●直6ターボエンジンのスープラよりも速い加速が自慢
ついに正式発表となる、トヨタRAV4のプラグインハイブリッドモデル。正式車名は「RAV4 PHV」です。
発売に先立ってプロトタイプに試乗してきましたが、何に驚いたかってその加速力です。とにかく速い!
たとえば停止状態からアクセル全開にすると、立ち上がりからしてなかなかの速さ。しかし、本当に凄いのはその先なんです。
一般的なハイブリッドで速度の伸びが感じにくくなる、一般道の制限速度を超えるような速度領域に到達してもまだまだ、まるで湧き出すかのようにパワーが溢れるのだからビックリですよ。
しかもその加速の勢いは120km/hを超えるまでグングン伸びるのだから素晴らしい。とにかくパワフルなのです。速っ!
あれ、普通のRAV4ハイブリッドってこんなに速かったっけ……!? ずいぶんと違うような。もちろんそこには理由がありました。なんと、モーターが力強いんです。
普通のRAV4ハイブリッドのモーター(4WDモデル)は、フロント88kW(120ps)でリヤが40kW(54ps)。いっぽうでプラグインとなるRAV4 PHVは、フロント134kW(177ps)でリヤ40kW(54ps)。リヤはそのままですが、フロントはなんと1.5倍以上ですよ! どうりで速いはず。
ちなみにエンジンとモーターで発生するシステム最大出力は普通のハイブリッドの163kW(222ps)に対して、PHVは225kW(306ps)。かなり違うので、この加速も納得ですね。
っていうか、300psを超えているとは。
ちなみに、RAV4 PHVのアメリカ仕様(現地名「RAV4プライム」)の停止状態から60マイル(96.56km/h)加速は5.8秒。これは普通のRAV4ハイブリッドよりも2秒も速く、さらにいえばトヨタ車としては直6ターボエンジンを積むスープラの初期モデル(4.1秒)の次となる速さ。
つまり、トヨタ製のトヨタブランド車としてはもっとも速いモデルということになるのでした。
「エコなだけじゃなくて、速いんですよ」と開発者も誇らしげ。トヨタのプラグインハイブリッド戦略が新しい方向に進んだことを感じさせますね。
(工藤貴宏)