■ボルボの「リチャージ」は、バッテリーEV・PHEVなどに使われる呼称(車名)に
ボルボは、傘下のポールスターを高級EV・高性能EVのブランドとして独立させる戦略を取っています。さらに「ボルボ」ブランドとして、ベルギーのゲントにある製造工場で「ボルボ XC40 Recharge(リチャージ)P8 AWD」のラインオフ、新たなバッテリー組立ラインを2020年3月に立ち上げています。
「ボルボ XC40 リチャージ P8 AWD」は、今年後半にも初のバッテリーEVとしてラインオフされる予定。
ボルボは、2018年から2025年の間に車両1台あたりのライフサイクル・アセスメント(ライフサイクル・カーボンフットプリント)を40%削減することを掲げています。
具体的には、2025年までに世界の販売台数の50%をピュアEV(電動化車両)として、残りをハイブリッド車にすることを掲げていて、今後5年間、毎年EVを発売するとしています。「リチャージ」は、バッテリーEVまたはプラグインハイブリッドが搭載された充電可能なボルボの車名として使われるそう。
ベルギーのゲント工場は、ボルボ初となる電池組立ラインが導入された工場であり、電化に向けた製造ネットワークの準備を進める上で、先駆的な役割を担っています。
また、中国のボルボの工場では「CMA」プラットフォームをベースにした「ボルボ」ブランドだけでなく、別ブランドのポールスターやLYNK & COの同様の基盤を持つモデルと並べて生産し、バッテリーEVを生産するとしています。
2019年にボルボは、中国のCATL社および韓国のLG Chem社という世界的な大手バッテリーサプライヤー2社と長期供給契約を締結。同契約は「ボルボ XC40リチャージ P8 AWD」を含むボルボとポルスターの次世代モデルに、今後10年間に渡ってバッテリーを供給する内容になっています。
ボルボ初のバッテリーEVである「ボルボ XC40 リチャージ P8 AWD」は、1回の充電で航続距離400km以上(WLTPモード)、出力は408hpを発揮。充電は、急速充電システムを使うと容量80%まで40分で充電できるそう。
バッテリーは車体中央に埋め込まれたケージで保護されていて、床下に設置されることで重心を下げ、横転も防ぐ構造になっています。さらに、Android OSが搭載された新しいインフォテインメントシステムが採用されたボルボ初のモデルでもあります。
「ボルボ XC40 リチャージ P8 AWD」の日本での発売の有無や時期などの詳細は明らかにされていませんが、日本でも取り回ししやすいボディサイズに加えて、ベースのガソリン車は高い積載性を備えているだけに、日本導入が期待される一台です。
(塚田勝弘)