏場に多く起こります。

・エアコン使用中の脱水症状に注意

外は暑くても、車内であれば涼しいからと安心しがちですが、エアコンの効いた車内での、夏場の長時間の運転はリスクが多く潜みます。

長時間の移動では、車内で身動きがとれず同じ姿勢が続くことで血流が悪くなり、体温調整機能も低下してしまいます。さらにエアコンを使うことで車内は乾燥し、想像しているより水分を消費していることが多く、気づかないうちに脱水症状になる可能性が高まるのです。

また、運転席や助手席は外からの日差しをあびて体温が上昇し、熱されたシートからの吸熱も相まって、知らないうちに熱中症になっているというケースも多いです。

小さな子供に対しては、さらに注意が必要になります。日光で熱せられたチャイルドシートはかなりの熱を持っており、調子の変化に気づかない乳幼児にはしっかりとした対策が必要となります。シートと体の接する部分に遮熱シートを使用したり、保冷材で体を冷やすなどの対策をとっておきましょう。

子供を乗せる後部座席に、エアコン吹き出し口がないクルマの場合は特に注意が必要です。

冷気が後部座席にまで届きにくく、運転席と後部座席では車内温度が大きく違うため、リアシートの同乗者のケアは欠かさずに行う必要があります。こまめな水分補給と同時に、夏場のドライブでは休憩の回数を多くとり、同乗者への気配りを忘れずに行いましょう。

・まとめ

夏は、レジャーや旅行などクルマで出かける機会が増え、炎天下にクルマを止めざるを得ない状況も多くなると思います。

長距離運転では、特に熱中症を引き起こす危険性も高まるため、「まだ大丈夫」と無理はせず、余裕を持って休憩しながら、クルマでの移動を楽しみましょう。

(文:佐々木 亘)

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