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●車両入替だけじゃない、クルマを買い替えた時の保険手続きとは?
ウキウキする新車の納車、この時を心待ちにしているみなさん、自動車保険の手続きは済んでいますか?
クルマを買い替えた時には必ず自動車保険の手続きが必要です。「車両入替」という手続きが一般的な方法ですが、自身の保険等級や購入したクルマによっては、単純な車両入替手続きよりもお得にできる方法があります。
今回は、クルマの買い替え時に発生する自動車保険の手続きを、解説していきます。
・基本的な買い替え時の保険手続き「車両入替」
クルマを買い替えた際に、必要になるのが自動車保険の「車両入替」手続です。現在使っている自動車保険の契約車両を古いものから新しいものに変更する手続きで、新しいクルマの車検証を手元において行います。
ダイレクト系やネット損保の場合には、車検証の項目(ナンバー、型式、車台番号、登録日など)を入力し、会社によっては現在の走行距離などを入力して手続き完了します。一般代理店での加入の方は、加入代理店へ車両入替手続きの旨を電話し、新しい車検証を代理店あてにFAXして、納車日を伝えれば手続きは完了です。
どちらの場合でも注意しなければならないのは、新しいクルマの納車日と納車の時間に合わせて保険の始期を設定することです。特に、保険の効力が発生する時間は時間の指定をしない限り「午後4時」からとなってしまいますので、納車時間が午前10時などと決まっている場合には、しっかりと保険契約の始まる時間も設定することが重要です。
・新車割引を最大限利用することができる、「中途更改新規」
車両入替手続きの場合、保険契約の始期と満期は元の契約から変わりません。つまり、登録日や車検時期と保険の始期日がリンクしないケースが多いです。新車割引が適用できるのは、クルマの新規登録日から25か月以内と49か月以内です。
更新時に、次回更新までの期間が新車割引の適用期間であれば再度適用できますが、ひと月でもオーバーすると新車割引の適用から外れてしまいます。
そこで、保険の始期日を新しいクルマの登録日と合わせることで、新車割引が最大限活用できます。新車割引は、対象のクルマが初度登録から25か月以内であれば高い割引率を使用することができ、保険会社によっては最大49か月まで適用が可能になるので、最大4年間使用することができます。
現在、自動車保険の契約期間は複数年契約をするものが一般的になってきており、一度に複数年の契約期間を設けることができます。新車購入時には、2年契約の自動車保険に中途更改新規で加入し、新車割引期間を最大限に利用することで、保険料を抑えることができます。
特に、数か月前に自動車保険の更新が完了していて、始期の変更が2〜3か月で済む場合や、現在20等級(最高等級)で、この先等級が上がることは無く、いつ解約しても保険等級の進みに影響がない場合には、積極的に中途更改新規を利用して新車割引の2~4年間を有効に利用しましょう。
ただし、中途更改新規のデメリットもあります。
あと数か月で1年の区切りがきて等級が上がる場合や、直近で保険請求をしていて事故あり係数適用期間に入っている場合には、中途更改新規にしてしまうと等級アップによる割引率の上昇の恩恵を受けられない場合や、事故あり係数適用期間が長くなってしまい割引率が低下した状態での保険契約が続く形になるので、このような場合には通常通り車両入替手続きを行うほうがお得になります。
自身の保険満了日や等級の状況を確認して、判断するようにしましょう。
・等級の低い保険を継承しなければならない場合
事故により保険請求を行って等級がダウンしてしまい割増等級となっている場合、新規契約をして等級を6Sに戻したい気持ちになりますが、クルマの台数が増えない限り割増となっている保険を次のクルマにも引き継がなければなりません。
割増等級は簡単にはリセットすることができないので注意が必要です。
ひとつ例外の方法として、数か月の間2台のクルマを所有して、現在割増を受けている自動車保険を残したまま、新しいクルマ用に自動車保険を契約し、古いクルマを手放す際に割増になっている保険を解約するという方法があります。
この場合、2台所有していることを保険会社にしっかりと認知させることが必要になるので、数か月の間クルマ2台分の保管場所を確保し保険料も2台分支払う必要があります。複数台契約している期間が短いと不当に割増保険契約の解約を行ったとみなされる場合もあり、費用や手間もかかるため、あまりオススメできません。
・まとめ
簡単な手続きで完了する車両入替手続きですが、中途更改新規としたほうが良い場合も多くあります。簡素に終わる手続きだからこそ、損をしない方法を選んで手続きすることが重要です。
新車購入時にしか利用できない新車割引をしっかりと利用できるように、車両入替か中途更改を選びましょう。
(文:佐々木 亘)