同社は、CO2排出削減の課題解決に向けたソリューションとして、2017年に初の量産型電気小型トラック「eCanter」の販売を開始し、商用車のゼロエミッション化を推進。車両総重量7.5tクラスの「eCanter」は、ルート配送や都市部での走行などに適していて、1回の充電で約100kmの走行が可能だそう。すでに日本、欧州および米国で合計150台以上が稼働中で、走行実績はグローバルで合計160万km以上に到達しています。
MFTBCでは、このCO2削減に向けた取り組みを今後さらに加速し、2020年代後半までに燃料電池トラックの量産も開始するとしています。2019年の東京モーターショーにおいて、同社は燃料電池小型トラックのコンセプトカー「Vision F-Cell」を初公開。
今回、「eCanter F-Cell」として新たに改良された同コンセプトカーを公開しました。車両総重量7.5tクラスの同コンセプトカーは、より高いエネルギー密度の高圧水素を用いることで、最大で300kmの走行を可能にするほか、水素の充填時間も10分以内と、EVの充電時間に比べて大幅に短縮されます。MFTBCは、EVとFCVは目的に応じてそれぞれ利点を持ち、顧客の個別の輸送ニーズを満たすために、相互に補完し合うものと考えているそう。
また、MFTBCは、ダイムラーのトラック・バス部門が2018年に立ち上げたeモビリティの研究開発を行う組織「Electric Mobility Group:EMG」の一員として、商用車の電動化における研究開発や戦略策定に参画しています。MFTBCは、より進化した機能を持つ電気小型トラック「eCanter」の開発だけでなく、今後すべてのトラック、バスを電動化すると表明しています。
(塚田勝弘)